Daijyu Henri Takeishiさんの感想
2018年8月2日
あまり好みではないというか、五感の鋭さや、視点や言葉の使い方の面白さを見いだせない。また、これは私の勉強不足かもしれないが、テクニックも感じることができないのだが、とりあえず気に入った歌を。 むすぶ手のしづくに濁る山の井の飽かでも人に別れぬかな 水底の月の上より漕ぐ舟の棹に障るは桂なるらし 影見れば波の底なる久方の空漕ぎわたるわれぞわびしき 最初の一つは言葉選びと構成が、後者は素朴だか視覚をわき立てる面白さを感じたので。
田中登(たなか・のぼる) * 1949年愛知県生。 * 名古屋大学大学院単位取得。 * 現在 関西大学文学部教授。 * 主要著書 『校訂貫之集』(和泉書院) 『古筆切の国文学的研究』(風間書房) 『平成新修古筆資料集』(思文閣出版) 『王朝びとの恋うた』(笠間書院) 『失われた書を求めて』(青簡舎)ほか。 「2011年 『紀貫之』 で使われていた紹介文から引用しています。」