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- Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
- / ISBN・EAN: 9784305707239
作品紹介・あらすじ
家持の歌世界にみる〈歌学〉の萌芽
中国の六朝詩学を導入し歌を創造した家持。歌を日本の「詩」と捉え、漢詩と同質にみる態度は、歌論に表される歌の本質論に繋がる問題であり、家持の〈歌学〉の源流がある。
本書では、特に越中時代以降の作品を取りあげ、『文選』『玉台新詠』六朝詩と比較検討し、『文心雕龍』などの文学理論と照合。どのように中国文学を享受し、日本の歌へと展開させたのか。家持が構築した新たな文芸の核〈歌学〉を明らかにする。
【家持の〈歌学〉は断片的なものであるが故に、歌から理論を探る工程が必要となるのであり、体系的に表れるのは、『歌経標式』や『古今和歌集』を待たねばならない。しかしこれらの歌論が中国詩学を取り入れることによって和歌の本質に迫ろうとしたことを鑑みるならば、家持の時代にすでにその素地があったということである。このことは家持における〈歌学〉が、個人に帰するものではなく、古代日本の歌が辿る必然性の中にあるということを物語っていよう。...本書「結論」】
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