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- Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
- / ISBN・EAN: 9784305707819
作品紹介・あらすじ
小町が、その死後人々の心の中にどのように生き続け、どう変容していったのか。また、変容しながらその底に変らずに生き続けてゆく、小町的なもの、とはいったい何か。小町の虚像と実像にはじめて架け橋をかけた、名著の復刊です。
解説◉「小町的なもの」―目に見えぬものを見よ・錦 仁[新潟大学名誉教授]。
【…平安時代、しかも小町の死後百年ほどの間に、小町は既に伝説化されつつあったことになる。そしてそれは、あの「花の色はうつりにけりな……」とか「わびぬれば身を浮草の根を絶えて……」などの小町真作の歌から発し、その残り香や体温をそのままに保持している詠草の編纂・増補という形で形成されていったのである。そして、それはそれぞれの歌を小町真作と信じ、それぞれの事件を小町の事蹟として見る態度から、形づくられていったのである。小町作にあらざることが実証され得る歌でも、小町作と信じられて伝承されて来たのである。客観的には虚像であっても、伝承する人、享受する人にはまさしく実像以外の何物でもない。虚は実であり、実は虚であるゆえに、伝承されたのであり、またそれゆえに、あの小野小町は、今も我々の胸の中に生き続けているのである。小野小町追跡の終着点は、どうやら民族の心の中にあったようである。】…Ⅲ 「小町集」と小町説話、より。
感想・レビュー・書評
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