親孝行の江戸文化

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  • Amazon.co.jp ・本 (410ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784305708397

作品紹介・あらすじ

江戸時代の孝は、誰もが善と信じて疑わない思想であった。
そのころの孝という道徳が持っていた活力と豊かさを掘り起こす。

「孝道徳」は、時に戦前の軍国教育と結びつけて考えられたり、また為政者による人民統制の手段と考えられたりと、とにかく堅苦しいイメージが強い。間もなく学校教育の場で「道徳」は、「特別の教科」として格上げされることが決定しているが、そこでは「また親孝行を教え込まれるのか」との危惧が伝わってくる。
果たして江戸時代からそれは、そのようなものであったのか。孝という道徳は、たしかに政治的な負の側面ばかりが目立つものであるが、本書は江戸時代の孝がもらたした文化的な側面や、人の動き、書物の動き、思想の動きに着目し、江戸時代に孝が持った肯定的な熱気と、そこから生じた多様な現象を明らかにすることで、江戸時代の孝に対する研究や一般的なイメージにおけるステレオタイプに異を唱える。

【本書を通して訴えたかったのは、江戸時代の孝に対する研究や一般的なイメージにおけるステレオタイプに異を唱えたい、ということである。「孝子良民の表彰は封建制度の強化策」という考えは、戦後になってから固定化されたものである。しかし江戸の孝を論じるとき、このような画一的な結論だけで良いのだろうか。少なくとも江戸時代の人は、孝をそのように批判的に見ていなかった。孝の多様で豊かなありようを享受していたはずである。このように考えて、実例をもとに新たな見方をさまざまに提示してみたのが本書である。読者が江戸の孝のポシティブな力を少しでも感じ取って下さったなら、本書は成功である。】…あとがきより

プロフィール

1970年、静岡県御殿場市生まれ。金沢大学文学部卒業、九州大学大学院文学研究科(修士・博士)修了。博士(文学、九州大学)。日本学術振興会特別研究員PD(東京大学)などを経て、2005年より明星大学日本文化学部専任講師。2014年4月よりハーバード大学ライシャワー日本研究所客員研究員(2015年3月まで)。2015年より明星大学人文学部教授。著書『落語・講談に見る「親孝行」』(2011年、NHK出版)、『孝子を訪ねる旅』(2015年、三弥井書店)、編著『『本朝孝子伝』本文集成』(2010年、明星大学)ほか。

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