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Amazon.co.jp ・本 (184ページ) / ISBN・EAN: 9784306051843
みんなの感想まとめ
土地に根ざした建築の魅力を探求する一冊で、効率重視の画一化されたデザインとは一線を画します。読者は、土着性を持つ建築がどのようにその土地に最適化されているかを知ることで、建築の本質を再評価することがで...
感想・レビュー・書評
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土着性を持つ建築、効率のため画一化されたデザインではなく、"その土地に"最適化された建築。
稲荷の鳥居をくぐったときのこと、襖の奥の庭園をのぞんだこと、インドネシアの、竹を見事に組み立て足場にする建築現場を思い出す。
建築や、食や、音楽や、人が土地に生まれ落ちるということを思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
その土地で
その風俗が
活きていた時代の建築群 -
西洋建築における柳宗悦、レヴィ=ストロース、という感じ。
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久しぶりのSD選書。
僕らが習う建築の歴史なんて、
取り分け西洋建築史は、
ごくごく一部のセレブ気取りな人間たちの作品や、
或いはそういった人間の研究結果にすぎない。
と思う。
それをあたかも建築の歴史の最も重要な知識として
習得を余儀なくされるが、
世の中には他にも、今となっては原始的だけど、
魅力的な建築やまちは沢山存在する。
そんな部分を紹介した本。 -
読むたびにわくわくする一冊。迷ったり悩んだりした時に読みたいですね。
人類の繁栄の原因。それは、場所を選ばずどこにでも住居をつくれることではないでしょうか。
切り立つ崖、水上、木の中、巨大な岩の中、砂漠・・・
それら過酷な環境と融合した機能美は、見る者を驚嘆させ啓示を与えてくれます。
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ビジュアルとして面白い。啓蒙思想へのアンチテーゼみたいなのは逆に上からって感じが今となってはするけど、こう言うのを偉いなって読んでたよね昔の日本人。アーケードとか、葺結んだ構造とかスペインの城壁とか、塔、規格化された建物が地形に沿って均一さを崩していくところとか、最高。
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まるで学生アイデアコンペの作品を見ているかのような、一見空想にみえる建築が並んでいる。
本書にも書いてあるように、それぞれパノラマ的に紹介されており、写真も多いためスラスラと読み進められる。
それらはその地に最適な機能性を備えているのだが、それが結果的に審美性にも影響を与えており、モノクロ写真でも壮観さが伝わってくる。 -
世界各地の興味深い土着的建造物、住環境の数々。
白黒だけど写真もたくさん、人間の創意工夫は目にも楽しい。 -
建築を学ぶにあたって必読本にあげられる名著かと思います。世界中の”建築家が手がけず”に自然発生したとも言える建築・都市について取り上げて、その美しさと機能性を礼賛し、その当時の特権階級のために作る綺麗な建築を批判的に執筆している内容です。書かれたのは1964年ごろですが、現代の建築論議においても十分に有効な内容かと思います。建築を学ぶ目的でなくとも良質な旅行本としての活用できるのではないでしょうか。
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地位や名声などに縛られることない工匠によって建てられた世界中の原始的な建築が紹介され、興味を惹かれた。
私がとりわけ関心を抱いたものは二つあり、一つは中国の洛陽の地下村落。そこは、地表を屋根に用いて、人々はくりぬいた地面の中で暮らしている。耐力性にも快適性にも優れていそうであった。
もう一つは、ホレオというスペインのガリシア地方のトウモロコシ貯蔵庫である。日本の高床式倉庫と、石造という点以外は機能も形態もほぼ同じで、のちの宗教建築の原型となったという点でもつながるものがあり、驚いた。 -
請求記号 520.2/R 82
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ヴァナキュラーな建築の事例が多数とりあげられている。
想像上のもののように思えるようなもよもあり、衝撃を感じた。
B.ルドルフスキーのコメントは短く端的で、それぞれについて深く知ることはできないが、きっかけとして系統的に見るにはふさわしい本だった。 -
大体が、建築家が関わってる構造体など、この深遠な大宇宙にとっては皆無に等しい。この論理を正しくビジュアルで示してくれるのが言わずと知れたこの一冊。知的好奇心をくすぐります。
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1964年にNYで開催された同名展覧会の記念刊行物。展示されて写真・図版に対して主催者のルドフスキーがコンパクトな解説をつけている。B.ルドフスキーはウィーン生まれの建築家であり、世界各地のとしに居住した経験からローカルな文化に着目したエッセイを多く記している。代表作は『裏から見た現代住宅』『キモノ・マインド』など。
建築学科で設計を学んでいると、建築物というのは一人の万能な建築家がすべてを掌握して作っているという錯覚に囚われる。しかし広く世の中に目を向けてみると、そうでないもののほうが多い。例えば日本の戸建住宅はほとんど木造の「在来軸組構法」と呼ばれるアイデアで建てられているが、これは無名の棟梁たちが長年かけて編み出してきたのものだ。
世界には「建築家なしの建築」が溢れている。それは各地の文化・気候・生活に密着したヴァナキュラー(vernacular, 風土的)な建築であり、ヨーロッパの様式的な建築に焦点を当てた建築史の「正史」には当てはまるポジションがなく、それゆえ顧みられることも少ない。副題「系図なしの建築についての小さな手引書」とはそのことを指している。
内容は写真が七割、コメントが三割。文章が少ないので読み進めるのは容易。その分写真をよく見るべきなのだろうとは思うけれど、モノクロ&古いためにやや不鮮明でじっくり見ると疲れる。質感もわからないので正直あまり面白くはなかった。量を重視しているためにそれぞれの掘り下げが浅い。すぐに知識が揮発してしまいがちなところももったいなく感じる。
地域別で見るとユーラシア(特にヨーロッパと中東、中央アジア)とアフリカが多い。逆に南北アメリカは二件のみ。石造が多く、木造は僅か。古いものがそのまま残りにくいからかもしれない。朝鮮半島のオンドル(床下暖房)がなかったのは意外。
ユニバーサルデザインに行き詰まりを感じる現代の建築界では、こうしたヴァナキュラー建築の再発見に活路を見出そうとしているようだが、当然だと思う。「鉄とコンクリートの構造+機械力(空調、人工照明)による環境整備」はエネルギーにモノを言わせたゴリ押しで、美しさを感じない。周辺環境を取り込んだパッシブな建築を考えていきたい。
最後になるがp.94の、ポルトガルの高床式石造穀物倉庫。石柱のうえに倉庫が乗ったものがいつくも並んでいるのだが、伝承通りいかにも歩き出しそうでなんだか可愛かった。 -
紹介されている建築家なしの建築はどれも興味深いものばかり。それもさることながら、建築の写真が素晴らしい。モノクロ写真がその地域・建築の光の状態と陰影を、絶妙な構図とトリミングで一ページに収められている。
建築家がいない建築では、その場所で長年受け継がれてきたものが最適解として建築に立ち現れてくる。もうそこでは最適解がでているので、建築家は介入の余地がない。介入したとしたらそれは侵略だ。
そういった領空侵犯ギリギリの状況でも、建築家にはどういった役割があるのだろうと考えさせられた。と同時に、現在ではこの最適解を導いた名のない集団が、文明に歩み寄って行ったのかも心配になった。 -
ルドフスキーの言葉を借りるなら「私たちの建築的な偏見を探検する旅の出発点を示す」「一種の旅行案内」という本。モノクロですが写真が多いので読みやすいです。
ま、原点かと。 -
とあるきっかけから、涼しい朝を利用して再読。
タイトルにあるように、
無名の工匠たちによる風土的な建築をパノラマ的に紹介した本。
建築史の正系から外れた建築は、各々、風土的〔vernacular〕、無名の〔anonymous〕、自然発生的〔spontenous〕、土着的〔indigenous〕、田舎的〔rural〕といった要素を持ち、
写真と簡単な文章によっておよそ150の建築を紹介している。
すっかり忘れていたが『人間のための街路』を研究室で購入していたので読まなくては。 -
486夜
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