アメリカ大都市の死と生

  • 鹿島出版会
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  • Amazon.co.jp ・本 (488ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784306072749

作品紹介・あらすじ

都市論のバイブル、待望の全訳なる。近代都市計画への強烈な批判、都市の多様性の魅力、都市とは、明らかに複雑に結びついている有機体である-一九六一年、世界を変えた一冊の全貌。

感想・レビュー・書評

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  • ■一橋大学所在情報(HERMES-catalogへのリンク)
    【書籍】
    https://opac.lib.hit-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/1000701759

  • 詳しいレビューは訳者解説に分かりやすくまとまっている。今日では自明のコミュニティやネットワークの重要性、そのために時間をかけるプロセスの重要性についての主張がみられるほか、都市での観察により居住者と都市の関係性を細かく分析されている。詳細なデータは示されていないため提起されたものは概念的なものにとどまるが、既存の都市計画理論を無批判に取り入れていた当時の時代背景においてはジェイコブズの批判は思想として極めて重要なものであっただろう。

  • 1961年に書かれた都市計画、街づくりのバイブルともいえる本。建築学生ならぜひ読んでほしいという本のひとつ。著者は作家兼活動家のジェイン・ジェイコブズである。当時、都市計画の専門家ではなかった彼女が近代都市計画への痛烈な批判、都市の多様性の魅力を語った一冊である。都市の使い手の一人としてどのような街が心地よい街なのかをぜひ考えてほしい。 建築学科4年

  • とても50年以上前の著作とは思えない名著。しかも、専門家ではないアマチュアにしてこの洞察力。街のにぎわいの創出など、昨今求められているまちづくりの考え方が、既に明快に示されている。恐るべき慧眼。都市は複雑系である、このことを肝に銘じたい。

  • アメリカ大都市の死と生
    (和書)2011年08月20日 14:07
    ジェイン ジェイコブズ 鹿島出版会 2010年4月


    最近は近代建築の巨匠と言われる人たちの著作や建築作品をみていた。今回は全く違った見方をするジェイコブスさんの本を読んでみた。確かに面白いと思う。

    ジェイコブスさんが最後の方に書いた部分が印象に残った。

    『・・・自然を感傷的に捉えるのは危険です。ほとんどの感傷的な発想は、気づかれないかもしれませんが、その根底に根深い敬意の欠如があるのです。おそらく世界一自然を感傷的に見ているわたしたちアメリカ人が、おそらく世界一貪欲で冒涜的な、野生と田園地方の破壊者でもあるのは、偶然ではありません。・・・』

    訳者解説にあるアマチュアについての話も面白かった。

  • 社会
    建築

  • 集団的記憶喪失の愚。
    中世の中国は世界一の先進国。
    文明の五本柱①コミュニティーと家族。②高等教育。 ③科学とそれに基づくテクノロジーの効果的実践。 ④税と政治の力。 ⑤知的プロフェッショナルによる自己規制
    住宅や自動車を低利&長期ローンで建てさせる政策→市民を奴隷にする策
    市民や物資の殺人的な大量&高速移動は致命的。cf. ガンディーも高速輸送を否定していた。
    人間の養育に効率や経済の物差しは当てはまらない
    豊かさが社会全体に行き渡らないことは自らその文化を虐殺することである。
    農業に代わる資源とは、創意工夫の才=人的資源の開発である。
    最も危険なのは、支配的内部からの腐敗、新しい文化に適応できないことである

    石油が全ての問題を露呈させた。 ①コミュニティーの破壊 ②環境汚染 ③森林資源

  • 原題:The death and life of great American cities
    著者:Jane Jacobs
    訳者:山形浩生

    [新版]アメリカ大都市の死と生
    都市論のバイブル、待望の全訳なる。近代都市計画への強烈な批判、都市の多様性の魅力、都市とは複雑に結びついている有機体である――。1961年、世界を変えた1冊の全貌。

    ISBN:9784306072749
    体裁:四六・504頁
    価格:本体 3300 円+税
    出版年月:2010年4月
    http://www.kajima-publishing.co.jp/


    【主要目次】
    第I部 都市の独特の性質
    第II部 都市の多様性の条件
    第III部 衰退と再生をもたらす力
    第IV部 ちがった方策

  • 今この本を読むとジェイコブズが都市計画の思想に複雑系やシステム論を入れようとしていたことがわかる。最後の「都市とはどういう種類の問題か」の章を読むとより明確になる。

    科学思想の歴史の要約と解釈として参考にしたものはウォーレン・ウィーバーのロックフェラー財団の自然科学・医学部門の退任の際の「ロックフェラー財団 1958年年次報告」

    ウィーバーの科学思想の歴史の発展の三段階。
    1 単純な問題を扱う能力
    2 まとまりのない複雑性を扱う能力
    3 組織だった複雑な問題を扱う能力

    単純な問題とは違いの行動に直接関係がある二つの要素ー二つの変数ーを含む問題で、これらの単純問題は、科学が最初に取り組みを覚えた種類の問題。

    ひどく単純化して、科学的技法は極端から極端へと移り、広大な中間領域は手つかずのまま。変数が中間程度で相互に関連している。

    現実には野蛮人と農民は伝統に縛られ、社会階級にとらわれ、詠進にとらわれ、疑惑に悩まされ、何であれ見慣れぬものを恐れ、最も自由のない人たちです。

  • クソ長い!!二段組で500ページ。山形浩生の訳じゃなかったらとっくに読むのを放棄してるとこだった。後半は根性だけで読んだ気がする。そして最後の訳者解説のわかりやすいこと。本書3500円だけど2000円ぐらいは解説に払った気がする。都市は生物なんですね。というところでこの間読んだ「世界は分けてもわからない」とすごい繋がるところあるなと思った。

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著者プロフィール

Jane Jacobs(ジェイン・ジェイコブズ):
1916~2006年。アメリカ、ペンシルベニア州スクラントン生まれ。都市活動家、都市研究家、作家。1952年から10年間「アーキテクチュラル・フォーラム」誌の編集メンバーとなる。1968年にカナダに移住し、同国トロントで他界。40年以上にわたり、アーバン・プランニングに対抗してコミュニティに基盤を置いた革新的な方法を擁護した作家である。一九六一年の著書『アメリカ大都市の死と生』は、数世代にわたるプランナーとアクティヴィストを元気づけながら、都市の内部でうまくいっていることうまく行っていないことに関するおそらく最も影響力のあるテキストとなった。

「2018年 『ジェイン・ジェイコブズ都市論集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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