エンドレス・ワルツ

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 49
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (149ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309007465

作品紹介・あらすじ

ジャズ界の異端児、阿部薫。作家であり女優であった、鈴木いづみ。傷つけ合いながらも互いに激しく求め合った男と女の凄絶な愛の軌跡。

感想・レビュー・書評

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  • 稲葉真弓の『エンドレス・ワルツ』

    実在した小説家でありピンク映画女優、ヌードモデルの鈴木いづみとアルトサックス、ハーモニカ等、ジャズ演奏者の阿部薫の壮絶な薬と酒と幻想に満ちた純愛伝記小説。

    純愛過ぎて怖くもあり、儚くもあり何とも言えない余韻が漂う。

    これ映画があるんで観たいなw

    2015年15冊目

  • 1973年から1978年までのアルトサックス奏者・阿部薫と作家・鈴木いづみの愛憎劇。
    それから、1986年のいづみ。

    もう絶望的に苦手だわ、こういう世界。
    五体満足に生まれて、なのに何かの被害者であるかのように、自分を受け入れない世の中に反発し、酒や薬に頼り、現実に向き合おうとせず、破壊するだけで生産的なことはせず、…。
    ああ、嫌だ。
    甘えてる。

    そういう時代だったというのもあるのだろう。
    事実その後の世の中に、このような自堕落を賛美するような時代はない。
    時代に流されたのか、そういう自分に酔っていたのか。

    退屈をもてあましているのなら、働けばいいじゃない。
    金のために働きたくないなら、他人のために倒れるまでボランティアでもしてみればいいじゃない。
    生活の苦労もせず、自分のところにラッキーが、またはハッピーが来るまで、ラリッて支店の定まらない目で世の中を斜に見る。

    二人の間に娘が生まれたけれど、その子は透明で、父とこの世を繋ぐことも、夫婦仲のかすがいになることも、母とこの世を繋ぐこともできなかった。
    この夫婦には、娘の姿が見えていたのだろうか。
    寝ている娘の横で首を吊る母親。
    甘えるな。
    遺された子どものことなんか、みじんも考えていないのだろう。
    生きたくても生きることのできなかった人のことも、考えたこともないのだろう。

    才能がある人は、何をしてもいいの?
    でも私は、阿部薫も鈴木いづみも知らなかった。聞いたことなかった。
    50年できれいさっぱり忘れられる程度の才能だ。

    解説で小池真理子が”純粋さは、それを究めようとすると、皮肉なことに、果てしなく人を堕落させてしまうことがある。”と書いているが、純粋を言い訳にする時点で不純じゃないか?
    もう本当に、こういうの、無理だ。

  • 2015/4/4購入
    2018/10/29読了

  • 女優で作家の鈴木いづみ。サックス奏者の阿部薫。ふたりのひりひりするような、お互いを激しくぶつけあい、愛すると同時に憎しみを抱いた関係。ただ、目を見れば、音を聞けば、愛している、愛されているとわかる関係。/人生はメトロノームだと、だれかが言っていたが、そのメトロノームを止める方法なんてだれも知らないのだ。p.13/「速度が問題なのだ。音にしても言葉にしても。どれだけ早く走らせることができるか……」「醜悪なものの中にこそ真実があるんだ。僕はぶさまなものしか信じない」p.63/「自分の人生に跪きたくはないから。なしくずし的に死んでいくのに耐えられないから。瞬間の充実だけがすべてなのだ」と。あるいはこうだ。「なにが敵かわからないんだ」と。p.70/けれども私にはわかっていた。彼はまた音の中に溺れそうになると、薬をやるだろう。音をもっと遠くに飛ばそうとして、音を瞬間に凍らせることをめざして。pp.107-108/ぼくは誰よりも速くなりたい。寒さよりも、一人よりも地球よりも、アンドロメダよりも。どこにいる、どこにいる、罪は」「いつも北だ。見える?あの極光。寒さか、いや暗い汗……」p.122

  • 2013年4月1日(月)、読了。

  • 阿部薫と鈴木いづみの話。
    激しくしつこい愛。狂気。

  • この2人の関係は共依存だったのか。

  • 一時期なぜか、自分が鈴木いづみの生まれ変わりだと思ってた時期がありまして。おっぱい無いクセに。
    自分も20代後半で死ぬんだと思っていた。
    実際は30を超えた今も、のうのうと生きている。
    今は、まだ今を結末にしたくない。

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著者プロフィール

1950年、愛知県生まれ。作家。著書『エンドレス・ワルツ』『琥珀の町』『抱かれる』(いずれも河出書房新社)、『ホテル・ザンビア』(作品社)ほか。

「1994年 『自殺者たち 一日一死』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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