たけくらべ (現代語訳樋口一葉)

  • 河出書房新社
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (101ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309011028

作品紹介・あらすじ

吉原のとなり町"大音寺前"、子どもたちは二つのグループにわかれて対立していた。やがて遊女になるさだめにある少女・美登利と、美登利がほのかに思いをよせる寺の息子・信如。そのふたりもこの対立にまきこまれていく。-あわい恋のめざめ、少女が女になる哀しみ…少年少女たちが信じられないほどピュアだった時代の信じられないほどせつない物語を『親指Pの修業時代』の作者が優雅に現代語訳。

感想・レビュー・書評

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  • やはり、原文が素晴らしいのだろう。

  • 帯表
    あの頃、初恋はこんなにもせつなかった
    第一線の若手作家10人が、
    あの名作を現代語に甦らせた!
    夭折の天才女性作家樋口一葉没後100年

  • あとがきまで読んでみてこれは、原文読まねば。
    もとは川上三未映子のエッセイを読んで。

  • ストーリーは「ガラスの仮面」の演目で取り上げられていたので(笑)知っていましたが、ちゃんと読んだことがなかったのでいつか読みたいと思っていました☆

    現代語訳となっていたはずなのに、文体や句読点の位置が独特で慣れるまで読みにくく、原文とどう違うのか比較したい気持ちになりました。ルビも振られてないしさ。
    加えて訳者あとがきの、一葉に対する思い入れの無さと訳文の言い訳に興ざめで、ストーリーとは別のところで後味が悪かったです。
    ただ、文体自体は慣れてくると独特のテンポ感がここちよく、なんとなく音読して読みたくなりました。っていうか、音読すると理解しやすく、ん?だったらこんな訳文読むより原文も読めるのではないか、などと思い始めました。いつか挑戦しようかな。

    いろいろケチをつけましたが、「たけくらべ」自体はとてもよかったです。
    将来遊女になる定めの主人公をはじめとして、家業の後を継がなければならない縛られた未来しか持てない吉原界隈で暮らす明治の子供たちの、今しかない自由がとても貴重で。
    大人になる直前の、無邪気な思春期がせつなくて。

    一葉って作家だけど詩人ぽいな。たしか中島歌子の本を読んだときに門下生として登場してました。納得。。

  • 原文で読もうと思ったらさっぱりわけが分からなかったので現代語訳に。ラストの描写がとても綺麗。よく昔の作品には遊女が出てくるけど、当時どういう位置付けの人らだったのか。今の風俗嬢とはイコールではない気がするんだけど

  • 日本文学の美しさ、ここにあり。

    樋口一葉の「たけくらべ」学校で樋口一葉と言えば、こ
    の本が真っ先に浮かぶのだが、でも読んだことのなかった本。
    せっかく5,000円札のモチーフにもなっているので、
    しっかり読んでおかないといけないと思い、この度読んでみました。

    口語訳を読んだのですが、2,3度読み返してみないと、
    内容が頭に入ってこなかった。
    アイアンマンレースの前日に読んだから、集中できていなかったのか?

    主人公は藤本信如で僧侶の息子なのだが、どこかルサンチマン的な要素がある。
    こんな彼が恋する女性、美登利という遊女の娘。
    そしてその美登利に恋する正太の三角関係で話が進んでいく。
    なぜか男から女性にアタックかけていかない、
    この信如という男性の草食性に少し残念だと思う反面、
    彼は自分の運命を受け入れて彼女との距離を取って行く様が
    まさに日本文学の真骨頂ではないか。そしてエンディングは粋であった。

    句点がほとんどなく、流れるように文章が進んでいく様は見事といえば、
    見事なのだが文章を理解するのはひどく苦労した。
    でもこういう美しい日本文学に触れることが僕の人生にかけがえのないものとなる。
    本当に素晴らしい名著です。

  • 原文で読む勇気が湧かなかったので

  • 好きな作家、川上未映子さんが影響を受けた本の一つに挙げていたので読んでみました。
    とにかく句点がない!文章は一章全て読点で繋げて書いてあるので最初は慣れなかったけど途中からは慣れていきました。
    この「句点ではなく読点で繋げていく」書き方は原文のままだそうで、その原文を尊重してテンポ良く訳文を作り上げた訳者の力に驚きました。原文も読みたくなりました。

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著者プロフィール

1872年、東京に生まれる。本名なつ。92年、20歳で小説『闇桜』を発表。以降、96年に24歳で
亡くなるまで、『大つごもり』『たけくらべ』『にごりえ』『十三夜』などの名作を書いた。

「2016年 『漫画版【文語】たけくらべ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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