ボディ・レンタル

著者 :
  • 河出書房新社
2.91
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本棚登録 : 97
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (181ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309011097

感想・レビュー・書評

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  • ほんと、売春と何が違うんだろう。
    体を貸してるだけで、心はないと言うけど、そんなことがあるだろうか。

  • 『花々の墓標』を読んで、どんな小説書いていたのか気になっていたので読んでみた。

  • ボディ・レンタルという考え方は面白い。ドライというか、感情の入らない娼婦?もともと娼婦は感情は入っていないものかな。愛人とも違う。自分には野獣くんとの関係がよく分からなかった。

  • 高校の時、賞をとったと国語の時間に新聞か雑誌の切り抜きと共に話題に取り上げられたが、中身までは教えてはくれなかった。
    タイトル聞いただけで大人の世界の本だと想像はついた。
    著者は30前後。
    おばさんだと思った。

    大学時代、自殺したとニュースで聞いた。
    私はまだこの本を読んでなくて、でもやっぱり頭のいい小説家というのは、遅かれ早かれ自分の生に疑問を持つものなのだろうと思った。

    今日たまたま、児童図書館でこの本を見つけた。
    なぜ児童用の図書館に……はじめてページをめくった。
    予想通り、子供には刺激の強い……というか、わからないんじゃないかなという。

    哲学的であり、空っぽな自分の体という容器だけをもてあまして、中身を探す主人公。
    その方法は生を求めて性で満たそうとするもの。

    本編には29歳の女性が登場する。
    これを書いていたときの作者の年齢だ。
    小説家が自分と同い年の、あるいは近い年頃の同性を出すということは、自分が大いに投影されることになるということを認識しているときだと思う。
    ゆえに、主人公の空っぽな自分は作者の身近な部分でもあったに違いない。

    最後まで唇だけは許さない娼婦の規則は、愛されたいけれども本気で愛されることが怖いーー自分が愛に狂うのが怖いのか、受け入れられない未知な部分を恐れているのかーーいずれかはわからないが、自分が誰かに変化させられることを恐れているように見えた。

    文学に慣れ親しんだ少女が産み出した少女時代の妄想と大人の女性になることへの恐れが、奔放な性と見せかけて殻を破りきれない処女的な主人公を産み出した気がする。

    そう思えるのも、今にして29歳での受賞を若いなと感じたからである。

  • 文藝賞優秀作受賞作品だそうです。作者は東大仏文科卒業。私にはよくわかりませんでしたが・・・。

  • 有名大学の学生であるマヤは銀座のクラブで働きながら、貨客に「ボディレンタル」と称して自分を与える仕事をしている。買われた相手の思うとおりに自分を与えるマヤと美しい友人桐子や、野獣君たちとの非日常を綴る。マヤの考え方はよくわかったけど、どうしてそうなったのかが書かれてなかったのでなんかあやふやな感じだった。

  • 心と体は別か

  • 文藝賞優秀作(33回)

  • 自分をこちらに繋ぎとめるものさえなかったら、してみたい。そういう意味でも、やっぱり友達は必要なのかもしれない。

  • 性についてセキララに書きます女だけど東大出だけど、
    っていう、いかにもっぽい感じが嫌で避けてきた本。
    でもふと読んでみたら全く印象が違った。
    「隠したくともつい知識がそこかしこに滲んじゃうのよ」
    的なきらいはあるけど、若さゆえの虚無感は気持ちよい。
    しかも直截的性描写は薄めだったことは嬉しい誤算。
    比喩表現もおもしろいものが多かった。

    文章が良い。
    後の作品よりずっとずっと、文章が良い。
    普通練られていくはずなのにね。
    若さがうまく作用している作品と思う。

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