チョコレート革命

著者 :
  • 河出書房新社
3.67
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本棚登録 : 571
感想 : 65
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  • Amazon.co.jp ・本 (166ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309011332

作品紹介・あらすじ

愛と愛が戦うとき女性はどう変わるのだろう?「サラダ記念日」から10年-待望の第3歌集。

感想・レビュー・書評

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  • さまざまな土地に赴いて詠まれた歌も、やっぱり恋の歌も


    男ではなくて大人の返事する君にチョコレート革命起こす

  • 仕事のストレスや忙しさで、脳が疲れたりイライラしてると、YouTubeやラジオは楽しんで聴けないことが多く、そんな時は短歌や音楽を聴いて心を落ちつかせています。

    俵万智さんの短歌は、変なクセもなく、同じ言葉を語感良く続けて詠んだり、固有名詞の使い方がお洒落で、めちゃくちゃ参考になりました。

    『チョコレート革命』は、大人な恋愛の歌が少し多めですが、旅でみたことや感じたことなどを詠まれているものも多く面白かったです。

    以下、特に好きな短歌をいくつか抜粋。

    思いきり見つめることの言い訳の小道具となる日もあるカメラ

    抱きあわず語りあかせる夜ありてこれもやさしき情事と思う

    もう二度と来ないと思う君の部屋 腐らせないでねミルク、玉ねぎ

    唇を合わせるだけのキスをして別れ話は台本どおり

    ◯ジャンル恋愛系多めの短歌集

  •  俵万智「チョコレート革命」、1997.5発行。よくわからない歌が多かったです。理解できたのは次の4首ぐらい。①逢うたびに抱かれなくてもいいように一緒に暮らしてみたい七月 ②湯あがりの君にタオルを投げやれば笑窪のような盲腸の跡 ③かつて会いかつて別れし我らゆえ優しく飲める夜と思えり ④ぜいたくに飽きてしまいし老人は古家に暮らせり遠い目をして

  • 愛が私の中に存在するのならば、私と愛は何が違う?手を腕を伸ばしていた。空高くもっと高く。目に見えぬものを掴もうと必死に空を掻き毟る。要らない!要らない!これも要らない!私が欲しいものは見付からない、ならば全部不要!それはただ圧倒的な孤独感。愛が孤独に押し潰され流される音を聴いた。この世の終わりのような音だった。
    NOと言わぬこととYESと言わぬことが同等の優しさだなんて思わないでね。それは何倍もの薄情と冷たさ。
    なんて不公平なんだよ世界は。私達が自由に流せる涙をあの子達は知らない。学校はキャンディのように甘くて美味しい響きだと、きっと宝石のように美しい瞳は語っている。笑い声響く。笑う事しか知らないことは幸せなの不幸なの、教えて。そんな子供達の家はスモーキーマウンテン(ゴミの山)。私が要らぬと叫んだものはそこにありますか。彼等はきっと、それを宝物のように包み込むでしょう。誰が何と言おうと、その手は美しい。彼等は美しい…涙を流しながら、笑おうと努めました。

  • 本に呼ばれることがあるとはいうが、私にとってはこの本がまさしくそう。
    なんとなくこういう現代俳句は、今まで読んでみたいと思ったことすらなかったけど、本に関して言えば、絶対に食わず嫌いはするもんじゃないと思わせられたのがこの本。
    きっと今の自分だからこそ、この本を読むべきだったんだなと思う。
    たった一行の短い句の中に、そこに至るまでの時間や葛藤やあきらめや会話やどろどろしたもの、そういうもの全部が見えてしまう。
    『サラダ記念日』すら読んでないけど、いまさらだけど、俵万智ってすごいな、言葉ってすごいなと思った。

  • 2011/03/01読了

    今までは「ストーリー」を読んでいたけれど、「ことば」そのものを読むのも結構面白い。
    現代俳句面白いです。それにしても二度三度読み返し→「イメージ」として自分のものにするという流れ、楽しいなあ。
    これを読者にさせる作者の技量もすごい。
    ただ、付き合ったことが無いものなので、この本に描かれている部分までたどりつけておらず、少し残念感があることも否めないかな。

  • なつかしくて登録しちゃった。ベーグルとシャンパンの歌が一番好きです。当時はベーグルっておしゃれだったなあ。

  • 俵万智さんは教科書でしか読んだこと無かったので
    気になって図書館で借りて読んでみた。

    ひさしぶりにじわじわ感動した気がする

    短歌の短い語数の中に
    恋愛とか人生とかの機微が
    ぎゅぎゅっとこめられている感じ。

    すごい共感できるものがあった。
    何度でも読みたくなる

  • 若い女性の歌が読みたくて。

    でも、この本に掲載されているのは
    万智さんが28~34歳までの間に詠んだ歌。
    ちょっと微妙なところだ。

    歌集というものを通読したのは初めてかもしれず、
    歌だけで日記を書けてしまいそうだと感じたのは新しい発見だった。

    それでも、「スモーキーマウンテン」にある描写的な
    (……というのとは違うのだけど、ちょっと言葉が見つからない)歌よりも、
    白昼夢のような、抽象度の高い歌のほうが、歌らしくていい、と思う。

    もちろん、そういう歌を求めて借りたからだと言えば
    それまでだけれど。

    詠まれているような恋をしてしまうのは、
    彼女が歌人だからなのだろうか。
    あるいは、逆か。

  • 板チョコの包装紙のような表紙の中身は、チョコレートのように甘く、ほろ苦い恋の歌集です。
    10年以上前の作品なのに、全く古さを感じさせず、読んだ年齢に応じた楽しみ方のできる作品です。

    さて、姉妹編(?)の『わたしのチョコレート革命』もオススメです。こちらは、一般の方が詠んだ歌を俵万智が選んだものです。平仮名ばかりのこの歌が妙に印象に残ります。

    「○○○○○ ながいながいよ あえないひ はやくあいたい ○○○○○○○」

    セイジュ

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著者プロフィール

1987年の第1歌集《サラダ記念日》はベストセラー。歌集に《かぜのてのひら》《チョコレート革命》《プーさんの鼻》《オレがマリオ》《未来のサイズ》《アボカドの種》、評伝《牧水の恋》、エッセイ《青の国、うたの国》など。2022年、短歌の裾野を広げた功績から朝日賞を受賞。読売歌壇選者のほか、宮崎で毎年開催される高校生の「牧水・短歌甲子園」審査員もつとめる。

「2023年 『旅の人、島の人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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