新世界 5th

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 362
感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (170ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309012278

感想・レビュー・書評

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  • 新世界seriesを全て読み終わった後は、全てが一瞬で自分の目の前から消えてしまったような虚しくて寂しい気持ちになった。

    眠りに落ちるたびに記憶は現在と過去(?)を交叉して、場所や時間も著しく変わっていく。最終巻では物語が一気に終結へと向かうため、場面も目まぐるしく変わる。薄暗い路地裏や真っ黒な室内と沙の海とマンダリンの燃えるような橙色の対比が印象深い。

    結局、身勝手な大人たちに振り回されて躰も精神も蝕まれ続けたシュイやイオたちがとても可哀想に思えて仕方がない。特に、ジャウは自分の命を投げ出してまでもシュイを助け出そうとしていたんじゃないだろうかと考えると悲しくなる…。

    「ぼくはいつから独りなんだろう。」
    誰もいなくなってしまった世界で、人々の記憶は次の世代へも受け継がれていくのだろうか…

  • ええええー!
    関係者みんな死んじゃうの~?
    イオとシュイの記憶が、ますますこんがらがって、人種・性別の設定も優劣があったりとややこしくて、でもだんだんとピースがつながる感じ。
    シュイの父が鬼だわ。シュイのソレンセンへの気持ち、イオのシュイへの気持ちが痛ましい。
    体のパーツをやり取りしたり、そのために育てている子もいたり、生命の重さが軽い軽い。
    移植社会が進みすぎたらこうなるのか。
    最後の赤ちゃんの存在が唯一の救い。

  • そして誰もいなくなった。大人の思惑によって痛めつけられてゆく少年たちというものには、数ある長野作品に通ずるフェティッシュを感じる。幻想的で綺麗な言葉によってコーティングされているけれど、肉体的にも精神的にもかなりエグい物語。アンフュージョンの場面などとんでもないエログロだと思う。こういったお話を放心するくらい美しい物語に仕上げてしまうのは、さすが長野先生というか。

  • 精神的にも身体的にも嬲られる場面がもう辛くて辛くて;自分は読むのが結構きつかった。最終的に一応は報われたのかな…。でも、やっぱり彼ら少年は脱出できないんだなあ;何のための物語だったんだろう。
    ぶっちゃけ読み込めなかったので、解説が欲しい;文庫の方にはあるかな?

  • なんとも…やおいでした…

  • 残酷で美しい、という言葉が似合う作品だった

  • シュイは救われたのかな。
    今をもってしてもまったくわからない。

  • …夏海、…夏海、…夏海


    …ぼくはいつからひとりなんだろう

  • H市図書館

  • これで最後。
    最後はホント切なくなった。このシリーズは難しいけどすごくいいと思う。

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著者プロフィール

長野まゆみ(ながの・まゆみ)東京都生まれ。一九八八年「少年アリス」で第25回文藝賞を受賞しデビュー。二〇一五年『冥途あり』で第四三回泉鏡花文学賞、第六八回野間文芸賞を受賞。『野ばら』『天体議会』『新世界』『テレヴィジョン・シティ』『超少年』『野川』『デカルコマニア』『チマチマ記』『45°ここだけの話』『兄と弟、あるいは書物と燃える石』『フランダースの帽子』『銀河の通信所』『カムパネルラ版 銀河鉄道の夜』「左近の桜」シリーズなど著書多数。


「2022年 『ゴッホの犬と耳とひまわり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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