須賀敦子のミラノ

  • 河出書房新社
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本棚登録 : 95
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309014074

作品紹介・あらすじ

この石と霧の街で、彼女は何を見、誰に出会い、何を思ったのか。遺された作品を手がかりに、記憶の街への旅がはじまる。撮り下ろしの写真と、書き下ろしエッセイでたどる、須賀敦子の軌跡。

感想・レビュー・書評

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  • 大竹昭子さんによる、須賀敦子さんゆかりの地を巡る旅三部作
    ローマ、ヴェネツィアときてミラノ。
    といっても、書かれた順は逆ですが。

    本当によく読み込んでいるし、彼女の解説でその土地のことが写真地図以外でもよくわかりました。

    ミラノだけは須賀敦子さんにとって一時滞在ではなく生活した場所なんですよね。
    大竹昭子さんの文章を読んで、いろいろな場面や人が思い出されて、再度楽しめました。

    じぶんがイタリアに行くときにはまたこの本を読み返したいです。

  • 「須賀敦子のヴェネツィア」の次に全集1を読んでから、この本へ。
    旅行先のヴェネツィアと違って、暮らしの場所だったミラノを書いた内容は濃くて重い。晴れ渡った写真はほとんど無く、文を読んでいても霧と雲の重たい空と暗い夜の街が想像される。
    ミラノの街の構造や建物を理解するのにも判りやすい本。
    このシリーズはすべて読んでみるつもり。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「晴れ渡った写真はほとんど無く」
      須賀敦子の本が「ミラノ霧の風景」や「霧のむこうに住みたい」だから、そんなものだと思ってました(ロンドンじゃ...
      「晴れ渡った写真はほとんど無く」
      須賀敦子の本が「ミラノ霧の風景」や「霧のむこうに住みたい」だから、そんなものだと思ってました(ロンドンじゃあるまいし)。
      それは兎も角、霧に覆われた街は、須賀敦子の静かな情熱そのものの風景ではないでしょうか?
      2013/02/20
  • ふむ

  • イタリアでの須賀敦子の足跡を辿る三部作の第1作。
    他の2作に比べ、最初ということもあってか、須賀敦子がプライベートな生活を送った場所を中心に編まれている。
    その街に住んでいるということは、少なからずいろいろな影響をその街全体から受けているはずで、個人的に縁のある場所を辿りつつも、街全体の雰囲気も伝えることで、その街に住んでいた須賀敦子の生活を浮かび上がらせることができるのではないか。
    そういう意味では、続くヴェネツィア編や、最後のローマ編の方が数段いい。

  • 須賀敦子のミラノを、抑えた、だけどしっかりと人に伝わってくる文章で教えてくれている。素晴らしい。

  • 写真入りで素敵な本。

  • 書架にずっとあった本が大竹さんの著書とは気づかずに居ました。
    写真は須賀さんの足跡を美しく語りますが、大竹さんの中にこの紀行の必然性を深く感じることができませんでした。
    須賀さんの孤独、そして61歳になってからの遅い著述のスタート。
    そこに逆に小さな光を見つけた気持ちになりました。

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著者プロフィール

1950年東京生まれ。小説、エッセイ、ノンフィクション、批評など、ジャンルを横断して執筆。短編小説集としては、本書は『図鑑少年』『随時見学可』『間取りと妄想』に続く4冊目。人間の内面や自我は固定されたものではなく、外部世界との関係によって様々に変化しうることを乾いた筆致で描き出し、幅広いファンを生んでいる。
写真関係の著書に『彼らが写真を手にした切実さを』『ニューヨーク1980』『出来事と写真』(畠山直哉との共著)『この写真がすごい』など。他にも『須賀敦子の旅路』『個人美術館の旅』『東京凸凹散歩』など著書多数。
部類の散歩好き。自ら写真も撮る。朗読イベント「カタリココ」を主宰、それを元に書籍レーベル「カタリココ文庫」をスタートし、年三冊のペースで刊行している。

「2022年 『いつもだれかが見ている』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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