三日月少年の秘密

著者 :
  • 河出書房新社
3.40
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本棚登録 : 407
感想 : 39
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  • Amazon.co.jp ・本 (141ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309015811

作品紹介・あらすじ

空中電気式人形諸君。架空線の上を疾走し、世界一のタワア(333メートル)に登れ!勝鬨橋から遊船に乗り込んだぼくは、工事中の東京タワーを目撃する。時を超え、帝都の夜を駆ける、三日月少年の謎をついに明かす、発火式ファンタジイ。

感想・レビュー・書評

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  • ある日届いた一通の招待状に導かれ、お台場を目指す間に東京タワーが出来た頃にタイムスリップしてしまう話を完全に長野まゆみワールドで綴ってある。
    一度読んだだけでは、頭の中はハテナだらけ。ちょっと感じたのは、現代版「銀河鉄道の夜」みたいだなと。雰囲気はあって良かった。

  • 現代の少年が謎の少年と出会い、過去の東京に迷い込む「高塔(タワァ)の秘密篇」と百年前に姿を消した三日月少年をめぐる「鞄の秘密篇」の二作を収録。★感想★自由に現在と過去を行き来する少年達。登場人物達の視点も次々に変わっていきます。読んでいるうちにいつの時代なのか、 語り手は誰なのかわからなくなってしまいます。作品の辻褄よりも、この迷宮のような世界観を楽しむくらいの気持ちで読むといいと思います。過去の東京の描写や、日本語の美しさとともに迷宮のような長野ワールドを楽しむことはできます。売れる本を書こうというのではなく、長野さん本人が楽しみながら書いている印象を受けました。

    • だいさん
      この本の評は難しいのですね。
      貴女のレビューから、雰囲気が一番良く伝わりました。
      「現在と過去を行き来する」は良かったなぁ。でも、三日月...
      この本の評は難しいのですね。
      貴女のレビューから、雰囲気が一番良く伝わりました。
      「現在と過去を行き来する」は良かったなぁ。でも、三日月少年は時を感じるのかな?
      2012/07/08
  • 三日月少年って初期のザ長野まゆみ!
    不思議、ファンタジーかな。

    昭和とか西暦何年とか浅草、上野、十二階、お台場、ゆりかもめ、東京タワー、はっきり出してることに驚き。
    今までの三日月少年が出てくるものにはなかったことのはず。

    ぼくミソラハソラチも三日月少年かなーと思ったけど、はっきりしない。時間は越えるけど。
    何だ。いつも通りじゃん。
    一章に出てきた雲旗という融通の利かない秀才と同名が二章では公務員的な大人なんだけど親子か兄弟か親戚か。

    あめふらしが出てきてた!
    「雨零アメフラシダネ。何処カデオ葬式ダ。」
    「放鳥屋ノコトダヨ。亡クナッタ人ノ追善二、鳥ヲ飛バスンダ」
    稚き児のたましひが迷子にならないやうに雨鳥の背にのせませう
    カタカナで長文は読みにくい!

  • 普通の人間の少年とそっくりで、見分けがつかないくらい精巧な人形、三日月少年。14歳までの少年が持てる。持ち主の少年が15歳になったら返却。仕組み面白いです。実際普通の子供だと思ったら違った、みたいなのあったら面白いだろうなー。

  • どの少年が三日月少年なのか?
    絵画の少年がしゃべった?
    最後まで???な感覚だった。

  • 2014年9月21日読了。
    浅草十二階、少年の人形、郵便、サーカス、という個人的にとてもツボなアイテム満載できらきらと読みました。
    人形、という設定をもう少し活かせたら、とは思ったけれども、それでは別の話になるかしらねー。

  • 小学生の時初めて読んだ長野作品。
    今も長野さんは大好き。私の少年観を作り上げたターニングポイント。

  • 「高塔の秘密編」
    「鞄の秘密編」

    三日月少年という精巧な人形と東京が舞台の話。

    レトロちっくな雰囲気がいい。

  • 引っかかりながらも読み進めて 鞄の秘密篇ですこし謎が解けかかるも 完全にクリアにはならない もやもや感
    最後の一文でぞわっときます

  • 雰囲気を楽しむ本。
    いかにも長野まゆみな世界観。

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著者プロフィール

長野まゆみ(ながの・まゆみ)東京都生まれ。一九八八年「少年アリス」で第25回文藝賞を受賞しデビュー。二〇一五年『冥途あり』で第四三回泉鏡花文学賞、第六八回野間文芸賞を受賞。『野ばら』『天体議会』『新世界』『テレヴィジョン・シティ』『超少年』『野川』『デカルコマニア』『チマチマ記』『45°ここだけの話』『兄と弟、あるいは書物と燃える石』『フランダースの帽子』『銀河の通信所』『カムパネルラ版 銀河鉄道の夜』「左近の桜」シリーズなど著書多数。


「2022年 『ゴッホの犬と耳とひまわり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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