理解という名の愛がほしい——おとなの小論文教室。II

  • 河出書房新社
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本棚登録 : 363
レビュー : 48
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309017457

感想・レビュー・書評

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  • 2018.2.7
    最近どハマりのズーニーさん。決して高飛車ではなく、平易な言葉で語りかけてくれる。言葉に嘘がない。悪意の連鎖の話では、読みながら泣きそうになった。お母さんのことを思うと、自分の母親のことを思い出したりして・・
    読者からのメール紹介が入るのも面白く興味深い。
    大人になること、愛とは、一見壮大なテーマのようで、でもズーニーさんの言葉を聞いてると沁み入るものがある。そうそう、そうなの。と一人共感したり、そうやんなあ。と納得したり。
    また少し間を空けて読み返したい本。

  • 何だか安心してしまった。
    ズーニーさんほどの人でも、こんなに不安になったり悩んだりしているんだって。
    だったら私が悩むのは当たり前なんだって。
    悩むほどに考え抜くことが必要なんだって。
    それが表現することなんだって。

    タイトルに”おとなの小論文教室”とついているけれど、コミュニケーションの指南書のようでもある。
    想いを伝えて、相手と通じ合うことこそ表現の醍醐味。
    言うは易し、行うは難し。
    その難しさの中に、
    避けられない悩みの末に、
    そこを通ることで得られるものの
    尊さ、面白さ、そして感動があるらしい。
    そことは自分の正体を探る道。
    極めて魅力的な修行の道のように思えた。

  • この人の文章を読むと、
    本質ってなんだろうと
    いつも考えさせられる。

    コミュニケーション技術
    ビジネステクニック

    ビジネス書だったり
    自己啓発書だったり
    安易な自分探しだったり

    上辺だけの技術や方法を身につけても
    それは分不相応な服を着ているのと同じで
    自分に向き合え(安易な自分探しではなく)
    反省できる力を養わなければならないなぁとつくづく思い知らされる。
    そういったものから目を逸らさない強さを身につけねばと。

    河出書房新社
    2006年
    装幀・装画:南伸坊

  • 正直すぎて・・・重いぞ!

    言葉化されなかった想いが、相手の中に残る。

    「おわび」という暴力。>返事は1つ「許す」しかない。

    本音で生きる若者は、正直のスタートラインに立てている。必要なのは、そのレベルをあげるための、具体的な訓練の道ではないだろうか?

    積極的に、事実と違うことを書こうとする人は、ほとんどいない。でも、本当のことを書かない人は多い。

    「お願い」の見せ場は、「頼み込む」ところにも、「返事をつめよる」ところにもない。「伝える」ところにある!

    これから何か、人に「お願い」をしようとしている人にお伺いします。>相手に返事を迫るまえに、「伝え」ましたか?

    感じていることを言葉にすることが考えることです

  • 山田ズーニーさんは、優しい人なんだろうなと思います。どうやら、愛を欲したときに、深く深く考えることができた人。

    人に、嘘という毒を吐いたとき、それが些細なものや悪意のないものであっても、相手は何となく見抜き信用できないと感じる。つかなくてもいい嘘。私も、自分に引け目を感じるときに、嘘をつく。何も言わない方がマシかもしれない。

    虐待の連鎖とは、よく言われるが、
    相手にストレスをぶつけることも連鎖する。その相手も、弱い相手にストレスをぶつける。溜め込む人だけが割を食う。グチや悪口を垂れ流す人は子どもっぽい。受ける相手がどう思うか考えないからだ。普通は、他人は自分にそんなに興味がないと考える。
    ストレスを自分で処理できるようになることが、大人になることである。

  • なんというか、こんなに人に対して期待してないからなのか、人を傷つけてどうこう、という気持ちになってないな、最近。と感じた。思春期ならば、すごく共感しつつ読めただろう。
    大人になって、よくも悪くも図々しくなって、生きやすくなったけど、たまには繊細な感覚も思い出すような状況である方が、生き生きと生きられるのかもしれない。
    あ、期待してない、というは決して悪い意味ではなく、相手からのリターンは期待してないってことです。
    と、色々考えたけど、結局、小論文教室、という要素は感じられなかった。

  • 本書は「ほぼ日刊イトイ新聞」で連載中のコラムを
    単行本としてまとめたものなので、
    基本的には既に読んだものばかりなのだけど、
    なぜわざわざ購入したかというと、
    「連鎖」というコラムが含まれているからだ。

    「悪意は連鎖する」という趣旨のこのコラムは
    反響が大きく、続編も書かれた。
    初めて読んだときには、PCの前で泣きそうになった。
    本音のコトバというものは、
    これほどまでに心を打つものなのかと、
    半ば呆然としたのを覚えている。

    「悪意は連鎖する」。
    そう、日々連鎖する悪意の中で、僕たちは生きている。
    メンタルヘルスの問題などを持ち出すまでもなく、
    一触即発の雰囲気に満ちた
    朝の通勤ラッシュの電車に乗るだけでも
    十分にそれを感じることができる。

    日常のふとした小さなストレス。
    それら一つ一つには大した害はない。
    しかし、そのような相互に関連のない悪意が少しずつ、
    体の中に溜まっていく。
    そして時折、それがマグマのように噴出する。

    コラムにあるように、悪意は最も弱いものへと集約されていく。
    全てのしわ寄せは、組織の、社会の、世界の、そして家族の、
    強者から弱者へと、押し付けられる。

    社会に出て仕事をしている以上、
    一切の悪意からフリーであることはあり得ない。
    そんな中で、著者の母親のように「悪意」を受け止め、
    その身を挺して「連鎖」を止める人もいる。

    本書は本質的にはコミュニケーション論である。
    それも、優れた感受性によって書かれた剥き出しのメッセージである。

    それだけに、俄かには納得し難い箇所もあるにはある。
    それらも含めて、丸ごと受け止めるところから
    本書との対話を始めれば、
    何かが「広がる」のを感じることができるのだろう。

  • 自分を律する必要があると感じさせられるようなことを言われ、しかし納得もいかず、で思い出し、読みなおしてみた。怒りの制御のようなあたり。



    『ザ・パワー』でもあった「思ったことが帰ってくる」は、ここにも、と、本を読む順番の神さまに感謝。

    「連鎖」にて、自分が受けた悪意からなる痛みやショックを、母にリレーしてしまった著者。
    自分が弱くて持ちきれなかったものを、母は、どこにもリレーせずに、自分で留めた。自分は大きな試練をいくつも越えたけれど、強いものから弱いものにリレーされる悪意を自分の腹で留めた母の方が偉いのではないのか、と。
    人は、大きな試練より、3センチの段差につまずくものではないかと。

    そして、それを

     自分が弱いから、まわりをよくして、世の中をよくして、まわりから支えていただく、という方向も考えなければ。
     世の中をよい連鎖がめぐって、めぐりめぐって母にも、自分が傷つけた人にも、まわりから、何か返せるかもしれない。

     今日、よい連鎖を自分から起こせるか?

     たったいま、自分の出す、この言葉から。


    これが、自分のしたこと思ったことが返る、なんだ。と、胸にすとんと落ちた。入った。
    笑う門には福来たる、の表面的な意味ではなく、情けは人のためならず、の方の意味もあったんだ。と。

  • 誰かが傷ついている。そこに寄り添い優しげな言葉を掛ける。しかし「不調な人へのアドバイスは容易い」。弱っている者を見下すことができるからだと。一見真当な優しさにべったりとした気持ち悪さを感じる時、そこに自己愛を見ているのだろう。

    あと、「自分の内面の欠乏感が深いと、立派なゴールは描けない」と。「私を判って下さい」という欲求に根ざした表現は、理解と赦しを相手に強要する。そこからの脱却のためにはフォーカスする対象を「自分」から「自分の好きな事」にシフトさせる必要があると思う。「自分探し」の中に解答は無い。

  • つるっと一日で読み終わった!
    ライトな読み応えの中にも、人と関わるときの大事な心がけみたいなものがいっぱい詰まっていた。

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著者プロフィール

全国各地で、表現教室のワークショップ、大学講義、講演などを通じ、表現力・考える力・コミュニケーション力の育成に幅広く活躍中。『伝わる・揺さぶる!文章を書く』『おとなの小論文教室。』他著書多数。

「2018年 『理解という名の愛がほしい。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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