17歳は2回くる おとなの小論文教室。(3)

  • 河出書房新社
3.57
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本棚登録 : 243
レビュー : 26
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309017464

感想・レビュー・書評

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  • 社会人17歳、大人になってからの思春期。
    17年目にして独立した筆者が、もがき苦しむ自分をさらけ出し、感情を紐解き言語化していく様。感情ってその時は何故そうなったのか分からないくて結局そのままのこともある。だからこれだけ言語化できるのは凄いと思う。

    焦燥感に苛まれて苦しんでいたとき、些細なことで筆者は自分の中の暴力性を自覚する。暴力は他人事ではなく自分と地続きであったと。暴力が生まれる前には人権の抑圧がある。それは他人ばかりではなく自分自身が犯人であることも。自分で自分を押し殺していると何処かに歪みが出る。とても共感できるエピソードだった。
    また、人の話が聞ける強さや、努力もせずチャンスを掴もうとビッグネームにつられる弱さなど。

    筆者は情け無い自分をさらけ出し自戒しているけれど、世の中誰しもそんなのばかりでモヤモヤしていて、この本で言語化されることでスッキリする人は沢山いるんだろうな。私も含めて。

  • 今受講している講座で講義を受けて、図書館で借りてみました。おとなの小論文教室。の内容ですね。
    友人とのメールを公開するという試みの回がおもしろかった、内容ちんぷんかんぷんだけど。こういうあついやりとりができる友人がいるというのは素敵なことだなぁと。こんな熱論できる人って限られているもんなぁ。
    全体とおして本当に熱量高い文章なので好き嫌いは分かれるのかもね。

  • 引用
    ・寂しい人は自分との対話を避け、さまざまに気をまぎらす。だから人とつきあうとき、他者の中に、自分を探しているような気がする。結果、自分に似たものしか愛さない。孤独な人は、自分の考えや存在を充分に見つめる。だから、もう他人に自分の影を探す必要はない。結果、自分とは違う「他者」を心から求める。だから孤独の底は他者とつながっている。そこに希望がある。
    ・私の場合は環境が変わったら2年の辛抱、と自分に言い聞かせている、2年経ったら環境が変わるのではなく、その環境とつきあっていける自分の力が湧き出てくるからだ。
    ・人とつながる力を持つためには、人と人との関係の中で、自分がどうつながっているのか、ちょっとクールに見ることが必要です。
    ・このまま準備の助走やってたらいったい何歳になるんだ?って気がしてくる。
    ・選んだものが私になる。選んだということが私の意志である。
    ・『いま、その人の身に起こっていることは、その人にふさわしい』
    ・自分はどこを目指して進んでいるのか、「自分で方向を決める」ということと、「動き出す」ということだけが正しいのではないか?
    動かなければ、どこにも行けず、
    動けば、必ず、自分の行き先を目指しているとも言える。
    はじまりもなく、終わりもなく、正しいも、間違いもない。
    ・哀しみ・終わりは後から満ちてくる。

  • 31さみしい人は、自分との対話を避け、他者のなかに自分を見ようとするので、自分と似たような人しか愛さない。孤独な人は、自分との対話を十分にした人で、自分とは違う他者を求めており、他者とつながっている。そこに希望がある。
    46なんでもやります、は若いときしか通じない。ある程度年齢がいくと、「あなたでなくては」といってひっぱってもらえる仕事があるか
    49社会とのつながりを客観的にみるためには、自分のもらっている給料がどこから流れてきたのか考えてみる。そうすると、市場価値、自分の何に価値がお金が払われているのか、社会とどうつながっているのかが見える。
    53いま苦しんだり、しているそのこと自体が、自分にものすごいパワーを与えていることをわかってほしい
    5710年間同じことをやり続ければ、必ずそれで食っていけるようになる
    75自分の作りたいものを知っていて、そこに自信と衝動を持っている。
    111横尾美美「静かな悲しみを憶えて生まれた微笑」
    126客観性は相手に任せない。アドバイスでさえ人を傷つける。そのリスクを相手に負わせるのか。相手が話しやすいようにこちらから突っ込む必要がある。新しいことをやってみる。相手も何か言わずにはいられなくなる。
    132選ぶということは考えるということで、考えるということは自分に問うことで、選択がその人の意志になる。選んだものが私になる。
    139「あなたには書く力がある」生まれて初めてわいた他者への純粋な気持ちに気づき、あ、これが私だ、と思った。自分の存在理由だった。
    自分が見つかるということは、自分にとっての他者がみつかることと同義である。あなたが自分から遠くなるような不安なときは、本当は自分に近づいているのかもしれない。
    150Bという映画が好きなことは、自分がわかっていればいいだけで、わざわざ相手にいう必要はないのではないだろうか。それより、映画の話を通して相手を理解することの方がずっと面白い
    170いま、その人の身に起こっていることは、その人にふさわしい
    176 どっちが進歩で、どっちが後退なんだろう。でも、地球は丸い。ここでは、自分で方向を決めるということと、動き出すということだけが正しいのではないか。
    191逃げても、この問題はいつか必ず自分に返ってくる。いつか必ず向き合わなければならない。
    209長い字数で書いてみる、というのも私には必要なプロセスだった。短く書くのに3年も私にとって必要な時間だった。

  • 1/130914

  • ほぼ日刊イトイ新聞の連載コラムである
    おとなの小論文教室。その連載から記事を抜粋し、加筆と修正をした本。


    第三巻目となる本書は、前巻や前々巻から、さらに前へ進んで、
    奥深く深まった内容だと思った。
    前々巻では、表現するために、自分で自分と向き合うのがテーマで
    前巻では、自分を表現しつつも、表現する先である、周囲の反応や、
    周囲の表現もまた受け止めよう、理解しよう、
    というのがテーマだったように思う。

    そこで今回の本のテーマは、そんな前々巻と前巻を踏襲した、
    自分で自分の進路を、社会やそこでの人々の中から見出し、切り開いていく、
    というものだと思った。文章や会話だけが表現ではない。
    自分が社会で働く、そこで評価を受ける、評価を受けようと努力しもがく、
    ということがテーマではないかと思う。

    ただし、進路の決め方や進み方を書いた本では無い。
    そこで悩んだ時、つまづきそうな時、同じく悩みつまづいた筆者や、
    おとなたちの経験や足跡を残した本だと思う。

    進路を決め、切り開き、自分で自分の人生を生きる時は
    なにも17歳の時だけではない。
    社会人になってからも、その時は訪れる。

    「いま、その人の身に起こっていることは、その人にふさわしい」

    という言葉が特に印象的で、この本のテーマのひとつだと思った。
    悩みつつ、つまづきつつ、それでも生きようともがくときや
    そんなときが近付いていると思うときに
    この本は少しでも役に立つと思う

  • 2回目の17歳は社会人になって17年。40手前。
    著者は長らく勤めた会社を辞めて、フリーになった。
    会社の名前で、ブランドでやってきたものを棄てたあとに残った
    自分。
    いちから作り直す信頼、ブランド。
    会社の経営がやばいから、生きつないでいくため、そのための
    準備というより、もっと自分の好きなもの、大事なもの、やりたい
    こと、忠実に、後悔しないように考えを仕向けてくれるきっかけ
    となりそう。

  • 文章って、読みたいものがそこにないときに読んでしまうと、途方もない疲れと時間が無駄にすぎてしまう。
    期待があって、読むときは、その疲れがなおさら大きなものとなる。
    タイトルと内容がうまくかみ合っていないような気がして、どうしても中にはいっていけない歯痒さを感じ取るだけでおわってしまった。
    ぼくはこの人があがく姿よりも、晴れ晴れと、凛とした姿を認めたい。悩みはチカラだ。しかし、悩んだあとの風呂上りのさっぱりした顔みたいに爽やかなものを読みたい。タイミングの問題なんだろう。

  • 今までのセオリーに疑問が出たり、何か物足りなくなったり、環境が変わったり、とにかく「このままでは先に進めない状態」……それを「17歳」というキーワードで示しているように見える。

    実際、最初の転機は17,8にあり、社会人としての転機は35,6にやってきていた。
    そんな自分でも把握してなかったような大きな流れが浮き彫りになる本だった。

    ひとつのコラムからテーマに添って編集されているので、シリーズといってもこの3冊は毛色が違う。
    だから本当は、載らなかった部分もあり、渾然一体となってはいるが、一人の人間が書き続けた時系列のまま、ほぼ日のコラムのバックナンバーも読んでみてほしいと思う。

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著者プロフィール

全国各地で、表現教室のワークショップ、大学講義、講演などを通じ、表現力・考える力・コミュニケーション力の育成に幅広く活躍中。『伝わる・揺さぶる!文章を書く』『おとなの小論文教室。』他著書多数。

「2018年 『理解という名の愛がほしい。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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