黒薔薇

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 141
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309017488

感想・レビュー・書評

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  • やはりこの時代に、ハッピーエンドはあり得ないのか。2人の距離が少しづつ近づきつつも、どうにも出来ない問題が持ち上がり、さぁどうなるかというところで唐突な死。同じ死なすにしても、もう少しやりようがあったんでは。

  • 吉屋信子が主宰した個人雑誌「黒薔薇(くろしょうび)」。その中から『ご挨拶』、『黒薔薇』、『鉛筆』、『夏草』、『若き魂の巣立ちー学窓を出る姉妹にささぐ』、『巻尾に』を収録。表題作は、地方の女学校の女教師となった父権社会、女子の良妻賢母教育に否という考えを持つ章子。同姓との友愛を異性との交際という自然道より好む。以前手酷い裏切りに逢った章子は自制しつつも授業で出逢った和子に惹かれてゆく。和子も章子に憧れる気持ちがあり、2人は交流を重ねていくが、悲劇が待ち受ける。花物語の様に交流が甘く描かれない世界だった。

  • 独特の世界観と文体で、ちょっと読むのに苦労しました。それに、「黒薔薇」の主人公の妙な自意識過剰ぶりにやや辟易もしました。世間の常識などと巧く距離を取れない主人公の感情は理解できるのですが、時折、その自意識ぶりが鼻につきます。

  • 瀧川章子は22歳にして高等女学校の教師となり、
    田舎に移り住む。それもこれも同性を深く愛し、かつ
    ひどい裏切りに合ったため。学校にも実家にも戻れず、
    やむを得ず教職に着いた章子だったが、赴任先で
    美しき乙女・樋口和子に心奪われてしまい―。

    一度こういう、何というのか、乙女文学を読んで見たかったので
    借りてみた。思っていたより重さのある内容に最初面食らったが、
    心情の描写などなかなかリアルで面白かった。
    でも、物語の終わりがぶつっとやって来てあまり釈然としない物を
    感じたりも…。

  • あまり主人公が魅力的でなかった…。
    あまり入り込めなんだ。むむむ。

  • 吉屋信子さんはきれいな文章をお書きになる方です。本当に尊敬する人。
    この作品では、特に最後の章を深く深く読まれることをお勧めします。感動。
    この方こそ私の師匠なのだといえます。

  • 思い出すこと思い巡らすことの、大切さ愛しさ切なさ。

  • お上がやかましそう。

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著者プロフィール

1896年、新潟市生まれ。52年「鬼火」で女流文学賞、67年菊池寛賞を受賞。『花物語』『安宅家の人々』『徳川の夫人たち』『女人平家』『自伝的女流文壇史』など、幅広いジャンルで活躍した。著書多数。73年逝去。

「2023年 『返らぬ日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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