また会う日まで

著者 :
  • 河出書房新社
3.20
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本棚登録 : 377
感想 : 74
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  • Amazon.co.jp ・本 (172ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309018010

感想・レビュー・書評

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  • 以前別の作品を読み始めたものの、合わないなと感じ読み終えることができなかったけれど、本作品は最後まで読めた。関西圏の20代女性が東京に上京してる男友達宅に1週間泊めてもらう、という状況から始まった。曜日ごとの章分けで、失恋したばかりの仲良しの友達とのやり取りやカメラを携え、主人公の周囲への視線はみずみずしく語り口も静かだ。高校の同級生だった男子に会いたい理由や環境設定に、僅かにその世界観を感じたけれど私にはセンチメンタルだなぁとしか思えず。好きな人は好きな世界だと思う。

  • この人の作品らしく、ゆるくて、オチはなし
    でもその分さらっと読めるから私はわりと好きです

    舞台は東京で、知ってる場所と地名がかなり出てきた
    でも会話文はおもいっきり関西弁だったりして
    そのコントラストがよかったなぁ

    日常を描くことが多いだけあって
    この人の「日常論」みたいなものがきれいに文章になってる
    この考え、すごく共感しました↓

    「なんか急に、いつもと違うこととか新しいことをやってみようと思う瞬間があって、それでいつも実際やるわけじゃないけど、たまにほんまにやってみるときがあって、なんでかわからんけどできるときがあって、そういうのだけがちょっとずつ変えていけるんちゃうかなぁ」

  • 関西弁がたくさん出てきました。
    本の中で一週間が一日ごとに区切られてて物語になっています。
    ほわっとしてて、ゆっくりとしてて、風景の綺麗さがまるでそこにあるよに表現されてるのが面白いです。
    あと凪子がいい登場人物だけど思います。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「風景の綺麗さがまるでそこに」へぇ~表紙も星が巡ってるけど、そんな感じでしょうか?
      「風景の綺麗さがまるでそこに」へぇ~表紙も星が巡ってるけど、そんな感じでしょうか?
      2012/03/22
  • これこれ。探してたの。
    何箇所かいいところはあるけど、しょうちゃんの言った、なんか急にやりたくなって、いつも実際やらないけどたまにできる時があって、そういうのだけが少しずつ何かをかえていける、って言うの、ききたかったの。

  • 最初はどうでもいい描写の細かさにイライラしたが、結局読み切ってしまった。
    しかし凪子って…何?

  • 柴崎さんは何気ない日常の一部を切り取って物語を紡ぐのが本当に上手な作家さんだと思う。彼女の作品はどれもミニシアターで上映されている映画のようにゆるやかでさらさらと流れていく。今回は東京が舞台ながら大阪出身の男女が主人公だったので、いつもの柴崎作品だった。恋愛未満のふたりの関係と凪子というスパイスが絶妙にきいていた。結構好き。2011/630

  •  東京国際ブックフェアのセミナーで柴崎さんのお話を聞く機会ができたので適当に図書館にあった著作を選んで読んでみた。

     うーん……知らない人の旅の思い出のアルバムをめくっている感じ。感想としては「でっていう」かなあ。純文芸の中にはこういうヤマなしオチなしイミなし小説たくさんあると思うのだけど、そこに何か引き込まれるものがあるかないか、で好みが分かれるんだよね。わたしとは波長があんまり合わなかった。雰囲気は嫌いじゃないけど、興味はあまり湧かなかった。
     ラストも枚数が残り少なくなって慌てて鳴海くんの話に戻したんかな、みたいに思ってしまった。
     鳴海くん=岩井鳴海だって最初わからなくて混乱。ナルミって女の名前っぽいから、てっきり名字だと思ってた。説明の少ない小説だから、そういうところにひっかかるとずっとモヤモヤしちゃう。

     あ、でも柴崎さんが漱石が好きだっていうのは分からなくもなかった。

  • ハードカバーの装丁にそそられ確か古本屋で昔ジャケ買いしたものを再読。
    昔、高校の修学旅行の夜、心理テストをしていた男の診断結果は自分をセックスフレンドだと思っているというもだったが私も同じような感覚だと気付いた。同じものを感じているんだとそれ以来その男が少し特別な存在になる。
    好きだけどいわゆる好きというのも少し違う、でもそれが何かわからないまま八年が経ったが今でもセックスフレンドと言われて納得した気持ちがなんだったのか気になっている私は会いに行く。
    という、普通に考えたらこんなことを確かめに八年後にくる女はおぞましすぎる。
    ふわっとしたひと夏の都会の空気をページの間に詰めた、なにか起きそうで何も起こらない、雰囲気は少しあるけど大して面白くはないインディー系邦画っぽい話。
    むしろ周りが認めてしまう二人というか。
    お互い異性として好きだけどいわゆる付き合いたい好きとは違う何か(セックスフレンドとしてでは当然なく)をお互い持っている、こんな経験がある人は少しわかるが多数のない人にはつまらない小説かもしれない。
    俺は前者だけど、それでもあんまりかな。なんて説明したら良いかわからないけど、また内容を忘れたとしてももう一度読みたいとは全く思わないので処分する。

  • 柴崎友香さんの描く表現は、まるで写真のよう。
    色の表現の仕方が、すごく美しくて好き。

  • 柴崎さん2冊目。「わたしが知らなかった街で」ほど共感はしなかったけど、ゆるやかなありふれた日常を、間延びさせることなく表現する力量がすごいな~と思った。

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著者プロフィール

柴崎 友香(しばさき・ともか):1973年大阪生まれ。2000年に第一作『きょうのできごと』を上梓(2004年に映画化)。2007年に『その街の今は』で藝術選奨文部科学大臣新人賞、織田作之助賞大賞、咲くやこの花賞、2010年に『寝ても覚めても』で野間文芸新人賞(2018年に映画化)、2014年『春の庭』で芥川賞を受賞。他の小説作品に『続きと始まり』『待ち遠しい』『千の扉』『パノララ』『わたしがいなかった街で』『ビリジアン』『虹色と幸運』、エッセイに『大阪』(岸政彦との共著)『よう知らんけど日記』など著書多数。

「2024年 『百年と一日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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