みずうみ

  • 河出書房新社
3.16
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本棚登録 : 545
レビュー : 102
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309018096

感想・レビュー・書評

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  • 高山なおみさんおすすめ。

    なおみさんの感想。

    いしいさんに送っていただいた「みずうみ」は、おとといから1ページ、2ページと少しずつ読んで、でももったいなくて、その先にどうしても進めない。最初の一行で、もう、物語の息吹きは始まっている。いしいさんの世界。扉の向こうには、独特のあの大きな世界がどっぷりとあって、開けた途端にダーッとこっちに押し寄せ、部屋いっぱいになるのが分かっている。そういう予感がプンプンする言葉と句読点と、隙間でできた青緑の本。厚さも、紙ざわりもとてもいい。だから、そこへ行くには、いろんなことを終えてからでないと。

    昨夜、いしいさんの「みずうみ」を、本格的に読み始めた。
    言葉の連なりのいちいちがとても美しく、音楽を聞いているよう。読み進むうち、誰かにこれを耳もとで朗読してほしいと強烈に思った。自分は布団の中で目をつぶったまま、その世界をただじっと味わいたい。目から言葉が入ってくるより、耳から脳みそに届いてほしいような感じなのだ。湖の水面がキラキラゆらめくような、水の中のような、体感的な言葉。まいったなあ。もったいなくて、なかなか読み進めない。

    本といえば、いしいさんの「みずうみ」が途中で止まってしまっている。この間、飛行機の中で読んだのだけど、ものすごいゆっくりのスピードでしか読み進めなかった。気圧のせいもあるかもしれないけど、脳みそではなく、体ごとで読んでいるようなモクモクした感じになった。みずうみの水が、鼻や耳の穴から頭の中にチョロチョロと浸透してきていた。いっぱいになったところで、一章が終わった。二章目のページをめくったら、いきなりタクシーが出てきた。だから、そこで止めておいた。帰ってから続きを読み始めたのだけど、20ページほどで本を置いた。読んでいる間、体中を揺さぶられているような、細かい地震がずっと続いているような。どっぷりと物語の中に入ってしまったら、抜け出られないような気がして、今はまだタイピングできないでいる。

    第二章は、休むことなく車に乗って、つっ走っているような感じだった。
    第三章では胸が痛み、脳みそがちぎれそうだった。水や果物のような、根源的なものが食べたくなった。読み終わった時には、自分もまた、大きく深いものに確実に繋がっているような気がした。
    すごい物語だった。ものすごい娯楽だった。こんな小説を読んだのは初めて。たぶん。こんなのが書けるのは、日本ではいしいさんだけだろう。

  • 3つの章からなるお話で、それぞれは別のお話。だけど、根底にあるテーマは同じ。みずうみ、溢れる水。

    お話の中に溢れている水に連想されるのは、雨が森へ、森から川へ、川から海へと循環しつづける水。
    わたしたちの目の前にある水はいつも同じようで、ほんとうはどこかから流れてきて、またどこかへ流れていく、違う水。
    わたしたちの体を満たす水。
    そして、羊水。

    町を覆い、バスタブを満たし、白衣をびしょびしょにしてしまうほどの水なのに、洪水や濁流を思わせる激しさはなくて「こぽり。こぽり。」と、いつも静か。
    「どうしようもないんだ。俺には、どうしようも」
    という、2章にでてくるセリフが、この本の全体を包む、うっすらとした悲しみを表しているようで、印象的でした。

    しかしこれは、万人受けしない本ですね。
    好き嫌いの前に、読めるか読めないかが問題でしょう。

    1章は、少し不思議だけれど、ファンタジーだと思って読めば、多くの人は読みきれると思います。
    2章めと3章めは、普通の小説のように読もうとすると、挫折しちゃうかもしれないですね。ページが進むにつれて全貌や真相がわかってくる、というものではないような気がします。

    いしいしんじが好きな人、が読む本かな?

  • 何だか、よくわからない。
    ・・・けど、何か良い。

  • 意味があまり分からないし、言葉の難しいしで、本当に読み終えるのに時間がかかった。一章二章三章と、全く別の話のようで、あれこれってって繋がる部分が散りばめられてた。
    だけど結局リアルにもファンタジーにもなっていなくて、私には満足できる内容では無かったかな…。
    こんなに読むのに時間がかかった作品は初めてかもしれない。

  • 断念。

  • これは難解なお話だ。
    第1章は、いしいしんじらしい、大人のファンタジーあふれるお話。
    第2章は、そこから少し現実に戻された感じ。
    第3章は、現実路線。

    大きく括ると「みずうみ」で繋がっているのだけれど、なんだろう。
    今までのいしいしんじが好きな私にとって、第3章は苦痛でした。
    いしいさん、何があったの?って。
    路線変更したの?
    それなら私の心は、いしいさんから離れてしまいそうです。

    後書きを読むと、現実にいしいさん自身にいろいろ辛いことがあったようで、それが作品に反映されているようですね。
    暗くても、どこか温かくてほっとする文章だっただけに、
    ただただ温度が低いだけの第3章が辛かったです。

  • あまり入り込めないなと感じながら、読み進めていました。
    1章、2章、3章と、物語が繋がっているような繋がっていないような。
    どれも、あれ、ここで終わるの?というところで終わって、なんだか不完全燃焼な気分に。

    でも読み終えてしばらくしてから、急に、なんというか、あ!そういうことか。と、自分の中でなにかひらめくものが。
    この物語はこういうものなのだと、妙に納得してしまいました。

    とりあえず、不思議な物語。

  • 「みず」っていうより、少し張りのある透明な液体、そんなイメージ。
    悪いイメージ。

  • 循環する世界。
    絶え間なく流れる命の根源。

  • 途中で読むのやめようかと、なんど思ったことか……!(ノД`)
    後半に現代の話しがあるようだったので、頑張って読みましたが、え、そこで終わるの? 結局なんなの? 山なし、オチなし?

    話しが抽象的すぎて、さっぱり理解できませんでしたアエー。

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プロフィール

一九六六年大阪生まれ。作家。 現在、京都のミシマ社の「きんじよ」に在住。お酒好き。魚好き。 蓄音機好き。二〇一二年『ある一日』で織田作之助賞、二〇一六年『悪声』で第四回河 合隼雄物語賞を受賞。『ぶらんこ乗り』『麦ふみクーツェ』『ポーの 話』『 海と山のピアノ』(以上 、新潮社)『みずうみ』(河出文庫)など著作多数。

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