みずうみ

  • 河出書房新社
3.15
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本棚登録 : 589
感想 : 103
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309018096

感想・レビュー・書評

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  • 高山なおみさんおすすめ。

    なおみさんの感想。

    いしいさんに送っていただいた「みずうみ」は、おとといから1ページ、2ページと少しずつ読んで、でももったいなくて、その先にどうしても進めない。最初の一行で、もう、物語の息吹きは始まっている。いしいさんの世界。扉の向こうには、独特のあの大きな世界がどっぷりとあって、開けた途端にダーッとこっちに押し寄せ、部屋いっぱいになるのが分かっている。そういう予感がプンプンする言葉と句読点と、隙間でできた青緑の本。厚さも、紙ざわりもとてもいい。だから、そこへ行くには、いろんなことを終えてからでないと。

    昨夜、いしいさんの「みずうみ」を、本格的に読み始めた。
    言葉の連なりのいちいちがとても美しく、音楽を聞いているよう。読み進むうち、誰かにこれを耳もとで朗読してほしいと強烈に思った。自分は布団の中で目をつぶったまま、その世界をただじっと味わいたい。目から言葉が入ってくるより、耳から脳みそに届いてほしいような感じなのだ。湖の水面がキラキラゆらめくような、水の中のような、体感的な言葉。まいったなあ。もったいなくて、なかなか読み進めない。

    本といえば、いしいさんの「みずうみ」が途中で止まってしまっている。この間、飛行機の中で読んだのだけど、ものすごいゆっくりのスピードでしか読み進めなかった。気圧のせいもあるかもしれないけど、脳みそではなく、体ごとで読んでいるようなモクモクした感じになった。みずうみの水が、鼻や耳の穴から頭の中にチョロチョロと浸透してきていた。いっぱいになったところで、一章が終わった。二章目のページをめくったら、いきなりタクシーが出てきた。だから、そこで止めておいた。帰ってから続きを読み始めたのだけど、20ページほどで本を置いた。読んでいる間、体中を揺さぶられているような、細かい地震がずっと続いているような。どっぷりと物語の中に入ってしまったら、抜け出られないような気がして、今はまだタイピングできないでいる。

    第二章は、休むことなく車に乗って、つっ走っているような感じだった。
    第三章では胸が痛み、脳みそがちぎれそうだった。水や果物のような、根源的なものが食べたくなった。読み終わった時には、自分もまた、大きく深いものに確実に繋がっているような気がした。
    すごい物語だった。ものすごい娯楽だった。こんな小説を読んだのは初めて。たぶん。こんなのが書けるのは、日本ではいしいさんだけだろう。

  •        -2009.02.24

    少年の目線でもって社会との関わりを意識して描いた作品が多く、優しい表現の裏に切実に人間を生きる姿勢が印象的な作家といわれる、いしいしんじ07年初版の小説。

  • 何だか、よくわからない。
    ・・・けど、何か良い。

  • 意味があまり分からないし、言葉の難しいしで、本当に読み終えるのに時間がかかった。一章二章三章と、全く別の話のようで、あれこれってって繋がる部分が散りばめられてた。
    だけど結局リアルにもファンタジーにもなっていなくて、私には満足できる内容では無かったかな…。
    こんなに読むのに時間がかかった作品は初めてかもしれない。

  • 断念。

  • これは難解なお話だ。
    第1章は、いしいしんじらしい、大人のファンタジーあふれるお話。
    第2章は、そこから少し現実に戻された感じ。
    第3章は、現実路線。

    大きく括ると「みずうみ」で繋がっているのだけれど、なんだろう。
    今までのいしいしんじが好きな私にとって、第3章は苦痛でした。
    いしいさん、何があったの?って。
    路線変更したの?
    それなら私の心は、いしいさんから離れてしまいそうです。

    後書きを読むと、現実にいしいさん自身にいろいろ辛いことがあったようで、それが作品に反映されているようですね。
    暗くても、どこか温かくてほっとする文章だっただけに、
    ただただ温度が低いだけの第3章が辛かったです。

  • あまり入り込めないなと感じながら、読み進めていました。
    1章、2章、3章と、物語が繋がっているような繋がっていないような。
    どれも、あれ、ここで終わるの?というところで終わって、なんだか不完全燃焼な気分に。

    でも読み終えてしばらくしてから、急に、なんというか、あ!そういうことか。と、自分の中でなにかひらめくものが。
    この物語はこういうものなのだと、妙に納得してしまいました。

    とりあえず、不思議な物語。

  • 「みず」っていうより、少し張りのある透明な液体、そんなイメージ。
    悪いイメージ。

  • 循環する世界。
    絶え間なく流れる命の根源。

  • 途中で読むのやめようかと、なんど思ったことか……!(ノД`)
    後半に現代の話しがあるようだったので、頑張って読みましたが、え、そこで終わるの? 結局なんなの? 山なし、オチなし?

    話しが抽象的すぎて、さっぱり理解できませんでしたアエー。

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著者プロフィール

いしい しんじ:作家。1966年、大阪生まれ。京都大学文学部卒業。94年『アムステルダムの犬』でデビュー。2003年『麦ふみクーツェ』で坪田譲二文学賞、12年『ある一日』で織田作之助賞、16年『悪声』で河合隼雄物語賞を受賞。そのほか『トリツカレ男』『ぶらんこ乗り』『ポーの話』『海と山のピアノ』『げんじものがたり』など著書多数。趣味はレコード、蓄音機、歌舞伎、茶道、落語。

「2024年 『マリアさま』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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