- Amazon.co.jp ・本 (201ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309018287
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
3つの物語の短編集。とても古川日出男らしさが凝縮されて臭い。勢いで読む。入り込まないと気恥ずかしさを感じるので、なにも気にせずどっぷり浸かると気持ちがいい。最後の8ドッグズを長編として読みたい。
-
不思議に繋がる不思議な感覚。
それは名前かもしれないし、
偶然に出会ったことかもしれない。 -
今ひとつでした。閉塞とか抑圧から殻を破るような感じの話が多いけど、衝動は文学的で移入するようなものでもない。そのままこの世界を受け入れて感じられるかによる。
-
文学
-
はじめて古川さんの本を読んだ はじめは何いってるのかわからなくて悩んだ え、なんだこれ、はやい、言葉がはやい スピードが、口調が、まるで生きてるみたいな、それでいて回りくどい言い方も兼ね備えた、鳥肌。鳥肌。鳥肌。鳥肌。鳥肌。気づいたら、言葉を拾うのに夢中になっていて いやいや、なんで、どうして、あああ!って 人間くささがすごく伝わってくる、何かしらみんな狂気で、可笑しくて、面白い 「ハル」が自分の名前の一部に入っていたら!とか思ってしまう オミくん、ハル姉、ハルシニアに会いたい 名前にハルが付くのなら「私もハル×だよ!惜しくも天秤座じゃないけど!天秤座の次の蠍座だよ!」って叫びたい、絶叫。
-
古川日出男の短編集。
表題作の『ハル、ハル、ハル』がとてもよかった。主人公の一人、晴臣と弟がすさまじく切なかった、切なすぎて涙を誘われた。こんな辛く哀しいエピソードを読んだのは久しぶりだった。
心の拠り所を失った三人、哀しい過去を持った三人が出会って悪事を行う。それは悪いことだけれども。出会えたことで救われた部分があるんじゃないかと、希望を感じずにはいられなかった。
疾走感溢れる文章でつづられるお話。どのジャンルに分類されるのかわからないけれど、思わず心に響く物語だった。 -
生きているうちは動く
中篇3つ。
ハルハルハル
両親にステラレタ藤村晴臣は、13歳。8歳年下の弟を死なせて、拳銃を拾い、16歳の大坪三葉瑠とタクシーをジャックして、逃走する。運転手、悟と3人でコンビニを襲う。行くイサキは、犬吠崎。で、そのさきは…?
これは、物語の続編であり、終わりはない物語だ。
この長さが気持ちいい!
スローモーション
日記を書き続けるフブキ。姉のナナミから子どもを預かるが、誘拐されてしまう。それで、犯人の子どもを誘拐し、子ども達を取り返しにいく。
8ドッグズ
ねねが語る孔雀の話。
南総里見八犬伝を、敏也に語り、敏也が動く。
ストーリーじゃなくて、テンポやアクセントに酔う小説なんだね。「ハル ハル ハル」は最高! -
2014年9月14日読了。
-
饒舌なノワール?
3編収録ですが、どれも全体的にところどころ単語を太字強調、特に八犬伝をモチーフに使った「8ドッグズ」は段落をがつんと縮めたりして視覚効果を使っています。
前に読んだ『アラビアの夜の種族』は面白かったんだけど…バイオレンスな匂いがするのは苦手だな。
後書きらしきものによると「2005年11月から僕は完全に新しい階梯に入った」んだそうである。
帯の推薦文は爆笑問題太田光。なんかわかる。好きそう。
装画 / 岸野 真生子
装幀 / 木庭 貴信(オクターヴ)
初出 / 『文藝』2006年春号・秋号、2007年夏号。