酔郷譚

著者 :
  • 河出書房新社
3.48
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本棚登録 : 139
レビュー : 26
  • Amazon.co.jp ・本 (155ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309018744

作品紹介・あらすじ

彗君がかたむける魔酒の向こうに、夢幻と幽玄の世界が官能的に交叉する-亡くなる直前まで執筆された珠玉の連作綺譚。

感想・レビュー・書評

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  • 青い絵が映える装丁に魅かれ購入。魔酒が誘うはこの世か、あの世か、はたまた来世か。そして酔郷に遊び、最後の一滴が喉元を過ぎる頃、残る余韻は現か、幻か?普段読まないタイプの幻想的な短編集、というよりは詩に近い何か。堪らなく花を愛で酒が飲みたくなる一冊だった。ただ綺麗過ぎる。ストロングゼロ民には縁のない世界だ。あと、挿入される漢詩や和歌の知識がなさ過ぎて恥ずかしくなったので勉強しようと思う。

  • 『よもつひらさか往還』の続き。神童の慧君の物語。短編7話で亡くなる直前まで執筆されていたとのこと。もっと『酔郷譚』の世界を味わいたかったです。

    『よもつひらさか往還』では、往還の過程が描かれていて、美しいと思っていた。今回の『酔郷譚』は、魔酒によるあの世へのトリップの描写は省略されている。その分、酔いが強く表現されていて、「黒い雨の夜」は官能的で濃度が高くてドキドキしてしまいました。

    九鬼さんの他に真希さんも登場して、入江さんたち一行も到着した、その後どうなったのか、…絶筆が残念でなりません。

    これを機に、桂子さんの物語と桂子さんシリーズも読んでみようと思っている。桂子さん『よもつひらさか往還』でも登場する。入江氏とお付き合いをしている謎の女性。

  • 『よもつひらさか往還』の続編。
    官能に満ちた彩色で、筆の力だけで陶酔へと導いてくれる。
    お酒は飲めない体質ですが、九鬼さんのカクテルは心底飲んでみたい。
    例の特別なカクテルの力を借りて異境へ~というのは前作と同じだけれど、その異境への道程を今作では省略してるところが秘かにじわじわくる。
    これが絶筆とこのことで残念でならない。

  • 倉橋由美子の酔郷譚を読みました。倉橋由美子が没するまで執筆し続けた連作の短編集でした。九鬼さんと真紀さんのカクテルによる酔いは慧君をいろいろな場所にいざなってくれるのでした。あるときは天国のような場所に、あるときは霧深い山荘に。そして、倉橋由美子らしい、幻想的で妖艶な物語が語られていきます。こんな魅力的な文体は他の作家では読めないと思うと、この珠玉のような物語がいとおしく感じられます。

  • 初めて読みましたが倉橋由美子さんは博覧強記なんですね。毎ページ毎ページニヤリとするところあり、追いつかないところあり...。漢学・西洋古典共に精通されているのがよくわかりました。ちょっと嫌味なほど教養を披瀝されます。
    しかし文体は異常なほど柔らかく、内容も分かりやすく、この辺りを是とするか否とするかは好みなんでしょうね。個人的にはこの知識量でこの程度の内容にしてしまうのはもったいなくも思いました。教養をただの小道具にするのでは無く、一つのテーマとして掘り下げてみた帰結に興味があります。ともあれ、残るものは無かったにせよ、ページを開いてから閉じるまでは素敵な時間を味わいました。それから、久しぶりにバーでカクテルなど頼んでみたくなりました。

  • 2018.01.28 図書館

  • 面白かったです。読んでいるあいだずっと、酩酊しているような不思議な気分でした。彗君が飲んだお酒の力?で訪れる異界で行われる官能も、耽美で、でもどこか冷静で。九鬼さんも不思議だったけど、真希さんも不思議でした。この陶酔は好きです。著者の最後の作品だと帯で知ってしんみり。

  • おもしろかった?
    倉橋由美子って、なんかよくわからんけどハイカラでよくわからんけど憧れる、みたいなイメージだったけど、それは10年くらい前に読んだきりのイメージで、今回のはなんかよくわからんけど酔っぱらっていろんな夢を見るだけのぼやけた話だった。
    もう一回前に読んでよかったのを読み返すところからやってみようかな。

  • 美味しいお酒が飲みたくなった。願わくば恐ろしくも美しい異界に迷い込みたいところだが、そんな魔酒には未だ出会えていない……。

  • 大金持ちの美男子、彗(すい)君が魔酒という酒を飲んで現実の世界と別の世界とを行き来するという話なんだけど、何というか、私はピンと来なかった。

    突拍子すぎるというか、その不思議な世界の描写にも良さを感じないというか、とにかく何というか微妙だった。

    それでも読んでいくうちに馴染んできて、徐々にスムースに読めるようにはなったけど。
    帯に「最後にして最上の作品」とあるけど、私にはそこまでの感激も感動もなかった。

    エリクソンみたいにしたかったんだろうな。
    言葉でありながら言葉は言葉の形をとらずダイレクトに映像と化す、そういうような世界を描きたかったんだろうと思う。
    でもなりきれなかったという感じ。
    エリクソンはやっぱりすごいと改めて思う。

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倉橋由美子の作品

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