改造版 少年アリス

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 1480
感想 : 159
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  • Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309018843

作品紹介・あらすじ

夜の学校をのぞいてごらん。今夜も少年たちが夜空に星をぬいつけているよ。ラストを含め大幅改稿!あの『少年アリス』が改造され生まれ変わった。

感想・レビュー・書評

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  • オリジナル版より描写が具象的に、文章が平易になってる気がする。
    使われてる語彙も意識して「長野まゆみ作品らしい」ものを盛り込んでるような印象で、綺麗な装丁や最後の言葉辞典も含めてセルフパロディ的な意図が強い一冊なのかなと思った。
    大きく変更されたラストにはびっくりだけど、一度発表された物語にこうやって大胆なアレンジを加えるのはまさに「改造版」って感じの面白さだし、宮沢賢治の作品が改稿を積み重ねていったのと似たものも感じる。

    だいぶ印象変わったとはいえ、物語の素晴らしさは健在。
    この改造版から長野まゆみ作品に触れても充分楽しめる名作です。

  • 長野まゆみ作品初読了。言葉のひとつひとつが美しい。自分にもっと想像力があったらなあと思う。小学生や中学生の頃読んでいたらどんな世界が頭のなかに広がっていただろう?
    夜の学校という設定は大人になった今でもわくわくするところがある。
    ソーダ水に浮かんだ月の描写が印象的だった。

  • 王道。幻想的。独特でとても綺麗な世界観なのに、どこか冷たくて怖い感じがする。登場人物はひとりひとり美しいけど人間味が無くて精巧な作り物みたい。線の細いお人形のような少年を思い浮かべてた。
    ファンタジーなんだけど“わくわくする”というよりは全体的に少し暗めで恐ろしい。怖くないのに怖い夢を見ている気分になる。

    あのクロツグミは結局、アリスではなかったのか。無関係のクロツグミを蜜蜂は人間にしてしまったのか。タマゴから出てきた種はなんだったのか。物語のその後が気になる良い終わり方だった。

  • 読み始めた頃はファンタジー感強くて苦手かも…と思ったけど読み終わると独特の世界観があっておもしろかった。
    他の作品も読んでみたいかも。

  • 装丁に挿絵、飾り文字などがとても可愛い。飾っておきたいくらい。
    物語は、原作?よりも読みやすく、違いを探しながら読むのも楽しかったです。転校生の存在が気になる…。

  • 結末や細部がかなり変わっていたけど面白かった。
    何より装丁や挿絵がすごく可愛い!
    最後の少年は何も関係ないクロツグミが人にされて、アリスはただ記憶を消されただけっていう解釈でいいのかな

  • 面白かった。軽く読み始めたけど、引き込まれて一気に読み終えた。
    風景の描写や、少年達の成長が素敵なファンタジー☆

  • 初版を読んだ時は全体的に尖っているのに脆い印象でした。今回読んだ改造版は柔らかく滑らかな感じ。でも、どちらも透明感があって改めて初版を読みたくなりました。

  • 長野まゆみさんの著作は中学生のときどっぷりハマって読み漁った時期があり、特にデビュー作である『少年アリス』には思い入れがあります。
    懐古と憧憬が相まって、自分にとって大切な一冊。
    改造版ということで、装丁も随分と凝った仕上がりになっており、ぜひ本棚に納めたい…!と思って購入し、懐かしく読みました。
    アリスと蜜蜂、二人の少年の一夜の冒険が美しい描写と耽美な筆致で描かれています。
    改めて大好きな本だなあと思いました。

  • 図書館でたまたま見つけ、読んでみようと借りてみた。『少年アリス』の方は文庫版を購入して読了済み。そこで「改造版」というのが気になった。『少年アリス』より説明が詳しく書かれていて読みやすかった。『少年アリス』の方は、説明が少なく、色々想像で補うことが多く、不思議なことは不思議という感じだったが、こっちは不思議の中で、ある程度説明がなされ、理解しやすかったような気がする。でも、相変わらず長野さんだけが出せるこの世界観は好き。

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著者プロフィール

長野まゆみ(ながの・まゆみ)東京都生まれ。一九八八年「少年アリス」で第25回文藝賞を受賞しデビュー。二〇一五年『冥途あり』で第四三回泉鏡花文学賞、第六八回野間文芸賞を受賞。『野ばら』『天体議会』『新世界』『テレヴィジョン・シティ』『超少年』『野川』『デカルコマニア』『チマチマ記』『45°ここだけの話』『兄と弟、あるいは書物と燃える石』『フランダースの帽子』『銀河の通信所』『カムパネルラ版 銀河鉄道の夜』「左近の桜」シリーズなど著書多数。


「2022年 『ゴッホの犬と耳とひまわり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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