僕らの青春 下町高校野球部物語

著者 :
  • 河出書房新社
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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (353ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309019857

感想・レビュー・書評

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  • SF作家、半村良さんの青春小説。

    スカッとした青春小説が読みたいと思い手に取ったら、その前に1977〜1978年の世相が横たわっていた。

    「受験戦争」、「受験地獄」

    体育教師までもが、放課後のクラブ活動を良しとせず、早々に帰宅させ、受験勉強を推奨する。

    それに反旗を翻す形で、高校2年生になりたてのダッシュとデカは、おっかなびっくり、野球を一緒にできるメンバーを集め始める・・・。

    44年前に発刊された小説のため、高校生同士の会話、家族の会話が素直すぎて隔世の感がある。

    調子の良い設定・展開だが、マイルドな読後感を味わいたい方はどうぞ。

  • 野球に興味が無いので買わずにいたのを古本屋で見つけて購入。
    物語とは全く環境の違う自分の高校時代が懐かしく感じた。

  • 応援行けよ、意地の張りかたが理解出来ない
    ガリバー先輩まさかの途中退場しっぱなし

  • この本を図書館で見つけた時、作者の名前を見て「えっ!」と思いました。
    半村良さん。

    半村良さんと言えば私は時代ものか、夜の世界の話を書くというイメージがあって「僕らの青春」サブタイトル「下町高校野球部物語」というのが全く合わない。
    それで興味をもって借りてみました。

    読んでみての感想は、つまらなかった!の一言。
    下町高校という進学高校に通う高校生たちが、勉強、勉強の毎日で自分たちの青春はこれでいいのか?と疑問をもち、にわか野球部を立ち上げる。
    しかし勉強に支障がないように試合は一試合だけ。
    だけど、やるからにはここらで一番強い高校と対戦して勝つという目標を立てるという話なんですが・・・。

    最初は面白そう!と思ったんですよ。
    それぞれ個性のある人間が集まり、一つの目標に向かって力を合わせて頑張るというベタな話、私大好きなんで・・・。
    でも一生懸命練習しているシーンもないし、一人一人の生徒たちがちゃんと描かれてないので心情が伝わってこない。

    猛反対すると思っていた両親や教師たちが意外にも協力的で、それほど障害というものもなく、するすると勝ち進んでいくという安易さ。
    話の筋が進んでいくだけで、「ただ読んだ」という読後感しかありません。

    大体ね~。
    「どれくらい練習してる?」と聞かれて「一日一時間か一時間半」というのにギャフンときました。
    いくら素質のある人間が集まってるからって、そんな勉強の片手間で練習したんで甲子園にいけるほど甘かないだろ~って。
    それじゃ、日々野球、野球で、朝晩真っ暗になるまで練習してる人間はどうなるんだ?
    それに進学高校なのに「下町高校」って・・・。
    もっとルドルフ学園やら氷帝学園やらそれっぽい名前にしたらいいのに。

    やはり作者によって得意分野があるんでしょうか。
    いつも書かれる水商売の世界の話や時代劇の話なんて半村良さん、すごくいいのに・・・。

  • 受験校に通う下町の高校生が休眠状態の野球部を復活、甲子園を目指すお話し。ちょっととんとん拍子に行き過ぎるところはあるが割り切れば楽しく読める。

  • SFを読みたくなって手に入れたがSFではなかった。

    昔のよき時代の受験戦争を背景とした高校の様子を描写したもの。野球部などの部活動をする時間も惜しんで勉強せよとの風潮により学校生活の意味を問う。その風潮に挑戦するかのように甲子園を目指す。すんなり甲子園の出場権を得たところが非現実的ではあるが、生徒の反抗的なセリフでも先生を立てる前提でのものになっており、友達との会話もさわやか。スムーズに読んでしまった。気分がよかった。

  • 「戦国自衛隊」などのSF小説で知られる半村良が30年以上まえに書いていた高校野球を題材とした青春小説。
    受験一辺倒で部活動が有名無実化してしまっている東京の都立下町高校に実は集まっていた野球の名手たちが、受験至上主義の学校側にひと泡ふかそうと企み、甲子園予選に臨むというストーリー。
    話の展開は「実際あり得ないだろう」とつっこみを入れたくなる展開で、表紙の帯にに宮部みゆきが「青春おとぎばなし」と書いているのも頷ける内容。ただ、後半連戦連勝する野球部に対しての他の生徒たちの反応が下町の江戸っ子らしく、すがすがしさを感じましたね。

  • 1970年代に書かれた物だが同じ下町の進学都立高校にいた者としてその時代、考え方、とても懐かしく思い出されました。

  • 下町の進学校の弱小野球部が近所のおっちゃんたちに応援され見守られながら強くなっていく青春小説。スポコン物ではない。

  • 〈内容〉東京の下町高校で心をかよわせた生徒たちが野球部をたちあげるが、その行く末は? 伝奇SFで知られた作家が、若者たちへの励ましをこめて書いた爽快な青春小説をはじめて単行本化。

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著者プロフィール

1933年東京都生まれ。都立高校卒業後、紙問屋の店員、板前見習、バーテンダーなど様々な職業を経験した後、広告代理店に勤務。62年「SFマガジン」第2回SFコンテストに「収穫」が入選。71年初の単行本『およね平吉時穴道行』刊行。73年『産霊山秘録』で泉鏡花文学賞、75年「雨やどり」で直木賞、88年『岬一郎の抵抗』で日本SF大賞受賞。『石の血脈』『戦国自衛隊』『妖星伝』など著書多数。2002年逝去。

「2023年 『半村良“21世紀”セレクション1 不可触領域/軍靴の響き 【陰謀と政治】編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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