- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309020136
感想・レビュー・書評
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ひとり紅白歌合戦、と題した 長嶋有の短篇集。
どれもおもしろかったんだけど、
「噛みながら」
「山根と六郎」
「ファットスプレッド」
「マラソンをさぼる」が印象的。
「噛みながら」は、「僕は落ち着きがない」という著者の作品のスピンオフ。
長嶋有は遊び心あふるる作家なので帯によく短篇を書いているのですが、これもまた「僕は…」の帯に書いたものらしい。私は文庫で読んだので知りませんでした。
銀行強盗にあっている女の人の頭の中は雑念だらけで、それは高校時代のフラッシュバックで…という、すごくよくわかる話。
「山根と六郎」は、はじめてカップラーメンを食べた話。
「ファットスプレッド」は、油分がマーガリンの基準値に達していないものを言うらしい。ネ〇ソフトとかね、しらなかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
冒頭の『丹下』。ダラダラとした書き出しにハズレを引いたな~、と思ったが、主人公が外出してから俄然面白くなった。
後はその勢いでワーッと読み終えたのだけど、これを読む前に読んでたのが高野文子の『黄色い本』。
漫画化するなら高野文子にオファーだな、と思いました。 -
「女ごころを書いたら、女子以上」
「ダメ男を書いたら、日本一!」
と帯には書いてある。
なるほどと思うが、この短編集ではその触れ込みの内容が遺憾なく発揮されているのだろうか。一つ一つが短いのでこの「祝福」という短編集ではそのことが少しわかりにくいのではないかと思った。
長嶋有さんはいつしか単行本買いの作家となり、私にとって極めて共感度の高い作家である。影響を受けてきたものから、文章に対するスタンスのようなものまで、とにかく感覚的に「自分と近いもの」を感じる作家だ。読みながら、そのことについてもう少し言語化してみたいと思った。
「マラソンをさぼる」とか「山根と六郎」とか「海の男」のような男同士のやりとりによる作品での主人公(級)の人物と相手の人物の距離の取り方(相手の話を聞きながらもどこか上の空であるような態度)でもって、小説世界を構成していく感覚。「丹下」や「ファットスプレッド」のような、女の人の日常感覚へ深く入って行こうとするような文章。相変わらず非常に「上手い!」と思わせるのだが、どこか自分が持っているものは全部出さずに「ギリギリで止めている」ような感じもするのである。で、その「ギリギリで止めている」感じがじゃあ悪いことなのかというとそういう話でもなく、その感覚も含めて私はこの作家が好きなんだろう、という気が今回したのだった。
日本橋ヨヲコさんのマンガ「少女ファイト」の主人公、練のセリフに「私はまだ分析欲のほうが強い」というセリフがあったが、おそらく長嶋有さんも「分析」するのがとても好きな作家なんだろうと思う。それは言い換えると「オタク的」ということなのだが、日本橋さんはそのことを相対化する視点も同時に持っていて(よく「キモい」と出てくる)、長嶋さんも、日本橋さんとは違うレベルである程度そういう自分を客観的に見つめているのではないかと思った。 -
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高速つかって、1時間
滞在、5分、話すことはいっぱいあるけど・・
別に、聞きたくないでしょ?
貰う物頂いたら、はい。さよなら。 -
うーん 読み終わって1週間。
内容思い出せない。
好みじゃなかったみたい。 -
これは今までの長嶋有の小説の中でももっともイマイチ感の漂う本でした。
なんだか中途半端な感じでがっかりしました。
次回作に期待です。 -
「僕は落ち着きがない」の頼子が出てきましたね~。
彼女が高校時代、図書部以外のところで何があったのか、ということが少しだけ垣間見れた。
ああいう状況のときに、ホームランバーとかを使ってくるのが、長嶋さんのうまいところだよなぁ、と思う。
「ファットスプレッド」が一番好きでした。
オザケンのこととかsakusakuのこととか、すごいわかる。 -
他の長嶋作品を読んでいるとつながりがあって楽しい。
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「女ごころを書いたら女子以上、ダメ男を書いたら日本一!」という帯にちょっと笑いました。うまい!
女主人公5人、男主人公5人の10の作品からなる短編集。
いい!
久しぶりにいい!と思った。
長嶋作品はつまらなくて好きで、そのつまらなさを確認するために読んでしまうのだけど、今回はすごくいい具合でした。面白かった。
「ファストスプレッド」
専業主婦の何気ない一日。
共感する部分が多くて、引用に登録。
「海の男」
大学時代のあまり仲良くなかった友人と釣りをした一日。
人は、ひとり。
その感覚がいいなぁと思う。
夫婦なのにふと、やっぱり他人だな、と客観的に相手を見る瞬間とか。
少し距離感のある二人が一緒の空間にいる風景とか。
そいうのが描かれているのが好きだなぁ。
「ジャージの一人」は、もう堺雅人でしか想像できません。
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