- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309020136
感想・レビュー・書評
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地に足が着いた人たちの、現実世界の話し。
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表立ってなくていい。裏側でひそひそこそこそ幸せでいたい。
物足りなさも、ままならなさも、感情の起伏も、あるのだけれど
芯があたたかい物語たち。
いわなくてもいいことを、いえる相手がいるって、いい。 -
休日の午後、星野源などBGMにのんびりと読むのに最適。
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「噛みながら」より「丹下」で「僕は落ち着きがない」の先生を思いだしちゃったなー。
「ファストスプレッド」人気ですが私もこれが好き。
意地悪な気持ちにも嫌な気持ちにもならない、ちょっとくせのあるミネラルウォーター飲んだみたいな小説たちだった。 -
水みたいな短編集。
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2012年3月27日(火)、読了。
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冒頭の『丹下』。ダラダラとした書き出しにハズレを引いたな~、と思ったが、主人公が外出してから俄然面白くなった。
後はその勢いでワーッと読み終えたのだけど、これを読む前に読んでたのが高野文子の『黄色い本』。
漫画化するなら高野文子にオファーだな、と思いました。 -
他の長嶋作品を読んでいるとつながりがあって楽しい。
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「女ごころを書いたら女子以上、ダメ男を書いたら日本一!」という帯にちょっと笑いました。うまい!
女主人公5人、男主人公5人の10の作品からなる短編集。
いい!
久しぶりにいい!と思った。
長嶋作品はつまらなくて好きで、そのつまらなさを確認するために読んでしまうのだけど、今回はすごくいい具合でした。面白かった。
「ファストスプレッド」
専業主婦の何気ない一日。
共感する部分が多くて、引用に登録。
「海の男」
大学時代のあまり仲良くなかった友人と釣りをした一日。
人は、ひとり。
その感覚がいいなぁと思う。
夫婦なのにふと、やっぱり他人だな、と客観的に相手を見る瞬間とか。
少し距離感のある二人が一緒の空間にいる風景とか。
そいうのが描かれているのが好きだなぁ。
「ジャージの一人」は、もう堺雅人でしか想像できません。 -
短編こそ難しい。わかりかけたところで終わってしまう。
長嶋有は最初に読んだ「夕子ちゃんの近道」が傑作だったので、それからどんどん読んでますが、意外と暗かったりして、なかなか「これは」というものに出会えていないかも。主人公の淡々としたかんじが移って自分も淡々としてきてしまうし。
でも、なんだか、と思いながら読み進めましたが、「噛みながら」あたりからノってきました。なんだか泣けた。
「ジャージの一人」の噴火の中でホットケーキを作ることも、「ファットスプレッド」の夫婦の感じも、自分以外のものは作られた世界って、こどもの頃思っていたことも、なんだか自分に近いかんじがする。
淡々とふつうに生きてても、「何もない」なんてことないんだ、と思う。強盗に遭遇したり、母が帰ってこなかったり、急に余興に出ることになったり。でもそれでもふつうの人だから、ふつうのことにように、淡々と立ち向かってしまうんだな。
トゥルーマン・ショーを観てみよう。