11 eleven

著者 :
  • 河出書房新社
3.40
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  • (11)
本棚登録 : 653
感想 : 133
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  • Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309020471

作品紹介・あらすじ

最新書き下ろしを含む11編の作品集。

感想・レビュー・書評

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  • タイトル通り、11編からなる短編集。最初の話からフリークスショーの話だし、全編通してすごく独特な雰囲気。心理的なホラー要素を強く感じた。耽美とも言えなくはないが、好き嫌い分かれる話の数々かなぁと思った。
    津原さんの作品は大好きだが、ルピナスや猿渡さんのシリーズの方が好きかな(^_^;)

  • どこかこことは違う世界を覗いているような、そんな自分の立ち位置も融解してしまうような。それでいてドロリとした人間の醜悪さを感じさせる短編集。

  • ひたひたと忍び寄ってくる感情。それは、恐怖感だったり、諦観だったり、違和感だったりするが、そういう「日常からちょっと外れた」世界観を中心にした11編の中短編集。発表場所も様々なので全体的な統一感はないが、SFとホラーとファンタジーのるつぼを見た。

    これだけあると、正直受け付けない内容や文体もあるのだが、逆にいうと、そう思わせるだけの書き分けだったり、個別の世界観の確立ができているので、そこはさすがの筆力。ちょっとした弾みに迷い込んでしまいそうな、日常の先の不思議な世界に踊らされる。

  • 11編の短編集。

    『五色の舟』は傑作。

    『キリノ』は語り口が面白い(『YYとその身幹(むくろ)』も共通してるような)。

    『クラーケン』戦慄。

    『テルミン嬢』「バレエメカニック」に通じた感じもする。忘れがたい作品。

    好きだなーと思ったのはこの辺。

    『微笑面・改』はすごい!と思ったけれど思い入れはあまりないかも…。

  • 11編の短編集。それぞれ独特な世界観、設定があってけっこう楽しめた。全体的に陰鬱な雰囲気が多いのも私好み。
    オチや結末に何かを求めるのでなく、
    読んでる間にいろんな価値観や人生に触れていく、という感じ。

    戦時中を舞台に異形をなりわいとする一団を描いたSF「五色の船」、ライトノベル風の「キリノ」、SFホラーな雰囲気を味わえる「手」、途中難解な文もあったが発想が発想が新鮮だった「テルミン嬢」(最後火星までいくとは思わなかったw)などなど、短編だから気軽に読めて、でもちょっとした余韻が残る作品。

  • 短篇集ということだけ了解して読んだ初津原さんだったが、幻想的でとても好みの文章だった。
    つくづくシャム双生児に縁のある読書体験をしている(笑)。

    ◎収録作
    五色の舟
    延長コード
    追ってくる少年
    微笑面・改
    琥珀みがき
    キリノ

    クラーケン
    YYとその身幹
    テルミン嬢
    土の枕

    『五色の舟』と『手』と『土の枕』が好みだ。
    斐坂という名の登場人物が、まったく違う物語にまったく違う人物として何度か出てくる。それがなんだかおもしろい。
    いくつかの話は、著者が広島出身だということを意識させた。

  • ツイッター文学賞を受賞していたので、読んでみました。短編集。何個か、「?」と思うものはあったけれど、全体的に自分好みな気がします。これからも少しずつ読んでいきたい作家。それにしても、よくもまぁ、こんなに全くことなる趣向の短編を書きながら、一冊にまとめられてしまうような、一貫性をお持ちです。

  • 質量のある本。
    幻想的な、と表現するのがためらわれるような昏さが、苦手な人は苦手だろうな。
    私も実はそれほど好きなわけではない。私の好きな幻想は、もう少し透度が高いのだ。

    しかし、良著であることは間違いない。
    皆川博子氏が好きな人なら、多分好き。

  • 面白かった・・・。
    11のお話が収められた短編集です。
    奇怪な着想と、世界観のあるきれいな文章。私は、稀代の名文家であり幻想小説家の皆川博子さんの小説に近いものを感じました。あと、塚本邦夫の歌を小説にしたらこんな感じなんじゃないかな。
    私は五色の舟が好きでした。どの短編も読後の余韻がすごいです!

  • 11の短編。「五色の舟」がすごくよかった!戦時中、自らの異形を見世物にする一座が、くだんによって別の世界へと導かれる。残酷で切なくて美しい話。
    「延長コード」と「土の枕」も好き。
    けど他の話は幻想?禅問答?って感じで、今の気分に合わず入り込めなかった…。

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著者プロフィール

1964年広島市生まれ。青山学院大学卒業。“津原やすみ”名義での活動を経て、97年“津原泰水”名義で『妖都』を発表。著書に『蘆屋家の崩壊』『ブラバン』『バレエ・メカニック』『11』(Twitter文学賞)他多数。

「2023年 『五色の舟』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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