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- Amazon.co.jp ・本 (217ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309021256
作品紹介・あらすじ
テレビ東京系「スミスの本棚」で紹介され大反響を呼び起こした、厭世主義の哲学者ショーペンハウアーがよみがえった。徹底的に絶望した者こそ、その彼方の一味の「幸福」に、到りつける。ペシミズムを超克する静観と仏教的涅槃による解説が、この悲愴な時代にもっとも待ち望まれている。「白樺派」の代表作家による、体感的なショーペンハウアーの哲学案内書。
感想・レビュー・書評
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長与善郎を、白樺派でくくって考える必要はあまりないと思います。独立した一個の人間として相対し、その随筆を耽読しましょう。「ショーペンハウエルの散歩」という随筆が表題となっています。昭和23年に出版されたものの新装復刻の書です。妙にぴかぴかしていてあまり落ち着きませんが、文章は流暢、今の人でもふつうに読めます。では一節を。
…内面的空虚というものがわれわれにとっていかに根本的不幸であるかを真に了解してみれば、直ちに解る本当なことである。世にはいかに多くの幸福なる不幸な人と、不幸なる幸福な人とがあることであろう。だが、ともかく彼は厭世家であった。(p.14)
彼とは、ショーペンハウエルのこと。どんな厭世家であったのか。さあ「長与散歩」といきましょう。
後半の随筆では「三絶」として、西田幾多郎・鈴木大拙・幸田露伴が綴られています。じかに交流があった人の筆は貴重です。ますます「長与散歩」ですよ。昭和14年に上梓された『人生観想』は、もっとオススメです。古書を見つければぜひ。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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