屍者の帝国

  • 河出書房新社
3.53
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本棚登録 : 3053
レビュー : 426
  • Amazon.co.jp ・本 (459ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309021263

作品紹介・あらすじ

早逝の天才・伊藤計劃の未完の絶筆が、盟友・円城塔に引き継がれて遂に完成!
フランケンシュタインの技術が全世界に拡散した19世紀末、英国政府機関の密命を受け、秘密諜報員ワトソンの冒険が、いま始まる。

感想・レビュー・書評

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  • うーん、まあSFと歴史をあわせもつた面白い内容ではあるが、自分にはいまいち。それでいて壮大だが、なかなか長い内容。

  • 楽しめた。映画化したら面白そうだなー。

  • シャーロック・ホームズ以前のワトソンの冒険譚。様々な物語が絡む様は読み手の理解度を超えることもあるが、引用されている物語の多くの基本はほぼパロディであり、それらの予備知識が無くても単体でも十分面白い。クロスオーバーのような贅沢な一冊。伊藤計劃「ハーモニー」に対する円城塔なりの解が一つの見所。文章もかなり読み安い。

  • 伊藤計劃の絶筆を円城塔が引き継いだSF小説です。
    死者蘇生の技術が確立され、「屍者」によって経済が成り立つ19世紀が舞台です。
    主人公のワトソンが屍者フライデーと共に、フランケンシュタインの謎に迫ります。
    様々な世界観が入り乱れる中、上手に纏められていることに感心しました。

  • SF

  • ニコライ・フョードルが出ていると聞いたので、読みたかった。

  • ラストのフライデーによるエピローグがかなりぐっときた。

  • <あらすじ>
    19世紀末―かのヴィクター・フランケンシュタインによるクリーチャー創造から約100年、その技術は全欧に拡散し、いまや「屍者」たちは労働用から軍事用まで幅広く活用されていた。英国諜報員ジョン・ワトソンは密命を受け軍医としてボンベイに渡り、アフガニスタン奥地へ向かう。目指すは、「屍者の王国」―日本SF大賞作家×芥川賞作家が挑む渾身の書き下ろしエンタテインメント長編。早逝の天才・伊藤計劃の未完の絶筆が、盟友・円城塔に引き継がれ遂に完成。
    うーん。設定は面白いと思うんだけど。
    文体が・・・。内容が全然頭に入ってこない。

    ハーモニーもダメだったし、あわないのかなぁ。

  • 伊藤計劃らしくもなく、円城塔らしくもない。
    しかし、それぞれのエッセンスは確実に薫ってくる。
    どちらかと言えば、円城塔のエッセンスの方が、やや薫りが高い、かな。

    と言っても、円城作品をそこまで読み込んでいるわけでも無い。
    伊藤作品については、染み入るほど数が無い。
    なので、この印象が正しいのかも、そもそもよく分からない。

    「伊藤計劃の遺作を円城塔が完成させた」という先入観を捨てた場合はどうか。

    「堅実で示唆的。良く出来たSF。しかし、やや冗長」という感じかな。

    円城塔が伊藤計劃から引き継いだものは、どこまでだったのだろう。
    「プロローグとプロット」と書いてあるけれど、そこに結末は書かれていたのだろうか。
    なんとなく、これは感覚でしか無いのだけど、この結末は、伊藤計劃ではない気がする。

    追記:円城塔氏のインタビューを読んで、なんか、いろいろ納得した。

    <a href="http://mainichi.jp/feature/news/20120906mog00m040001000c.html " target="_blank">円城塔インタビュー詳報:故・伊藤計劃との共著「屍者の帝国」を完成させて</a>

    以下、ネタバレなので隠しておく。
    まあ、ネタバレしたところで、それほど意味はない気もするけど。

    [more]

    人の意識は「菌株」が操っている、とザ・ワンは言う。
    ヴァン・ヘルシングは、同じものを「言葉」と呼ぶ。

    この部分が、なんというか、無理やり伊藤計劃っぽく仕上げた感じがした。
    それが、逆に伊藤計劃っぽくない雰囲気に繋がった、と感じた。
    伊藤計劃なら、そこで「言葉」は出さなかったのではないか、と思う。
    このストーリィで、この展開で、そこでは「言葉」は出さなかったのでは無いか、と思う。
    これはもう、理屈では無い、漠然とした感覚でしか無いのだけど。

    むしろ、逆だったのでは無いか、と思う。
    ザ・ワンが「言葉」と言い、ヘルシングが「菌株」と言う。
    そちらの方が、なんとなくしっくり来る気がする。

    本書も、もちろん面白かった。
    しかしやっぱり、「伊藤計劃の書いた『屍者の帝国』」を読みたかったな。
    無い物ねだりだからこそ、余計にそう思うのだろうけれど。

    本当に、惜しむべき人を亡くしたんだな、と改めて実感した。

  • 【由来】
    ・アテネの最終日に購入

    【ノート】
    ・伊藤計劃はデビュー作の「虐殺器官」という小説で鮮烈なデビューを果たしたが、癌のため34歳で夭折した。僕も大好きな「メタルギア」というゲーム、正確には監督の小島秀夫の大ファンで、親交もあった。また、メタルギア4のノベライズも伊藤が担当した。

    ・本作は、伊藤の遺稿をもとに、円城塔が完成させたという作品。ベースプロットは、あの古典的小説、フランケンシュタイン。

    ・メアリー・シェリーの「フランケンシュタイン」は人造人間だが、これが死体をもとにウィルスで制御されるとバイオハザードのゾンビ。そんな「死兵」ならぬ「屍兵」をネクロウェアなるソフトウェアで制御する蒸気時代の世界、1800年代後半が舞台。イギリスの諜報員である主人公ワトソンに、アメリカのグラント将軍やヴァン・ヘルシングなどが登場して繰り広げる、スチームパンクSFスパイものといったところ。

    ・円城塔は知らないので伊藤計劃に惹かれて読み始めたが、正直な読後感としては今ひとつな印象。伊藤計劃の「虐殺器官」の続編である「ハーモニー」で色濃く感じた、伊藤計劃の死への視線。迫り来る死(とその恐怖)に戸惑ったり抗ったりしながら対峙する過程で獲得したと思われる自意識への姿勢。そこに感じた伊藤の恐れや絶望を感じることができなかった。執筆している人間が違うのだから当たり前かも知れないが、伊藤計劃なら、屍者側からの視線をもっと説得力を持って描いたのではないかと感じた。

    ・それでも「全員が絶望を感じることができなくなるのは、至福の実現ではないかね(P382)」という記述に、伊藤が観ていたものに通底するものを円城が認識していることは感じられたし、「ハーモニー」の終わらせ方を止揚したとも捉えられる結末に、ちょっとした目まいにも似た感覚を味わわせてもらえたのはよかった。

    ・総じて、自分にとっては、「虐殺器官」や「ハーモニー」を超えるSF作品とはならなかった。

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著者プロフィール

1974年東京都生れ。武蔵野美術大学卒。2007年、『虐殺器官』でデビュー。『ハーモニー』発表直後の09年、34歳の若さで死去。没後、同作で日本SF大賞、フィリップ・K・ディック記念賞特別賞を受賞。

「2014年 『屍者の帝国』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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屍者の帝国 (河出文庫) 文庫 屍者の帝国 (河出文庫) 伊藤計劃
屍者の帝国 (河出文庫) Kindle版 屍者の帝国 (河出文庫) 伊藤計劃

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