- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309021409
作品紹介・あらすじ
不気味なユーモアと、痛快な毒の使い手・待望の単行本未収録対談集。
感想・レビュー・書評
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唐十郎との対談がびっくりするほど面白かった。ちょっとした一言にも重みがある。
でも基本的には対談というよりも、深沢七郎が語り手になってしまっている感じ笑詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
タイトルに惹かれて借りたが、
昔のおじいちゃんの昔の戯言。
こんなワシたちかっこええやろ?みたいな。 -
人を食った対談集だが、相手もさすがのくせ者ばかりでふっと心に残る一言がある。
[more]<blockquote>(唐十郎)
P20 話されることは、口を通ることか、外を通るもののことしかないのです。離島から中央にやってきても、いつも思うことは、ただ闇雲に自分の中を通過してゆくものを一つ二つと考えているだけで。
P27 肉体というのは血のつまったどん袋ではなく、息口を持った風の器のようなところがあるから、
(大橋巨泉)
P38 今は、かせぐというより、もうけたいという考えになった。そのニュアンスの違いは大きいでしょうね。
(樹木希林に対し)
P111 要するに、生きているうちに死んだような生活をすることが一番理想だもの。
(寺山修司)
P129 テレビに出てくる人ってみんなニコニコしてる。世の中にあんなに次々にニコニコした人が出てくるってことはグロテスクですからね。
(大藪春彦)
P197 まぁここが宇宙だと思っていたら、どこへ行ったって同じだと思いますね。
(五木寛之)
P217 酔っぱらいを認める国、認めない国で分けていいと思うんですよ。日本、ロシア、ハンガリー、スペインあたりは、お酒飲んで乱れたりしても、愛嬌があるといって喜んだりするし、大酒飲みを尊敬しますけどね、だけど中国とかヨーロッパとか、中心文化の国では酒を飲んで姿勢を崩すような人は小人としか見られない。</blockquote> -
20161011読了
楢山節考の人のエッセイがおもしろい、とどこかで聞いて気に留めていたところ、図書館で目に付いてしまったのがこの題名だった。インパクト強すぎ。中身もまたなかなかのおもしろさで。●対談集。発行は2012年だが、対談そのものは1950~70年代に行われたもの。対談相手は大橋巨泉、樹木希林、寺山修司、五木寛之等々。 -
なんて粋な人たち!豪華な対談集。
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『楢山節考』で中央公論新人賞を受賞した深沢七郎氏の対談集。
対談相手が、唐十郎、大橋巨泉、野坂昭如、秋吉久美子。ヨネヤマ・ママコ、樹木希林、寺山修司、横尾忠則、小沢昭一、高峰秀子、大藪春彦、五木寛之ということもあり、話題は毎回異なるけれど、内容のある面白い対談集になっている。 -
お見事!
人生はこんな風に楽しみたいもの -
短い対談ばかりで微妙な内容でしたが、それを分かっていたとしても著作が出版されることに意味があると思う。
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こんな対談は見たことない。
なんせ、対談が成立していない。ほとんど、それぞれが思い思いのことを話している。
でもだからこそ深沢七郎の小説が生まれ得たんだよな、と思う。
あの野坂昭如でさえ、ものすごく常識人に見えるのは、ものすごいことだ。唐十郎との対談なんて始終、飾り気のある唐の発言がうとましかった、深沢自身、彼の言葉を理解していない、あるいは理解しようとする気すらないのに。「アホかこいつは」とさえ思ってしまった。
深沢七郎は、発言は支離滅裂でも、「生きる」ということの、もっとも確かな尺度になりうる作家だと思った。