夜を吸って夜より昏い

著者 :
  • 河出書房新社
3.04
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本棚登録 : 119
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (168ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309021669

作品紹介・あらすじ

何かをしなくてはならない、何かを賭けなくては。何が正しいのかもわからぬままに-一人の少女の影がさす甘やかな郷愁の光景が、不意にかきくもる。とぎれ、掠れゆく記憶だけで結ばれた兄弟は、何を悔い、何を夢見ていたのか。うねる文体、はじける口語が、衝撃の結末になだれこむ。書かれていることの鮮烈さと、書かれていない謎の深みが、読者を戦慄させる。

感想・レビュー・書評

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  • 夜を吸って夜より昏い

  • 再会した兄弟の曖昧な記憶が詩のような言葉で綴られていく。オリジナルティ溢れる文体と日常では使うことのない語彙に圧倒される。冒頭の三行で、どこか不穏で予測できない世界に招き入れられてしまったかのように引き込まれてしまった。

  • なんだか霞の中に漂っていたような読後感。
    佐々木中のテクストの中を漂流するように、言葉言葉を縫って小説が進行していく。
    書き心地(これは想像)、音にした時の口当たり、目で追って頭で想像した時、感覚的な部分では随所に恍惚感(?)はある。唄や詩を楽しむように読むと良い。
    しかし、自分の読力不足からか、理解しようとすると小難しいと思われる。
    でもでも物語自体はずばりタイトルで割と直球なところが面白い。

  • 7年ぶりに再会し同居する兄弟の話。ストーリは1-2割。残りを選び抜かれた言葉が埋め尽くす。美しいようでもあり、退屈なようでもあり。「abさんご」の黒田夏子に通ずるものがあるかも。

    • 葉雨子さん
      7年ぶりに再会して同居する兄弟のストーリー。1-2割の筋書き、残りは選びこまれた言葉で埋め尽くされている。美しいようでもあり、退屈なようでも...
      7年ぶりに再会して同居する兄弟のストーリー。1-2割の筋書き、残りは選びこまれた言葉で埋め尽くされている。美しいようでもあり、退屈なようでもあり。。「abさんご」黒田夏子に通ずるものがあるかも。。
      2013/09/14
  • つまらなかった。途中で断念・・・

  • 何言ってるのかさっぱり解らない、のだけれども。印象だけ残る。
    呪文もしくは唄の中に、物語(あるいはそれにまつわる感情)が、透かし模様で織り込まれているような。

  • 言葉が孕む音楽と湿度がほんとうらしい
    もーちょーかっこいい

  • 読み終わって何を感じたか、文章にするのが非常に難しい小説。とうとうと流れてくる文章から、何かを読み取ろうと必死になったまま、不思議な緊張感と共に読み終えました。

    物語というよりは、書かれている言葉に浸ってのめり込んだ感じです。詩のようでありながら、地に足のついた奇妙な臭みと熱気に満ちた本でした。

    またこういう小説が読みたいです。

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著者プロフィール

1973年生まれ。東京大学文学部卒業。東京大学大学院人文社会研究系基礎文化研究専攻宗教学宗教史学専門分野博士課程修了、博士(文学)。現在、立教大学兼任講師。専攻は哲学、現代思想、理論宗教学。論文に「鏡・エクリチュール・アンスクリプシオン」(『東京大学宗教学年報XXI』)、「宗教の享楽とは何か―ラカンの〈享楽の類型学〉から」(『宗教研究』352号)など。翻訳にフェティ・ベンスラマ「冒瀆する羊―『イスラームの名における検閲』会議での発言」(『現代思想』2006年5月号、青土社)、ピエール・ルジャンドル『ドグマ人類学総説―西洋のドグマ的諸問題』(共訳、平凡社、2003年)など。

「2008年 『夜戦と永遠』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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