憤死

著者 :
  • 河出書房新社
3.37
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本棚登録 : 1286
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  • Amazon.co.jp ・本 (170ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309021690

感想・レビュー・書評

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  • 「人生ゲーム」で泣きそうになった。あんまり期待してなかったのに。
    私も、ちゃんと、人生のゴールにたどり着きたい。

  • 大人になったからこそ感じる、もう救いようのないほどの読後感のわるさ、

  • 「憤死」の傍観者である主人公の冷めた目線に好感をもった。そうそう、こういう感情の起伏の激しい人って見てて楽しいよね。ただ、タイトルにもなったこの作品より、最後の「人生ゲーム」の方が面白かった。子供の頃人生ゲームで遊んでいたときに出会った少年が、ある意味未来を予言し、最後に現れる。こっちも傍観者ですね。他人の不幸ってなんて甘いんだろう。

  • 人生ゲームが怖かった

  • 『トイレの懺悔室』
    近所の子供の秘密を懺悔と称して聞いていた「じいさん」。「ゆうすけ」に長い年月重い秘密を話され続けこわれた「じいさん」の代わりに捕まる主人公。

    『憤死』
    自分の死を考える余裕もないほど怒りが頂点に達してバルコニーから飛び降りた友人。

    『人生ゲーム』
    友達の家で人生ゲームをやっていると、2階から降りてきた友達の兄の仲間の一人が言う。
    「人生にはこんなゲームより大変なことが絶対に起こる。そんな時は自分のような無関係な人間相手の方が話をしやすいこともあるだろう。だからその時が来たら自分を思いだせ」と。
    その時彼が落書きした人生ゲームのコマに書いてることが、大人になった自分たちに振りかかる。

  • 好きな作家、綿矢さんの短編集。今までの作品よりは軽くて読みやすい感じ。ホラーっぽいのもあったりして怖かったけど、面白かった。
    今までは女性主人公ばかりだったけど今作は男性主人公のもあって新鮮だった。
    短編ということもあり、得意の繊細な心情描写が少なめでちょっぴり残念。いつもとは違った印象の作品だった。
    14/01/28

  • 憤死は私も日本史経由で調べていたので、言葉として親近感。
    京極に近いいやらしいギラギラした気持ち悪さ見たいのが上手くなってきた気がする。

  • まず装丁が良い。最高。完璧。そりゃ読みたくなるよ。

    さて内容ですが、子供から大人への変化を題材にした4編。
    うち2編は男性一人称のホラーという綿矢さんらしからぬ設定でした。
    読んで思ったのはやはり綿矢さんは
    女から女を見た描写が何より面白いです。
    本作でははやり表題作の憤死がイチバン。

    「尊敬すること」と「馬鹿にすること」が実は紙一重なんだ!と
    本作を読んで初めて気が付きました。笑
    ちょっと変わったあの子が普通になってたらがっかりするシーンとか
    バルコニーから飛び降りる友達を
    一瞬にしてデフォルメして想像してしまうシーンとか
    分かりすぎるほど伝わってきてニヤニヤしてしまう。
    自分の中で容易に発生する黒い感情を
    こんなにも分かりやすい言葉で描写されてしまう驚き。
    黒い感情が発生するのは私だけではないのだという安心感。
    自分の経験より圧倒的にぶっ飛んでいる登場人物たちへの好奇心。
    やられました。
    そして最後は「天真爛漫でいてください」って。
    面白すぎる。今後もこういう作品を読ませてください!

  • 表題作「憤死」の、いじわるさからいじらしさに変わっていく感じに、スムーズに入り込めるあたりが、筆者の凄いところ。
    「人生ゲーム」の男主人公ものが、若干言葉遣いに違和感があったこともあったが、新鮮でよかった。

  • 一番最初に収められている、著者自身の実話なのだろうか、幼い頃の夢の話からして不穏だ。
    人生ゲームの呪縛、トイレの懺悔の恐怖など、どこかぞっとする感じのかすかにホラーなにおいのする短編が収められている。

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著者プロフィール

小説家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

綿矢りさの作品

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