- Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309021713
作品紹介・あらすじ
祖父・達夫の危篤に駆けつけた僕は、故郷・鹿児島の病院で、祖母・テルから初めて壮大な夫婦の愛の物語を聞かされる。テルは太平洋戦争直前、初恋の相手と結婚し、北朝鮮へ小学校教師として赴任する夫・達夫とともに海を渡る。やがて夫は出征し、テルは一人で出産。そして終戦。夫はシベリアに抑留され、テルは幼い子供を連れ、38度線を歩いて越え帰国したが、数年後に戻ってきた夫は、自白剤を打たれ廃人同然だった…。僕は祖父の最期に、祖父からテルに宛てた数字だらけの恋文を読み解こうとする-。鹿児島・北潮鮮・シベリアを舞台に、戦争に翻弄された純愛ストーリー。『Little DJ』の著者が贈る、最高の歴史ラブロマンス。
感想・レビュー・書評
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ラブレター
達夫とテルの想い
みずみずしい
長年、解読できずにいた数字だらけの文
泣けた
つくづく
戦争はいかんと思う
人が不幸になるばかり
生きて帰っても地獄のような状況
しんどさを乗り越えて生きてきた人びとの強さに光が見えた
20130803詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
storyはhistoryだ、と改めて思うお話。
戦争という大きなうねり。
実際に著者の祖母の話を基にしている。
暗号が解けたときには、涙。 -
戦争と言う大きな時代の波に翻弄された、筆者の祖母の愛の物語。
いま、私が生きていられるのは、先人が過酷な時代からバトンを繋いでくれたから。
いま、私の目の前にいる人も、同じように多くの苦しみや、悲しみを乗り越えた多くの命が存在していたから。
優しい人になるのは、いつの時代も困難な事が多いけれど、それでも沢山の優しさによって、いま ここに居られる事 を改めて感じられる一冊。 -
一気読み。
終戦の時に外地にいた人達って本当にかわいそう。負けたとはいえ政府って何してたのかな?って思う。 -
何度も読み返した泣ける本です。
本当におすすめです。
分厚い本なのに、一気に読み終えて、この部分が読みたいと何回も読み返しています。
苦しい中にも生きる希望を見出そうとする強さが本当に素晴らしいです。
戦争は、繰り返してはいけないということも、感じました。 -
読んで良かった。
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時代背景や主人公ていの朝鮮からの引き揚げを描いた箇所などは、藤原ていさんの体験を綴った『流れる星は生きている』を彷彿させる。
シベリアでの抑留生活の中で廃人となって帰ってきた夫の達夫の臨終に際し、夫が廃人となる前に妻や家族にあてた数字のみの暗号で記された手紙の意味が解き明かされる。
たった70年ほど前のことに過ぎない戦争の記憶が風化しようとしているいま、読むべき小説かなと感じた。 -
一九三七年。日本の植民地であった朝鮮で働くことになったテルと達夫。しかし、すぐに世界大戦が勃発し、二人は否応なく戦火に引き裂かれる。シベリアで強制労働をさせられながらも絶対に生きて帰ると誓う達夫。達夫の出征と同時に生まれた文子と共に命からがら日本の渡るテル。達夫から届く恋文だけが彼の存在を証明していた。60年の年月を経て語られる愛の物語。
孫が祖父母に戦争の話を聞くという話の展開や、家族の元へ必ず帰るという父親の強い意志などは『永遠の0』と同じ。ただあちらが日本を痛烈に批判していたのに対し、本作は敗戦国としてソ連や朝鮮から逃げ延びる様を描いている。家族への愛が生への執着心を極限まで高める、私たちには理解はできてもなかなか実感はできない貴重な物語です。 -
この作家さんの本を初めて読みました。
おっ、面白い…。
何度も泣きそうになりながら、一気に読み終えました。
悲しいけど、読後感はいいです。 -
本屋大賞にノミネートして欲しかった!
泣きながら読みました
図書館で最初に見かけたときは素通りしたのですが、永遠の0の映画を見た後に手に取ったのは縁があったのかな・・・
永遠の0がすごく話題になっていますが、こちらはシベリアに抑留されていた祖父と、帰りを待っていた祖母の話です
とても感動して、たくさんの方に読んでもらいたかったので久しぶりにブクログの更新をしました
なにかのご縁です。機会がありましたらぜひ読んでみてください