三階に止まる

著者 :
  • 河出書房新社
3.28
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本棚登録 : 395
感想 : 83
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309021966

作品紹介・あらすじ

著者の初短篇集。論理と、論理を超えた出来事が交錯する書き下ろしを含む全8篇。

感想・レビュー・書評

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  • 現実的にありそうで無い、ミステリーとSFが入り混じった短編集。「黒い方程式」は、日常にいながら隔離されていく孤独感が特にSFチックで好み。表題にもなっている「三階に止まる」も同じく、ホラーというよりは大いなる存在を前提とするような謎解きに一風変わった面白さを感じました。著者の別の作品もぜひ読んでみたい。

    • まーちゃんさん
      確か、ホラーを御所望でしたよね?イマイチだったかな?失礼しました。
      石持さんのミステリーが、僕は大好きで…彼の作品としては、ホラーっぽい、と...
      確か、ホラーを御所望でしたよね?イマイチだったかな?失礼しました。
      石持さんのミステリーが、僕は大好きで…彼の作品としては、ホラーっぽい、と感じて、印象に残ってました。

      本棚、参考にさせていただきます。
      2021/06/01
    • はるさん
      コメントありがとうございます!ホラーもミステリーも大好きですし、本作はいままで読んだことのない新感覚で面白くて1日で読みきっちゃいました。オ...
      コメントありがとうございます!ホラーもミステリーも大好きですし、本作はいままで読んだことのない新感覚で面白くて1日で読みきっちゃいました。オススメいただき感謝です。もう1冊も読んでみますね!
      2021/06/02
  • 緻密なロジックで築かれたミステリ短篇集。文章は非常に読みやすく、解決に至る手掛かりの提示や論理展開もスムーズで惑うことなく捉えやすい。もう少し広がりと物語性が欲しいとも思うが、曖昧模糊としがちな怪談を論理で仕立てたのは驚嘆に値する。少しだけ不満を言うなら、結末の意外性があまり無かったことぐらいで、論理的には問題のない短篇集だった。

  • 短編集。ホラーっぽいサスペンスっぽいミステリっぽい。

    表紙デザイン好きです。
    EDSの話は元本で読みました。
    個人的に好きな話は「ご自由にお使いください」と「三階に止まる」

    特に感想として書くことないなー。
    嫌いではないが、物足りないわけでもないが、特筆することも浮かばない。
    面白かったとは思います。

  • 2020年1月読了。
    失礼ながら暇つぶしのつもりで読んだのですが、
    どの短編も読みごたえがあって面白かった。

    「三階に止まる」がホラーっぽくもあり
    ユーモラスもあって一番好き。
    「壁の穴」の魚住くんのキャラが良かった。
    彼が主役の別の話はないのかな。

  • ミステリ。ホラー。短編集。
    「院長室」と表題作は再読。
    基本的にはシンプルなミステリ作品で、時折ホラーやSFぽい作品が混ざる。
    一作目の「宙の鳥籠」で油断していたら、続く「転校」でビビった。
    表題作が一番完成度高そう。結末が良い。

  •  バラエティに富んだ短編集。純粋なミステリもあればホラーよりの作品もあり、夫婦愛(?)が出てくるものも。でも、どれも一癖ある話ばかり。
     
     『二歩前を歩く』の小泉さんが出てくる表題作が一番おもしろかった。謎解き自体は地味だけど、エレベーターのホラーはやっぱ怖い。そしてぶっ飛んだオチ。

     その他だと、ちょっとSFチックな設定の「転校」の後味の悪さが印象に残った。真相や、後の展開を明確に予想させておきながら、具体的に書かずにテレビを切るように終わる話が多かったような。そのせいで良くも悪くもすっきりしない読後感になっている。
     

  • 装丁に惹かれて。石持さん初読み。男性だったのですね。
    死体や殺人は出てくるものの、なんというかお上品?な空気感があって、YAに安心して勧められる作品だと思いました。
    某出版社のミステリーYA!も、こういう本をラインアップして欲しいです(^^;;
    個人的には、推理と超常現象を併せ持つ作風が好みではないので追いかけることはしませんが、仕事上参考になりました。

  • 石持さんの短編は初めて読んだかもしれません。ちょっとホラーな、ラストの余韻を楽しむお話が多く、今まで読んできたものとはちょっと雰囲気が違いますがこちらもいいですね。好みは「黒い方程式」ブラックな落ちを想像していましたが冷静な二人のやり取りと、旦那の本音部分がかなり好みでした。表題作は正直読んでいて背筋がスーッと寒かったです。ラストの呟きががよくて読後感は悪くはないですが。「転校」のラストも好みです。「院長室」は「EDS緊急推理解決院」として読んだ方が楽しめるような気がします。そちらも読んでみたいです。

  • タイトルに惹かれて読んでみた。プラス表紙のデザインがかっこよかったから。短編集。
    なんとなくホラーっぽいのが読みたい方にオススメ。

    [印象に残った短編]
    転校
    めちゃ気持ち悪くなった、吐きそうになった…

    心中少女
    これから死のうしている女2人が心中しようとする場所に既にある女性の死体があるのを発見する。そして推理し始める。

    黒い方程式
    ゴキブリを退治しようとしただけなのに、まさかの展開。いまのコロナ禍でタイムリー。

    三階に止まる
    こんなマンション、家賃が安くても絶対に住みたくない…!気味が悪いなと思った。終わり方は個人的には面白かったです。

  • どの作品もミステリの中に怖さが滲む短編集。とても好み。

    ・宙の鳥籠
    石持作品にはこういうあっさり系男女多い気がする。まあまあ。
    ・転校
    最高だった。オチはすぐ予想できたものの二段オチにぞくっとした。
    ・壁の穴
    魚住イケメンに感じてしまう~。その推理は至極まっとうというか誰か気付けよって感じだけど。
    ・院長室
    設定も内容もおもしろかった。
    ・ご自由にお使いください
    短く落としてこれぞ短編!
    ・心中少女
    収録作品の中では微妙。箸休めみたいな印象。
    ・黒い方程式
    まあそうなるよなー。恋愛小説になっててびびった。
    ・三階に止まる
    さすが表題作!おもしろかった!!

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著者プロフィール

1966年、愛媛県生まれ。九州大学理学部卒。2002年『アイルランドの薔薇』で長編デビュー。03年『月の扉』が話題となり、〝碓氷優佳シリーズ〟第1弾となった05年『扉は閉ざされたまま』(祥伝社文庫)が 「このミステリーがすごい!」第2位。同シリーズの最新作に『君が護りたい人は』(祥伝社刊ノン・ノベル)。本作は『Rのつく月には気をつけよう』(祥伝社文庫)の続編。

「2022年 『Rのつく月には気をつけよう 賢者のグラス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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