- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309022222
感想・レビュー・書評
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さりげないものの中に美しさを
ちゃんと見いだすのは
その見いだす人の中に
さりげない美しさがあるからこそ
見事なまでに
清く 正しく 美しい
暮らしをされてこられた
石井桃子さんならではの
言葉の珠玉集ですね
日本語はこんなにも美しい
いま この時代であるからこそ
大切にしたい
暮らしの中の 心意気が
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石井桃子さんのエッセイをあつめたもの。
『家と庭と犬と猫』http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4309021883と揃いの装丁がかわいい。
中身も同じく素敵。
書かれた時代にかなりの幅があるにもかかわらず違和感がない。
ぶれることない芯がくっきり通っているから。
ちょっとしたことから考えが広がっていく。
気づきから思考へいたる道筋がフラットで心地良い。
これはどうだろうと考えて、でもそう思う自分の考えは正しいのか?と確認する。
この人の考え方がものすごく好き。
井伏鱒二と太宰治のところは、自死されるがわの気持ちの話だなと思った。
外国で本が出版された時の挿絵の話はきっと『子どもの本は世界の架け橋』http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4772190376で一生懸命説明してたと書かれていたときのだ。
黙り込む子供は発言できない大人を見てそうなっているんだという話、
通り魔事件にもそうなってしまう理由を考えるとか、
淡々と、でも止まらずに考え続けていく様が格好いい。
楽しいシチュエーションを問われて、好きな友達と同じ場所でそれぞれ本を読んでいる場所を思い浮かべるとか、
ラジオ出演を依頼されて口下手な人がそんなの出てもしかたないのに放送局の人はみんながラジオに出たがっているとでも思っているのかと憤りつつ口下手だから断れなくて出演するはめになるとか、
口げんかが弱いとか年賀状を元旦に間に合わせられないとか、
そういうところも好き。 -
180926*読了
わたしの尊敬する江國香織さんと同じく、ひらがなの使い方が絶妙。さらに1907年生まれの方らしく、言葉遣いが今とは違う部分が多々あり、時代を感じさせます。
戦後に書かれたエッセイは、めまぐるしく変わっていく日本について描かれていて、当時を生きていないわたしにとっては、へーこんな時代があったんだなぁと目を見張る思い。
絵本の翻訳がしたい!子どもに関わる仕事がしたい!絵本が書きたい!なんて、メラメラと野心を燃やして、バリバリやってこられた方ではなく、ふわりふわりと流れに身を任せて、自分に与えられた仕事を丁寧にやっているうちに、こんなにすごい人になられた、という感じがします。さらにご本人は、自分が偉大なる人物だと思ってもいらっしゃらないご様子。そこが石井桃子さんらしさであって、人々を惹きつけるのかもしれません。 -
エッセイ。
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太宰治が桃子さんと生きてたら…文学の世界は違っていた。
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ON READINGの紹介文:『クマのプーさん』などの児童文学の翻訳、『ノンちゃん雲にのる』等を執筆し、戦後の児童文学を語る上で欠かすことのできない作家・翻訳家の石井桃子が、世の中を澄んだ目で眺め、のびやかに綴った生活随筆集。 http://artlabo.ocnk.net/product/4123 ため息が出るほど素晴らしい1冊。
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914.6