著者 :
  • 河出書房新社
2.89
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本棚登録 : 350
感想 : 57
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  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309022932

感想・レビュー・書評

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  • ごめんなさい。私の読解力・共感力のなさが露呈しました。
    青山七恵さん、初めて読みましたが
    私にはハードルが高かったようです。

    表紙の見返しに書かれている『予感』と
    『ダンス』『二人の場合』『風』の短編4編。

    『二人の場合』がよかったです。
    新卒で入った会社の同期で、親友になる二人。
    同じところで働き、年が一緒で、嫌いなものが一緒。

    相手のことがわかり、遠慮なく意見が言える。

    そんないつまでも続くであろうと思っていた関係。
    年を重ね、違う道を歩み始めると
    悩みも経験も目線も立場も徐々にかけ離れて
    何を話していいのかさえわからなくなっていく。

    子供をもつ。家庭を守る。
    ひとりでずっと働く。食べていく。
    どうやったら共通項を持ち続けられるのか
    願うような気持ちで読みました。

    …そんな共感ができたのはこの短編だけで。
    他の3編は全く歯が立たず。
    独特の世界観に入りこむ入口がどこなのかが
    見つけられませんでした。

    読書歴をのばしてから再チャレンジしてみるか
    と思う一冊です。

  • 新聞で書評などを書かれているのは読んでいたが、作品となると、またちょっと違う。
    純文学。
    象徴的な表現など、俗世にどっぷり浸かって長いこと経ってしまったオバハンには、イマイチピンときませんでした。

    • やまさん
      ロニコさん
      こんばんは。
      いいね!ありがとうございます。
      やま
      ロニコさん
      こんばんは。
      いいね!ありがとうございます。
      やま
      2019/11/19
    • ロニコさん
      やまさん
      こんばんは。
      こちらこそ、いいねをありがとうございます。
      ストウブの本を沢山読まれていますが、いつもお料理されるのですか?
      やまさん
      こんばんは。
      こちらこそ、いいねをありがとうございます。
      ストウブの本を沢山読まれていますが、いつもお料理されるのですか?
      2019/11/19
  • う~ん…難しい。かろうじて「二人の場合」だけは、なんとか理解できる感じがしたが、後の3話はよく分からなかった。特に表題作「風」は途中から不気味というか怖くて。読解力のなさが駄目なんだろうが、あまり抽象的すぎる話について行けない。悲しい。

  • ダンス、二人の場合、風の3作品が収録。

    『ダンス』は踊らない優子という女の話。
    『二人の場合』は、二人の女友達が他の女を揶揄することで友情を繋いでいたが、歳を重ねるにつれて二人の暮らしや関係性と感情の変化を描いた作品。
    表題作の『風』は、かつての資産家の娘、アラフィフ女二人を描いた作品。

    どの作品も女の妬みや、同調圧力、依存性を不思議な空気感で描いていて秀逸。

  • 【ダンス】
    所感
    本能100%の表現てこうだよな。
    本能的な〇〇っていうけど、結局そこには理性や他人の目を気にする気持ちが混じっている。
    優子のダンスは純度100%
    そりゃ踊り出すのも怖くなるわ
    なんで私ばっかりこんな災難に見舞われなきゃいけないの?それはおまえがおまえの人生を生きている証拠
    【二人の場合】
    二人の場合とはいうけど、どんな人にだって当てはまる。
    お互いがずっと気が合うことなんて奇跡に等しいと改めて実感する。
    年齢を重ねるに連れてどんどん経験値に違いが出る。
    その違いを意識すればするほど、解消しようとすればするほどこじれる。
    友人関係に限っては過去に固執した方がいいかもしれない。
    【風】
    澄子も貴子も、比較対象がお互いだけの寂しい世界にいる。
    澄子はその二人だけの世界で、いつも貴子に負け続けているから、さらに寂しい。
    なにかに懸命になったこともないから、その世界から抜け出すこともできない。
    最後にはさらにその世界を深める選択をした。
    諦め。

  • なんだろう。
    人それぞれにある薄気味悪さが暴かれているような。

  • 穏やかな陽だまりに強風が吹き、それが突如暴風となって、友人や家族間に在る言葉に表せない気持ちまでもを攫っていくような、そんな激しさを感じました。絶対的に壊れない想いなど無いと思っています。自分が人であり、相手も人である限り。私に強くて脆い心があり、貴方が優しくて哀しみを知る限り。些細な言葉が暴言となり吹き荒れるのなら、先ずは真正面から向き合い目と目だけで話したい。真剣な顔で暫く見つめ合ってると、なんだか笑ってしまうような気がしませんか。二人の間に優しい風が吹きますように。

  • 二人の〜は、微妙な心理を細かく描いていて、あーありうるなぁこういうの、と思いながら読んだ
    。風 は、どこかおとぎ話のようで、グリム童話のような怖さを感じる。

  • 全3話の短編集・・・と思いきや読み終えて初出の所を見た所、4話でした。
    見返しの2ページも1篇となっていた。

    この作者の本は初めて読みましたが、独特だな~という感じを受けました。
    文章もそうだし、感覚も独特。
    「~があった」という書き方でブツッブツッと切って書いてるのに改行はせず、あった出来事を淡々と書き連ねてる感じ。
    登場人物の会話もその文章に似ていて、人間味が感じられない。
    といって、全く感覚が分からないというのでなく、何となく分かるというのが不思議。

    「ダンス」は踊れない女性の話。

    極端な例をとってると思いましたが、何となく分かるな~と思いました。
    誰もが出来て、誰も他の人もできて当たり前と思っているもの、それが出来ないという事はとても苦しい。
    例えばケガしているとか分かりやすい免罪符があれば誰もが納得するけど・・・。
    踊れない彼女の気持ちも分かるし、踊れない彼女にイラだつ人の気持ちも分かりました。
    両方の気持ちが私の中にもあるから。
    引用した言葉がこの話の言いたかったことなのかな~と思います。

    「二人の場合」は、大手電気メーカーに就職した落ちこぼれOL二人の話。
    二人はとてもよく似ているが、一人が結婚したことにより、どんどん隔たっていく。

    これもよく分かりました。
    人・・・女性は特にそうじゃないかと思うけど、ライフスタイルに合う人と自然につき合うようになっていく。
    既婚の友達が私が結婚した時に頻繁に連絡してくるようになり、子供ができてから自然疎遠になるという事が何度かあり、つき合いやすい人、その時一緒にいて話が合う人と自然につき合うようになるんだな~と思いました。
    結婚相手のダンナさんがどれもスポーツマンタイプで判を押したように同じなのに、「ああいう旦那さんはどっかの山奥の工場で人形焼きみたく大量生産されているに違いない」という表現は鋭い感覚だな~と思った。

    「風」は父親の遺した平屋で二人暮らしをする50代の変わり者の姉妹の話。

    これは感覚的な話だと思った。

    サスペンスやミステリーっぽい話を小説では読むことが多いですが、久々に文学小説っぽいのを読んだ気になりました。

  • こういう感じの本大好き。
    著者の方、知らなかったけど、芥川賞を受賞されてるんだね。

    「二人の場合」も良かったけど、やっぱり表題作の「風」が面白い。
    あんな姉妹いないと思うけど、ハチャメチャであり得なさそうだけど実在しそうな感じもあって、面白い。

    表紙の装丁が可愛くて読んでみたけど、読む価値のある本だった。

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著者プロフィール

二〇〇五年に「窓の灯」で文藝賞を受賞しデビュー。〇七年「ひとり日和」で芥川賞受賞。〇九年「かけら」で川端康成文学賞受賞。著書に『お別れの音』『わたしの彼氏』『あかりの湖畔』『すみれ』『快楽』『めぐり糸』『風』『はぐれんぼう』などがある。

「2023年 『みがわり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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