毛深い闇

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 197
レビュー : 34
  • Amazon.co.jp ・本 (159ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309022956

感想・レビュー・書評

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  • ‹内容紹介より›
    愛知県豊川市で発見された、少女の不可解な死体。女刑事の娘・切子は、母親より早く事件の核心に迫ろうと、悪魔画廊の謎を探るが⁉ 少女の夜の終わりを描く、世界的映画監督による衝撃作。

    ーーーー
    表紙のイラストに魅せられて読み始めました。
    ミステリ作品を想像していましたが、推理や捜査、といったことはほとんどなく、主人公である切子の心理描写が中心となる作品でした。
    切子は友人と「退屈同盟」という集まりを作って、近所のファミレスで管を巻いて過ごしていますが、そこでのやりとりにも、女子高生特有の「きゃぴきゃぴ感」はなく、何となく時代に取り残されている感じがあります。
    また、最終的に事件が解決したのかどう可もよくわからないし、時折挟まれる切子の執筆している「小説」も読みにくくてよくわからなかったです。

    正直、園子温さんの映画も観た記憶がないのですが、もしかしたら自分が苦手なクリエイターなのかもしれません……。
    とりあえずなんとか読み終えましたが(分量が少ないのでなんとかなりました)、読んでいて結構つらいというか、まさに切子のつくっていたサークルのとおり「退屈」な時間になってしまいました……。

  • <現実の事件と少女の空想が交錯する。 >

    切子は女子高生である。父はしばらく前に事故で亡くなり、母と二人暮らし。刑事をしている母の帰りは毎日遅い。
    やはり片親で、親の帰りが遅い2人の友達と共に、毎夜のようにファミレスで時間つぶしをしている。ほかの客の観察をしてはどんな人物かをぐだぐだと想像する「退屈同盟」を作っているのだ。
    片田舎の退屈な街。だが、ここのところ、少しいつもとは様子が違っていた。行方不明になっていた少女が遺体で見つかったのだ。
    切子はこの事件にこだわり、母よりも自分の方が真相に近づいていると思っている。
    今夜、ファミレスを出た「退屈同盟」たちの行き先は家ではなかった。
    毛深い闇を切り裂いて、切子の長い夜が始まる。

    表紙の絵は篠原愛の「女の子はなにでできている?」。
    篠原は少女をモチーフにした絵を製作しており、魚と少女を融合させた作品も多いようだ。
    扉に作品の全貌が載っている。なるほどこの物語とはリンクし補い合うものかもしれないとも思う。

    本書をなぜ読んだかというところが(よくあることに)曖昧なのだが、どこかで見た書評と、たまにはイマドキの小説(として典型的かどうかはよくわからないが)を読んでみようという、まぁ軽い気持ちだったのだと思う。
    情景があざやかな物語とは思う。少女たちの会話も秀逸だろう。現実と空想の境界が曖昧なまま、怒濤のように流れるストーリーラインは、ある意味、見事な手際と言ってもよい。少女の心象風景と疾走感をよく映しているとも言えるかもしれない。
    でも、自分は乗れなかった。自分の中で昇華されるものもなかった。
    ただ、現代というのはこういう物語を生むところでもあるのだな、といささか乾いた感想を持った。

    この物語に没頭する人もいるのかもしれない。
    この物語で救われる人もいるのかもしれない。
    たまたま、それは自分ではなかった、ということだ。

  • 文学を内側から食い破る破壊力がこの作品にはある。本当の意味での正統の脅威というのはこういう作品なのだと思う。一気に読んだ。読み終わったあとの呆然とした感じはどう書いていいかわからない。ただ、またきっと一気に読みたくなる。そういう作品だった。

  • 所縁のある(と私は感じている)方なので手にとってました。きっと彼の頭の中には伝えたいことがたくさんあるんだろう。ただ一読者としては、そのまとまりがよくわからなかったかな…

  • いまいち世界観に浸ることができなかった。
    中高生だったら切子ちゃんに共感することができたのだろうか。

  • 何かで知って、面白そうだったので借りた本。ずっと予約待ちでやっとのことで借りたのに、いまいちだったー。何つーか、ありがちな意味不明な感じというか。鬼才だけあるなぁ。こういう分かりにくいのは苦手だ。切子が小説を書くさまなんか、もう病んでる人じゃないか。でもこういう思春期の子たちっておかしな時期があるからな。恐ろしい。結局ミツコばかり襲って角膜を取っていったのは誰だったのか。表紙は素敵だった。

  • 主人公の女子高生・切子がぶっ飛んでる。
    それは中高生の頃特有の心のもやもやとかとも関係あるんだろうなぁと思った。当たってるかわからないけど。
    なんとも不思議な小説だった

  • 面白いんだけど、
    夜が毛深くは思えないな〜。
    女子高生が、そんなむさい想像
    せんやろう。
    切子役は二階堂ふみ?

  • 嫌いじゃない。でも男が書いてる女の子なんだよな。しかも監督な…。ん〜嫌いじゃないよ。
    でもなんか混ざってそう色々が。

  • 得体の知れない闇の不気味さと、詩的な文章がカッコよかった。

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著者プロフィール

映画監督・詩人・アーティスト。1961年愛知県豊川市生まれ。17歳で詩人デビューし、「ジーパンをはいた朔太郎」と呼ばれ注目される。1987年、『男の花道』でPFFグランプリを受賞。スカラシップ作品として1990年に制作した『自転車吐息』がベルリン映画祭に正式招待される。1993年には、無意味・無目的・無宗教の運動体「東京ガガガ」を組織し、東京の路上を詩でもってゲリラ的に占拠。東日本大震災の翌年には『ヒミズ』(第68回ヴェネチア国際映画祭で主演二人がマルチェロ・マストロヤンニ賞受賞)、『希望の国』(第37回トロント国際映画祭最優秀アジア映画賞受賞)を世に問い、世界でも高い評価を得る。2015年には『新宿スワン』『ラブ&ピース』『リアル鬼ごっこ』『映画みんな!エスパーだよ!』と年間で4作品を発表。同年7月にはChim↑Pomキュレーションによる初個展「ひそひそ星」を高円寺 Garter@キタコレビルにて開催し、9月にもChim↑Pom発案の「Don't Follow the Wind」展(ワタリウム美術館)にて像インスタレーションを発表。2016年5月に『ひそひそ星』を公開。

「2016年 『園子温作品集 ひそひそ星』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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