- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309023311
作品紹介・あらすじ
この雑誌の物語の主人公になりたい。
13歳の時、初めて「オリーブ」を読んで、
そんな風に思った。
女子カルチャーの第一人者が、雑誌「オリーブ」と共に過ごした少女時代を綴る、1980年代メモワール。「オリーブ」で連載された伝説コラム「東京プリンセス」を完全収録!
何を好きになり、何に憧れるかじゃない。こんなふうに好きになり、こんなふうに憧れたい!
藤野可織
魔法にかかったように雑誌に夢中になった十代のひととき。あの時間こそ、本物の宝物。
山内マリコ
「東京プリンセス」の書籍化を待ち望むこと十年。掲載時の切り抜き、まだ持ってます。
松田青子
感想・レビュー・書評
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なんでこれを読もうとと思ったかまったくきっかけを覚えていないけど、とりあえず実家に帰る旅路の間なら読めるかなと思って持ち帰っていた。
伝説の雑誌オリーブに寄稿していた著者のエッセイ的なものもあって、オシャレに余念がない東京の学生はこんな感じだったのか…と思った。憧れショップで買い物をしたら、そのショップの巾着型のショップバックをその後も学校に行く時に使ったり、いつかはあのブランドで洋服買いたい、というのを少しずつ叶えたり、ノーブランドのニットだけど自分がこれだと思ったものを褒められてうれしい、とか共感できることもいくつかあった。
昔より洋服に対してわっとときめく事も、衝動買いすることも減ってしまったけど、でも節約ばっかりして、おしゃれを楽しまないとか、ファストファッションばかり買うというのもつまらないと思う。
これがオシャレでこれを知らないなんてモグリだ、ダサい、みたいな線引きがあるのは面倒だけど、一度はその世界観にどっぷりハマるというのもきっと面白いことなんだよな、と最後まで読んで思いました。
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えーっこれどこの国の話?同じ日本?信じられない!
『オリーブ少女ライフ』は山崎まどかさんが自分の中高生時代(1984~1989)を雑誌「オリーブ」とともに振り返る本……なんだけど私は愕然としました。なんなんだこのおしゃれライフは!
だって山崎さん17の時社会人の恋人がいて、18の時に二人でパリに行ってるんですよ!しかもその時山崎さんはロンドンに語学留学に行ってるっていう。
ちょっとした日常の一コマにもおしゃれな店おしゃれな小道具があって、ボーイフレンドも割と何人もいたみたいだし。
すごいな、これが格差か。でも「プチブル粉砕!自由を我等に!」的な気持ちにならないのは、この本の中の山崎まどかがずっと不機嫌で、うろたえてばかりいるから。ああ、青春ってこうなんだよね、と思わせる。
「オリーブ」に載ってる服が着たいけど買えない。「おこづかいとは別に服代くれない?」と親に頼んだら猛烈に怒られる。知らず知らず友達を裏切ったり、ボス格の子にシメられたりする。どうしてやることなすことうまくいかないの?
恋人とのパリ旅行だって幻滅の嵐でちっとも楽しめず「本当に素敵な大人の男性は、十代の子になんか振り向かない」という苦い教訓だけが残る。
あんな時こんな時、そばにあったのが「オリーブ」。そのオリーブ少女の憧れの的だったのが、モデルの栗尾美恵子さん。同じ高校生なのに、おとぎの国のプリンセスのような存在だった。「オリーブ」を卒業してスチュワーデスになる栗尾さんを見て、山崎まどかは「栗尾さんはハッピーエンドを迎えたんだ」と思う。しかし女の子の人生はハッピーエンドでは終らないのだ。必ず、その先がある。
この後のことを山崎まどかは書かない。(抑制が効いた、いい構成だ)でも私たちは知っている。栗尾美恵子は相撲とりの若花田と結婚し、女性週刊誌から猛烈なバッシングを受けたということを。さらには離婚をし、浮気相手のこともバラされ、日本中のからかいの的になったということを。残酷すぎる未来だ。
ライターとして自立するところで、この短い回想録は終る。山崎まどかは言う。
「九〇年代に十代で「オリーブ」を読んでいた人は、私とはまた違う物語があるはずだ。それを読んでみたいと心から思う。同世代でも、東京ではない地方都市に住んでいて「オリーブ」を読んでいた人の物語も知りたい。私が知っているのは、私自身のストーリーだけ。でも「最も個人的なことが、最も普遍的なこと」だと信じて、この本を書いた」
付録として、山崎さんが2001~2002にほかならぬ「オリーブ」で連載していた「東京プリンセス」を収める。(というか、これを書籍化するついでに自伝を書いたのだという)
東京の女子大生二人が軽口をたたきながらおしゃれスポットに行きスノッブなアイテムに身を包む、あからさまに金井美恵子『小春日和』の影響を感じさせる連載。
これ、もし私が思春期にリアルタイムで読んでいたとしたら「ケッ!東京の恵まれた人はいーね!」と吐き捨てたと思う。しかし同時に「でも……ここに載ってるワルカー・ワンダレイの「パトゥカーダ」は聴いてみようかな」「銀座の「ウエスト」って素敵なカフェなんだろうなあ」「尾崎翠の「こおろぎ嬢」読んでみようかな」と密かに影響を受けていたと思う。 -
なんとも言えない気持ちになった。オリーブは20代の初めに買っていたので、著者のように中学生からお洒落に目覚めたなんてことはまったくなく、首都圏の富裕層の子女のファッションをめぐる回想はどこか遠い国の話のようだった。私の中学時代は掘り立ての芋のようで、地方都市と東京の格差に驚くばかりだ。普遍的…かなあ?かなり地域差があるようにも思える。まだ「少女の友」のほうが身近に感じるくらい。ファッション雑誌より「りぼん」や「なかよし」に夢中な少女だったので、乙女カルチャーと言えども著者とは隔たりを感じてしまう。
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私はオリーブを見たことがないし、この本でオリーブという雑誌の存在を知った。でも私が10代の頃にもこういうふうに魔法みたいに自分と強く繋がりを感じられたものがあって、この本を読むと当時のことが鮮明に思い出された。あの特別な時間はもう戻ってこないのかもしれないけれど、いつまでも大切にしたい思い出だと思った。Tsukasa
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なつかしいブランド名とか、いっぱい出てくる。
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興味深かった
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2019/9/20購入
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雑誌
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オリーブ、、、
わたしがファッション雑誌読む頃にはもうなかった。
でも、80年代ブームが、スローモーションをもう一度読んで来ちゃったもんだから、読んどこうと。
しかも、山崎さんの著書も初読みです。
80年代オリーブは、おしゃれが好きな人はオリーブ少女だったって書いてあって、そうなんだー!と思いました。どうも、読んでいるとわたしのオリーブの印象は90年代のものなんだなあと。
思春期の憧れの世界を映し出す雑誌って特別じゃないんだなあと。 -
オリーブ少女ではなかったけれど、10代の頃のオサレ欲求を思い出した。松田青子や山内マリコがオリーブの、というより山崎まどかの影響モロなんがよく分かる。