においのカゴ: 石井桃子 創作集

著者 :
  • 河出書房新社
3.24
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本棚登録 : 79
感想 : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309023380

感想・レビュー・書評

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  • この作品は、111108さんのレビューで興味を持ち、出会うことができました。ありがとうございます。

    図書館で借りたのですが、まず、装丁の素敵なデザインと、単行本にしては、コンパクトな可愛らしさが気に入りました。

    中身の作品たちは好みはあれど、東北弁が多いせいか、私の生まれ故郷を思い起こさせる、ほんわかした田舎の素朴な物語が印象的で、懐かしい気持ちと温かい気持ちが同居するような、楽しい時間を過ごせました。

    また、作者が児童文学作家ということで、子どもの内面に寄り添った描写の上手さを感じました。

    それは、「さんちゃんとバス」での、さんちゃんの引退間近のバスに対する優しさや、「ある山のかげで」の、マサちゃんの涙をこぼさんばかりの猫への愛情や、「草ぼうぼうの原っぱ」での、母親と共感できるクマちゃんのさり気ない気遣いなど、読んでいる私には丁寧な言葉遣いと相まって、嬉しい気持ちになりました。

    また、昔の一家団欒によくある、喜怒哀楽の分かりやすい人間関係の良さも、改めて認識させられ、「まずはたのしいお年こし」の、思いきり泣き笑いしてからの、さっぱりした終わり方や、「トンカツわんわん」での、おばあさんを嫌っていた二郎が、愛嬌のあるひと言で、たちまち好きに変わったりと、こういう爽やかさのある家族の話もまた、心が温かくなりますね。

    更には、児童文学というよりは大人が対象なのではと思う、「心臓に書かれた文字」と「東京駅のネズミ」は、また違った印象を残してくれました。

    前者は、女性同士の関係に男が絡む状況で、その感情の遣り取りに人間の良さも悪さも感じながらも、爽やかさを感じるところに凄さを感じ、後者は、男女の愛のかけがえのない大切さを逆に実感させられた、切ない物語です。

    全体的に、懐かしい温かさがすごく心地良くて、年齢を重ねた今だからこそ、手元に置いておきたくなりました。買います。

    • たださん
      111108さん

      コメントありがとうございます。うれしいです♪

      実は、111108さんのレビューで興味を惹かれて、登録している本、結構あ...
      111108さん

      コメントありがとうございます。うれしいです♪

      実は、111108さんのレビューで興味を惹かれて、登録している本、結構ありまして(・・;)

      ただ、時折、登録してから読むまでの期間が開きすぎて、忘れてしまうこともあるのですが・・・素敵な本に出会えて、感謝しております。

      私は、石井桃子さんのことは、初めて知ったのですが、田舎の人間関係の素朴な温かさと、都会的な上品さが同居するような、懐の深い方だなと思いました。他の作品も読んでみたいです(^-^)

      それから、装丁やサイズは本当に素敵ですよね♪ やりすぎ感のなさ、分かります。

      何気に見ると、各作品の絵柄なのかなとも思ったのですが・・・セミやネズミは、やはり切ないですね。
      2021/12/16
    • 111108さん
      お返事ありがとうございます♪

      私もたださんのレビューで読みたいと思った本はかなりあるのですが、〝読みたい〟に登録すると勝手に読まなきゃとプ...
      お返事ありがとうございます♪

      私もたださんのレビューで読みたいと思った本はかなりあるのですが、〝読みたい〟に登録すると勝手に読まなきゃとプレッシャー感じてしまうので(-.-;)心の中に⁈登録しております。
      2021/12/17
    • たださん
      ありがとうございます。

      私は思ったままを、大した語彙も使えずに書いているだけなのですが、心の中でもどこでも、読みたいと思ってくれることがう...
      ありがとうございます。

      私は思ったままを、大した語彙も使えずに書いているだけなのですが、心の中でもどこでも、読みたいと思ってくれることがうれしいです(^∇^)
      2021/12/18
  • 1950年代の農村や街の生き生きした様子が眼に浮かぶような話と、『心臓に書かれた文字』のように少女小説?という枠に収まりきらない粋な短編小説が収録されて、翻訳だけでない石井桃子さんの多才ぶりを感じた。

  • 石井桃子さんといえばノンちゃんでありプーさんであり、いずれにしても児童文学の強いイメージがある。
    しかしこの作品集、7割は健気な子供達を描いた児童文学なのだけど、最後の3編はnot児童文学な物憂いもので驚いた。
    特に最後の「東京駅のネズミ」は、短いが胸を鋭く刺してくる。
    優れた児童文学は人生の甘さだけでなく、苦さも知った人でないと書けないのだなと改めて思う。

  • 装丁が可愛かったので手に取った。東京駅のネズミや春のあらしなど、児童文学に収まらないハッとするほど細やかな情緒が描かれた作品もあって、すごく良かった。

  • ページは幼い頃大好きだった国語の教科書の匂い。
    石井桃子さんの名前とともに育ってきた世代にとって、創作集とは嬉しいです。
    ほっこりするようなどきっとするような短篇たち。
    阿川佐和子さんではなく、昔ながらの石井桃子さんの訳で『くまのプーさん』を読みたいと思います。

  • 絵本

  • 【収録作品】さんちゃんとバス/ある山のかげで/まずはたのしいお年こし/見えない、小さいお友だち/まり子ちゃんとおともだち/ようちゃんともぐら/草ぼうぼうの原っぱ/
    暑い日/セミとり/ガツねえちゃん/きのことり/においのカゴ/トンカツわんわん/秘密/ハツコマ山登山/春のあらし/心臓に書かれた文字/東京駅のネズミ

  • さんちゃんおバス?
    ある山のかげで
    まずはたのしいお年こし

    見えない、小さいお友だち まち子ちゃん ちい子ちゃん
    まり子ちゃんとおともだち
    ようちゃんともぐら

    草ぼうぼうの原っぱ
    暑い日
    セミとり
    ガツねえちゃん
    きのことり

    においカゴ
    トンカツわんわん
    秘密
    ハツコマ山登山

    春のあらし 順ちゃん
    心臓に書かれた文字 瑞子 聡 寿々子

    東京駅のネズミ

    石井桃子さんの世界はなつかしい世界。
    みんな誠実でていねいに生きている。
    ときにはつっぱしる。

  • 春のあらし、中学入試で出たらしい、よみたい。

  • 昭和の息吹きをヒシヒシと感じる短編集です。

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著者プロフィール

石井桃子 1907年、埼玉県に生まれた。1951年、『ノンちゃん雲に乗る』で文部大臣賞受賞。1953年、児童文学に貢献したことにより菊池寛賞受賞。童話に『三月ひなのつき』、絵本に『ちいさなねこ』『くいしんぼうのはなこさん』、翻訳に『ちいさなうさこちゃん』「ピーターラビットの絵本」シリーズ(以上、福音館書店)、『クマのプーさん』『児童文学論』(以上、岩波書店)など多数。2008年没。

「2022年 『きんいろのしか バングラデシュの昔話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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