- 本 ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309023915
感想・レビュー・書評
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真夏に読みたい冷たいスイーツに関するエッセイを集めたアンソロジー。アイスクリーム、かき氷、カルピス、水羊羹、ところてん、みつ豆……。「おいしい文藝」シリーズ
【目次】
浅田次郎 しろくま綺譚
南伸坊 正しい氷水
色川武大 氷を探して何百里
馳星周 マンゴープリンの放浪者
阿川佐和子 三口の快楽
江國香織 スイカシェイクとひろみちゃん
野中柊 アイスクリームソーダ
植草甚一 ヴィレッジのアイスクリーム
石井好子 パリのアイスクリーム
池波正太郎 クリーム・ソーダとアイス・コーヒー——銀座〔清月堂ライクス〕
吉村昭 アイスクリーム
獅子文六 涼しき味(抄)
鎌田慧 やさしいアイスクリーム
増田れい子 アイスクリーム
立川談志 チョコレートとパイナップル
久保田万太郎 アイスクリーム
丸谷才一 冬のアイスクリーム
戸川幸夫 アイスクリンの味
山本夏彦 氷水
阿古真理 「カルピスつくって!」
古川緑波 清涼飲料
檀一雄 アメ湯追憶——律義なソ連のアイスクリーム屋
松井今朝子 真夏の冷やし飴
遠藤周作 盛夏の麦茶
山本一力 おらんくの『店』
沢村貞子 目秤り手秤り
池部良 みつまめ——そこはかとなく年の違う妹のような思い。
吉行淳之介 蜜豆の食べ方
幸田文 くだもの
向田邦子 水羊羹
久世光彦 ところてん
出久根達郎 心太
安野モヨコ ところてん
伊藤比呂美 葛の恋
酒井順子 ゼリー
重松清 昭和のゼリー
朝吹真理子 木星に似た、あの
東海林さだお 「あずきバー」をアイス
内館牧子 アイスキャンデー
立原えりか アイスキャンデー売り
川上弘美 八月某日 晴
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目次だけでも 涼しくなる・・w ってか 今読むものじゃなかったし!!
だけど、どのお話もその方の冷たいお菓子へのこだわりがあって
とても楽しい。できたら真夏にどうぞw
他のシリーズも読みたくなりました。 -
各界著名人の「夏に食べたいひんやり甘味」の思いで色々。
無類のアイス好きの私としては、いろんな方のアイスの思い出が一番共感をもって読めた。
食べ物エッセイは、世代が如実に出るのも面白い。そういえばそんな味あったなぁとか、よく親がいってたなぁとか。
やはり「食」は共感を呼びやすいテーマだ。
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近頃珍しくもない、食べ物アンソロジーに過ぎないといえば過ぎないが、『ひんやりと、甘味』、じめじめじわじわじりじりと暑くなる今の季節、甘いもの好きの私にはぴったりの本だった。
本自体は二〇一五年出版。著者の中のいちばん若い人は朝吹真理子(一九八四年生まれ)、いちばん古い人は久保田万太郎(一八八九年生まれ)、という振れ幅の中での短文集で、「幼い頃、まだ日本が貧しかった時代に食べた、なんてことないアレが美味しかった」という系統の昔話が多かったような印象が残るが、海外ネタを入れてくる人もあれば、当世風で軽やかに決める人もいて、彩り豊かで楽しかった。全体の構成も、名前順とか年代順とかではなく、順々に読んでいったときの読み心地へのこだわりが感じられる。
思ったのは、俳句で言う「類想」というのか、内容だけ要約したらだいたい似たりよったりなことを語っている話が少なくないのだ。それなのに、作家(に限らず文筆家)というのは何でもないことを面白く、その人らしく書くから本当にすごいよなあ、ということ。
以下、全部は無理だけどお気に入りをいくつか、自分のための備忘メモ。
・江國香織『スイカシェイクとひろみちゃん』
昔いくつか恋愛小説を読んだきりだけど、なんだか懐かしい。
・池部良『みつまめ』
父と母とみつまめやにふりまわされる、少年時代の夏の日の思い出、落語みたいでおもしろい。
・向田邦子『水羊羹』
「水羊羹を四つ食った、なんて威張るのは馬鹿です。」
「水羊羹と羊羹の区別のつかない男の子には、水羊羹を食べさせてはいけません。」
・久世光彦『ところてん』
ところてんを「食べたことがない」という話でこの場に参戦したところが面白い(って久世光彦は参戦したつもりはないだろうが)。すぐ「女を知らない」みたいな話に喩えたがるところは好きではないが、でもそこも文章術だなあと思う。
・内館牧子『アイスキャンデー』
体が弱くて食べさせてもらえなかった系の話はたくさんあったが、やるせなさがとても伝わってきた。
・川上弘美『八月某日 晴』
このアンソロジーの大トリなのだが、短さ、なんでもなさ、八月の夜、すごくいい。川上弘美さんもいいけど、これで締めた編者のセンスがいい。
奥付によると編者は、杉田淳子、武藤正人(go passion)。 -
季節柄、今読んでも惹かれる内容ではなかった。
それでもやはり、みつまめはおいしそう。
塩豆と寒天。シンプルなこの組み合わせがたまらないよね。 -
アンソロジーは本当は苦手だ。まったく頭に入らず眠くなってしまう。
でも、こうも毎日暑いと、本にもひんやりさを求めてしまった。
「おいしい文藝」は他にもあるから読みたいとは思うけど・・・ -
酷暑にぴったりでした。
川上弘美さんの「おいしいガリガリ君を売る店」が気になりました…そんなお店があるんだ。。
冷たい甘味とひとまとめにしてあっても、氷水、アイスクリーム、蜜豆、心太、ゼリーなどと様々なお菓子がありました。
京都で一度だけ飲んだことがある「冷やし飴」はとても美味しかったです……冷たいものばかり飲んでて微妙に体調が悪いので冷やし飴飲みたいです。これぬくいので良かったです。九州には無い……
しろくまとマンゴープリンも面白かったです。おじさんのかわいさ。 -
アイスクリームとかかき氷の話ばかりでいつ他のスイーツが出てくるのかと思っていたら、半分読み終わったぐらいに、タイトルが「ひんやりと、 」なことに気づいた。もう半分は夏に読む。
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様々な作家さんの著作から氷菓にまつわるエッセイを抜き出し集めたアンソロジー。ポップな装丁とはウラハラに大御所の藤沢周平、吉行淳之介がいるかと思えば安野モヨコさんまで、大変贅沢な一冊でした。
お気に入りは久世光彦さんの、ところてん。
氷水、アイスクリン、アイスキャンデー、多分私の世代が本書に描かれている懐かしの氷菓をかろうじて経験している最後の世代なのではなかろうか。
一つ一つが短く、ゆったりした読み口なので、夏の夜のお休み前に少しずつ読むのにちょうどよかった。困ったことに、読んでいるとわざわざクーラーを切って夏の空気を部屋に呼び込みたくなる。
みつ豆が無性に食べたくなりました。 -
表紙のポップなカラーから、
現代作家さんの甘やかなエッセイかと思い
手に取ったけれど、
幅広い年代の、「おお、この方のも」と
ページを捲るのが楽しかった。
ひんやりとした美味しさに包まれる。
今度は夏に読み返したい。 -
読むと猛烈にアイスやところてんなどの冷たい甘味を食べたくなる一冊。色んな作家さんの冷たい甘味についての短いエッセイがまとめあげられていた。
遠藤周作から安野モヨコまでと描かれた年代も幅広い。
ただしくおいしい文藝だった。
著者プロフィール
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前に聞いた「おいしい文藝」シリーズですね(´▽`*)
この表紙、いいなぁ♡
おいしそうっ!!
こたつ...
前に聞いた「おいしい文藝」シリーズですね(´▽`*)
この表紙、いいなぁ♡
おいしそうっ!!
こたつで、冷たいスィーツもいいな♪
お部屋はガンガンあっためて(^-^;
まだまだシリーズは、あるので。本棚に並べるのも楽しそう。かなさんの図書館でも納品されるといいの...
まだまだシリーズは、あるので。本棚に並べるのも楽しそう。かなさんの図書館でも納品されるといいのにー。色んな作家さんの短いエッセイに触れるのもとても味わい深いです。全部短いのでとても読みやすいです。