伏木商店街の不思議

著者 :
  • 河出書房新社
3.42
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本棚登録 : 241
感想 : 54
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  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309023922

感想・レビュー・書評

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  • ミステリー、ファンタジー、ぞくっとするものありのショートショート31編。

    しみじみ、ほっこりで好きなお話をいくつか。
    #星見る頃 
    転校してしまう友達と見たプラネタリウム。
    離ればなれになっても、星はいつも空にある。
    同じ星を見れば、心は通う。
    きっと、また会えるよ。

    #パワーマンタン
    それを飲むと勇気百倍のヒーローになれるという薬を買いに来た少年と、薬局のおじさんの物語。
    私も幼い頃、ポパイのほうれん草が欲しくてたまらなかったっけ。
    いや、今でも欲しい…。

    #兎と江戸撫子
    あつらえた留袖の紋が違うと言い続ける病床の母。
    嫁ぐことで人生が大きく変わる女性の想いが伝わって切なかった。

    #写っている人
    「これと同じ写真を撮ってください。」
    それはセピア色に色あせた軍服姿の若い男性の写真だった。
    ちょっと「ドラえもん」っぽくて好き。

    #アドバイザー
    何をやっても長続きしない大学生が、叔父の八百屋さんを手伝っていたら、
    男の子がいきなり店先のキュウリを食べだした!
    誰かのなにげない一言が、自信につながることってある。

    #一冊のサイン本
    デビュー作の本を探しに来たという女性。
    書店主がサインを求めても、なぜか頑なに拒む。
    これはもう、本好きにはたまらない。

    #思い出のメンチボール
    子供のころに食べたメンチボールは、
    そのお肉屋さんの看板娘に抱いた淡い恋心の味。
    これが一番好き。むふふってなります。

    どこかにこんな商店街があったらいいのに…。
    昼はシャッター通りでも、夜になると秘密の扉が開いたりして。

    • koshoujiさん
      うさこ様。コメントありがとうございました。
      今、船の上です。またまた0泊3日のフェリーの旅で名古屋往復です。
      今回は往復8800円とさら...
      うさこ様。コメントありがとうございました。
      今、船の上です。またまた0泊3日のフェリーの旅で名古屋往復です。
      今回は往復8800円とさらに安い(笑)。
      教えて頂いたドキュメンタリーはしっかり予約録画してきました。
      さて、今回はどんな旅行になることやら。
      ブログに書いた5月の名古屋編は途中で止まっており、
      まだ仙台に戻って来てないんですけどね(笑)。
      2016/09/23
  • 商店街にある店や場所で起こる不思議な出来事の短編。ショートショートの中で本当に読みやすく。時にゾクッと、ホロっとドキッと、一つ一つの物語が面白い。パワーマンタン、憧れのひと、一冊のサイン本、など良かったもの多数。

  • ほかの方のレビュー読んでみて気になったので読みました。
    大正解!

    ちょっと不思議な商店街のお話、たくさん。31ものショートストーリーが大きな一つになります。

    ひとつひとつは短いので通勤にぴったりで、短いのにほんわかしたり、じんわり来たり、ぞくっとしたり。
    読んでよかった1冊です。

    伏木商店街(ふしき 商店街)とわりと最後の方までそう思いこんでいたので、余計に最後にああ!となりました。

  • 商店街のお店でのショートストーリーかな、なんて気軽なイメージだったのに"すこしふしぎ"が詰まっていた。
    始めでいきなりパンチ食らってちょっとなぁと思ったけど、ハートフルだったりヒェッ…としたり、気持ちが入り過ぎずでも秘密を共有するようなフワッとしたふしぎな気持ちになった。明らかに常識がぶっ飛ばされたものもあれば、無くはないかも…!と期待しちゃうようなものまで、"ふしぎ"の振り幅にわくわくした。

    だんだんチラチラ出てくるなぁと思ったものがなんとなくあれ…?と思わされてから最後の数話の急展開が急過ぎて俺は好き(笑)

  • とある町のとある商店街を中心にした短編集。魚屋や花屋、八百屋にクリーニング屋さまざまなお店があり、そこの少し不思議なお話だった。



    鯛のような魚の刺身をうまいといって好んで食べる夫。妻はそれほど美味くないと思っているが、夫が好むので買ってくる。その魚の秘密とは―

    オーダーメイドのスーツを汚してしまった男が、クリーニング屋にスーツを出すと店主が言う「このスーツは運気が悪い」と。運気を上げるため、仕上げを頼んだ男は―



    何というか、世にも奇妙な物語的なお話が多かった。ちょっとゾクッとするというか。だが、ひとつひとつの話が短いし、商店街という繋がりだけでサクサク読める。
    電車通勤なんてしたことないけど、電車通勤中に読むのにちょうどいい長さじゃないかな。


    商店街いいな。肉屋のお惣菜おいしそうだなとは思ったが、この商店街は少し怖いから行きたくないな…


    2017.2.12 読了

  • 伏木商店街に連なる31のお店のショートショート。不思議な話、怖い話、クスッとする話、ちょっといい話・・・いろいろな風味のお話があって、面白かった。

  • 伏木ってフシギか。不思議なお店がいっぱいで楽しい。イラストもかわいい。

  • どこかにある商店街の話。

    色々な店が入っているので、どれもこれもが
    短くて読みやすいです。
    ほんわかするのあり、バッドエンドのようなものあり
    不思議な終わり方あり、で最後も様々。
    どれが気にいったか、と聞かれると返答に困ります。
    どれもこれも、ありそうで不思議に面白かったので。

    とはいえ、クリーニング屋さんは気になります。
    人間をやるとは…どういう仕組みになっているのか。
    しみ出ているなら、その人の人生は
    一体どうなっているのか。
    そしてあの最後。
    一体全体、この商店街があった場所は
    なぜそんな命令が出てしまったのか…。
    謎です。

著者プロフィール

1959年名古屋市生まれ。名古屋工業大学電気工学科卒業。81年「星新一ショート・ショートコンテスト」で「帰郷」が優秀作に選ばれる。その後、会社勤めをしながら「ショートショートランド」「IN★POCKET」にショートショートを掲載。1990年、長編ミステリー『僕の殺人』を上梓してデビュー。2022年『麻倉玲一は信頼できない語り手』が徳間文庫大賞2022に選ばれる。

「2022年 『喪を明ける』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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