新カラマーゾフの兄弟 上(上・下2巻)

著者 :
  • 河出書房新社
3.38
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本棚登録 : 197
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (672ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309024226

感想・レビュー・書評

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  • たまたま設定日と同じ9月5日に読破。
    K教授は亀山さんのこと?ドストエフスキーのことも代弁しているのか?
    下巻に続く。

  • レビューは下巻にて

  • 西ヶ原の回想が懐かしい。東京外語OBには必読かも。亀山先生と原卓也先生とはこんな関係だったのかと思うと、改めて興味深い本である。

  • 本家を読んでないので、たぶん楽しさも半減してるのかもしれませんが、
    それでもぐいぐい読めました。
    登場人物ごとに、視点がかわって進んでいく構成も、飽きずに読めたし、続きが気になって、どうなるのかしらと。

    はじめの方は「Kの手記」とかよくわからないけど、だんだんとつながっていくところから、ぐっと入り込みました。

  • ドストエフスキーを齧った者なら、
    書店で並ぶ本書を見て、ある種の驚愕が走ったであろう。
    新カラマーゾフの兄弟。ここまで大胆なタイトル、著者はあの亀山郁夫。
    なるほど、ここまで大胆なのにも納得できる。

    カラマーゾフの兄弟と絡めながら読み解いていくも
    上巻だけで相当な量である。一筋縄ではいかない。
    現代の日本、とは言え時代は1995年。
    阪神大震災、そしてオウム事件と日本が震撼した年。
    時代設定にこの年代を選んだのも、なるほど納得である。
    旧ソ連の崩壊、そしてロシアの誕生。

    国家の滅亡と誕生を目の当たりにした黒木リョウは何を思う?
    まだまだ壮大な下巻へと続く途中、先を急ごう。

  • 『新カラマーゾフ』が新刊書の棚に並んでいるのを見て、正直鳥肌が立った。
    しかも、訳者である亀山郁夫さんの小説。(私が読んだのは原卓也版だから申し訳ないけど)
    それでも単なる焼き直しなら、先日『カラマーゾフの妹』を読んだことだし、しばらく待っていただろう。

    舞台は1995年の日本。
    阪神淡路大震災であり、地下鉄サリン事件のあった年をクローズアップして、カラマーゾフ家を送り込むなんて、凄すぎる展開じゃないか!
    と、ここで誘惑に負けて購入に至ったのだった。

    前巻だけで700ページ近い量に圧倒されながらも、一気に読めてしまった。
    なるほど。本家カラマーゾフのような国家的広さは持ち合わせてはいない。宗教的下地も、日本だとどうしても薄まる。だが、セクト(コミューン)の中で共同生活を送る人々と社会を繋ぐ三男リョウと、ロシアの結び付きが上手い。

    リョウの言う「グローバリズムへの恐怖」と、富の集中による世界の大審問官化。つまりは世界的システムによる、人間の支配。
    また次男イサムの、人間の不死化と世界の破滅。

    これら90年代以降の視点と、カラマーゾフの繋がりがとても魅力的なのは間違いない。
    『父殺し』云々が何を示唆しているかは、まだハッキリ読み取れていない自分の脳みそが悔しい。
    村上春樹『1Q84』とも重なる。壁と卵。

    あとは、新版グルーシェンカと考えられる瑠佳はもちろん魅力的なのだけど、グルーシェンカには及ばない。あまり重ねない方が「読み」としては良いのか。
    カラマーゾフの女たちも、なかなかしたたかで好きなのだけど。

    下巻に続く、が、なかなか道のりは険しい(笑)


    「社会主義のソ連こそが、大審問官の世界だったのじゃありませんか?」
    「もちろん、ですとも。スターリンが、まさに、その、象徴、でした。ところが、これからの世界は、システム、という、世界に仕える、無数の、大審問官が、支配する、のです」

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著者プロフィール

名古屋外国語大学 学長。ロシア文学・文化論。著書に『甦るフレーブニコフ』、『磔のロシア—スターリンと芸術家たち』(大佛次郎賞)、『ドストエフスキー 父殺しの文学』『熱狂とユーフォリア』『謎とき『悪霊』』『ショスタコーヴィチ 引き裂かれた栄光』ほか。翻訳では、ドストエフスキーの五大長編(『罪と罰』『白痴』『悪霊』『未成年』『カラマーゾフの兄弟』)ほか、プラトーノフ『土台穴』など。なお、2015年には自身初となる小説『新カラマーゾフの兄弟』を刊行した。

「2023年 『愛、もしくは別れの夜に』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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