消滅世界

著者 :
  • 河出書房新社
3.30
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本棚登録 : 1935
感想 : 245
  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309024325

感想・レビュー・書評

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  • 雑誌に紹介されていて気になっていました。
    初村田沙耶香さん。
    超好みの話のうえ、読みやすい。
    さくさく読めて一気読み。

    今この日本で起こっていることと地続きなのでは...
    と思わせる絶妙なSF感が素晴らしい。
    若者の草食化、絶食化やお友だち夫婦、二次元愛など、ニュースやなんやを見ていると
    「もしかしたら本当にこんな世界になるかも...」
    と思ってしまった。
    村田さんにしてやられたかも。

    文章はあっさりしているのに、深部に蠢くドロドロが凄そう。
    一気に村田さんファンになりました。

    • 5552さん
      LUNAさん、こんばんは。

      この作品は『殺人出産』と世界観が似ているというか地続きかなー?という感じの作品です。
      けっこうタブーに切...
      LUNAさん、こんばんは。

      この作品は『殺人出産』と世界観が似ているというか地続きかなー?という感じの作品です。
      けっこうタブーに切り込んでますよね(^-^)
      作者ご本人の‘クレイジー沙耶香’っぷりも面白かったです。昔『メレンゲのきもち』というバラエティにゲスト出演してたんですよ。
      一気にファンになりました。
      まだ三作品しか読んでないけどまた読みたいです♪

      コメントありがとうございました。
      2018/02/01
  • 最高に気持ちの悪い小説
    コンビニ人間もそうだったけど
    この人は現代にある問題をディフォルメして
    独特の世界観を作るのは見事だと思った。

    本当に気持ち悪いと思ってる俺は完全に
    この作者の術中にハマってるんだと思う

    でも、完全にありえない世界とは言い切れないところにまた怖さを感じてしまう…

  • 雨が降った日の読書はいいですね。
    随分前に新聞で書評を読んでから気になっていたのですが、非常におもしろかったです。
    常に変化し続ける世界は、「正常」と「狂気」の境目すら曖昧です。今の世界は変化の途中。そのスピードは年々速まっています。

    「恋愛」「結婚」「家族」「出産」、私たちが当たり前と思っていたものも、いつしか当たり前じゃなくなっていて。

    例えば、性交でなく、人工授精で子を成す。今や、珍しいことでなくなってきました。ニュースどころか、身近な友人もしていたりする。
    一歩進めば、むしろ人工授精がスタンダードになるかもしれない。あらかじめ障害因子なども取り除くことができれば、よりその傾向は高まるはず。いつでも一定の拒否感を抱く人はいるだろうけど。

    私の世代ですら、若い人を見ると随分違う、と思ってしまう。恋愛をしない人が増え、まして結婚なんてしなくても、と話す人も少なくない。
    人との繋がりは、自宅のリアルタイム配信で手軽に得られる。煩わしさがどんどん排除されている気がします。

    「結婚したいのか」「子どもはほしいのか」自問自答することが多い未婚の私には、考えさせられることも多かったです。
    まるで友達みたいな、兄弟みたいな、恋愛によらない夫婦の形もいいかもしれないですね。今の世界では外に恋人を作る(=不倫)が咎められますが、子どもができてしまうリスクが皆無であれば、心情としてまた違うのかもしれない。

    本書では子どもに焦点が当てられていましたが、少子高齢化が進む中、高齢者(年老いた親)だって「自宅で家族が面倒をみる」という形は風化しつつあります。社会全体で支えていくのが、一般的。
    同じように、生産人口も減り共働きが基本となれば、子どもを預けるのは当たり前に。
    便利な世界では、どうしても煩わしさへの耐性が減るからこそ、それに合わせて世界も変わらざるをえないんでしょうね。

    非現実的だと一笑するのは簡単ですが、私にとっては、今の世界と地続きな部分が多くて考えさせられる1冊でした。

  • 読後、夜中に夢を見たし、朝起きてめまいがした。
    出生と自我の消滅に伴う私小説たっちの本は怖い。どう言う怖さかというと、我思う故に我あり、我思わなければ我なし。凪いだ目で彼岸を越えたくなるからだ。

  • 「一番恐ろしい発狂は、正常」、『コンビニ人間』に引き継がれるメッセージを孕んでいた。
    生理的嫌悪を起こす描写が多いのもわざとだろう。初めて生命の誕生の仕組みを知ったときに「エグい」と感じた、その感覚を呼び起こす。
    愛と性欲と家族と他人、お仕着せの概念を一度崩してみたくなった。

  • 村田氏の著作は例外無く気持ち悪く不快だ。然しこれこそ安きもの楽なものに何の抵抗もなく、まさに「正常化」に順応してしまうヒトというものへの挑戦だと思える。
    「お母さんは、きっとどこの世界でも違和感がある10%くらいの人間なのね。私は、どこでも違和感のない人間なんだと思うわ」私もこの母のような精神で生きて行きたいと思う。

  • 村田沙耶香さんの作品、初読みです。世界大戦を機に、人工受精での出産が日常的となり、夫婦間での性交渉は近親相姦とみなされ、恋人同士での性交渉でさえ嫌悪感を抱く人々が増える‥そんな世の中で家族によらない出産、子育てシステムが構築される‥。
    なんだか、考えられないような世界だけど、でも有り得る世界‥でも、私はこれ、あったら怖いなぁ〜って感じました!独特な世界観で一気読みしちゃいました。

  •  山形小説家講座で村田さんがゲスト講師でいらした時に買ってサインしていただいた。別の常識で生活している感じがとてもリアルなSFだった。子どもが全くかわいく描かれておらず、むしろ不気味なもののようで残念な気持ちになる。不妊治療が失敗続きでつらいのだけど、そもそも主人公があんまり子どもを欲しがっている感じもしない。男が子どもを産めるのはうらやましい。

  • 社会は形式をもたないと維持できない。「家族」も「夫婦」制度も洗脳の一つなのだろう。
    発狂の世界は正常な世界。

  • 読む人の理性を破壊します。さすが村田沙也加さん!
    セックスのない世界とは、こんな可能性もあったのか!
    自分が信じてきたものは、自分が正しいと思っていたものは、大間違いなのかもしれないということを、薄ら寒い世界観の描写で、これでもかというぐらい目の前に突き付けられます。
    千葉は実験都市なのですね。設定は良い所突いていて笑えます。
    また、HASEOの表紙の写真がこの本のテーマにピッタリ。どんな人でもHASEOが撮ると美人になるのだが、ちょっと怖い感じでもったいないなと思っていましたが、本当は美人の奥様がモデルとか。

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著者プロフィール

1979年千葉県生まれ。著書に『ギンイロノウタ』(野間文芸新人賞)、『しろいろの街の、その骨の体温の』(三島賞)、『コンビニ人間』(芥川賞)、『消滅世界』『地球星人』『丸の内魔法少女ミラクリーナ』など

「2022年 『生命式』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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