消滅世界

著者 :
  • 河出書房新社
3.26
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本棚登録 : 1590
レビュー : 211
  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309024325

感想・レビュー・書評

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  • 雑誌に紹介されていて気になっていました。
    初村田沙耶香さん。
    超好みの話のうえ、読みやすい。
    さくさく読めて一気読み。

    今この日本で起こっていることと地続きなのでは...
    と思わせる絶妙なSF感が素晴らしい。
    若者の草食化、絶食化やお友だち夫婦、二次元愛など、ニュースやなんやを見ていると
    「もしかしたら本当にこんな世界になるかも...」
    と思ってしまった。
    村田さんにしてやられたかも。

    文章はあっさりしているのに、深部に蠢くドロドロが凄そう。
    一気に村田さんファンになりました。

    • 5552さん
      LUNAさん、こんばんは。

      この作品は『殺人出産』と世界観が似ているというか地続きかなー?という感じの作品です。
      けっこうタブーに切...
      LUNAさん、こんばんは。

      この作品は『殺人出産』と世界観が似ているというか地続きかなー?という感じの作品です。
      けっこうタブーに切り込んでますよね(^-^)
      作者ご本人の‘クレイジー沙耶香’っぷりも面白かったです。昔『メレンゲのきもち』というバラエティにゲスト出演してたんですよ。
      一気にファンになりました。
      まだ三作品しか読んでないけどまた読みたいです♪

      コメントありがとうございました。
      2018/02/01
  • タイトルがすごい。少しずつ消滅して世界の壁が薄くなって何かが消えていってしまうような…。

    「大切なものは、他人に見せると簡単に踏みにじられる。」これはすごくよくわかる。

    帯の中村文則のコメントのある部分に共感した。『殺人出産』の衝撃が凄すぎて『消滅世界』は薄い膜が張った密室世界に閉じ込められたみたいで、もやもやしてひたすら気持ちが悪かった…。もしかしたら私が閉じ込められてしまったのかもしれない。それが目的だとしたらすごいのかも。性やセックスがテーマの一つなのだけど、それよりも深い深い見えない部分(根幹)で母娘問題がうずいている。それがバーンと出てくるところがすごいと思った。

    『殺人出産』の延長上でもないけど実験都市が出てきて、少し『トリプル』っぽい感じもあって、『殺人出産』よりも進んだ未来なのかもしれないと想像しながら読んだ。

    読んでいると何か狂ってしまうようで…。(二)が、とにかく気味が悪い。うまく言い表せないけど歪んでいる。何が正しくて何が間違っているのか価値観がマヒしてしまう。

    ページが多いわけじゃないけど読むのが進まなくて短編の方が好きだな~と感じた。

  • 雨が降った日の読書はいいですね。
    随分前に新聞で書評を読んでから気になっていたのですが、非常におもしろかったです。
    常に変化し続ける世界は、「正常」と「狂気」の境目すら曖昧です。今の世界は変化の途中。そのスピードは年々速まっています。

    「恋愛」「結婚」「家族」「出産」、私たちが当たり前と思っていたものも、いつしか当たり前じゃなくなっていて。

    例えば、性交でなく、人工授精で子を成す。今や、珍しいことでなくなってきました。ニュースどころか、身近な友人もしていたりする。
    一歩進めば、むしろ人工授精がスタンダードになるかもしれない。あらかじめ障害因子なども取り除くことができれば、よりその傾向は高まるはず。いつでも一定の拒否感を抱く人はいるだろうけど。

    私の世代ですら、若い人を見ると随分違う、と思ってしまう。恋愛をしない人が増え、まして結婚なんてしなくても、と話す人も少なくない。
    人との繋がりは、自宅のリアルタイム配信で手軽に得られる。煩わしさがどんどん排除されている気がします。

    「結婚したいのか」「子どもはほしいのか」自問自答することが多い未婚の私には、考えさせられることも多かったです。
    まるで友達みたいな、兄弟みたいな、恋愛によらない夫婦の形もいいかもしれないですね。今の世界では外に恋人を作る(=不倫)が咎められますが、子どもができてしまうリスクが皆無であれば、心情としてまた違うのかもしれない。

    本書では子どもに焦点が当てられていましたが、少子高齢化が進む中、高齢者(年老いた親)だって「自宅で家族が面倒をみる」という形は風化しつつあります。社会全体で支えていくのが、一般的。
    同じように、生産人口も減り共働きが基本となれば、子どもを預けるのは当たり前に。
    便利な世界では、どうしても煩わしさへの耐性が減るからこそ、それに合わせて世界も変わらざるをえないんでしょうね。

    非現実的だと一笑するのは簡単ですが、私にとっては、今の世界と地続きな部分が多くて考えさせられる1冊でした。

  • 「一番恐ろしい発狂は、正常」、『コンビニ人間』に引き継がれるメッセージを孕んでいた。
    生理的嫌悪を起こす描写が多いのもわざとだろう。初めて生命の誕生の仕組みを知ったときに「エグい」と感じた、その感覚を呼び起こす。
    愛と性欲と家族と他人、お仕着せの概念を一度崩してみたくなった。

  • 最高に気持ちの悪い小説
    コンビニ人間もそうだったけど
    この人は現代にある問題をディフォルメして
    独特の世界観を作るのは見事だと思った。

    本当に気持ち悪いと思ってる俺は完全に
    この作者の術中にハマってるんだと思う

    でも、完全にありえない世界とは言い切れないところにまた怖さを感じてしまう…

  •  山形小説家講座で村田さんがゲスト講師でいらした時に買ってサインしていただいた。別の常識で生活している感じがとてもリアルなSFだった。子どもが全くかわいく描かれておらず、むしろ不気味なもののようで残念な気持ちになる。不妊治療が失敗続きでつらいのだけど、そもそも主人公があんまり子どもを欲しがっている感じもしない。男が子どもを産めるのはうらやましい。

  • 社会は形式をもたないと維持できない。「家族」も「夫婦」制度も洗脳の一つなのだろう。
    発狂の世界は正常な世界。

  • 村田氏の著作は例外無く気持ち悪く不快だ。然しこれこそ安きもの楽なものに何の抵抗もなく、まさに「正常化」に順応してしまうヒトというものへの挑戦だと思える。
    「お母さんは、きっとどこの世界でも違和感がある10%くらいの人間なのね。私は、どこでも違和感のない人間なんだと思うわ」私もこの母のような精神で生きて行きたいと思う。

  • 読む人の理性を破壊します。さすが村田沙也加さん!
    セックスのない世界とは、こんな可能性もあったのか!
    自分が信じてきたものは、自分が正しいと思っていたものは、大間違いなのかもしれないということを、薄ら寒い世界観の描写で、これでもかというぐらい目の前に突き付けられます。
    千葉は実験都市なのですね。設定は良い所突いていて笑えます。
    また、HASEOの表紙の写真がこの本のテーマにピッタリ。どんな人でもHASEOが撮ると美人になるのだが、ちょっと怖い感じでもったいないなと思っていましたが、本当は美人の奥様がモデルとか。

  • 村田沙耶香を読むのはこれで二冊目。一冊目は言わずとしれた「コンビニ人間」

    さて、消滅世界のあらすじはいたってシンプル。

    「セックスではなく人工授精で、子供を生むことが定着した世界」

    夫婦間のセックスはおろか恋愛感情すらない。 恋愛は別の人と行うもので、夫婦はお互いの恋愛を報告し合ったり、応援したりさえする。 そんな世界。

    このテーマだけ聞くと、不可思議ではあるけど、思いつきやすそうなテーマではある。 けれど、村田沙耶香の筆力が読ませる。

    まず、無駄が少ない。 無駄な風景描写や、余計な心理描写が少なくて良い。その結果、本書は300ページに満たない文量となっている。 スラスラ読めて、しかし考えさせられるのは「コンビニ人間」から変わらず。

    (続きは書評ブログでどうぞ)

    https://www.everyday-book-reviews.com/entry/2019/08/18/%E3%80%90%E6%AD%A3%E5%B8%B8%E3%81%AF%E7%99%BA%E7%8B%82%E3%80%91%E6%B6%88%E6%BB%85%E4%B8%96%E7%95%8C_-_%E6%9D%91%E7%94%B0%E6%B2%99%E8%80%B6%E9%A6%99

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著者プロフィール

1979年千葉県生まれ。玉川大学文学部芸術文化学科卒。2003年「授乳」で群像新人文学賞(小説部門・優秀作)受賞。09年『ギンイロノウタ』で野間文芸新人賞、13年『しろいろの街の、その骨の体温の』で三島由紀夫賞、16年「コンビニ人間」で芥川龍之介賞受賞。その他の小説に『マウス』『星が吸う水』『ハコブネ』『タダイマトビラ』『殺人出産』『消滅世界』『地球星人』、エッセイに『となりの脳世界』『私が食べた本』などがある。

「2020年 『丸の内魔法少女ミラクリーナ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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