子どもに歯ごたえのある本を

著者 :
  • 河出書房新社
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309024356

感想・レビュー・書評

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  • 大人が、ハッキリ認識しなきゃ駄目なんだわ。。。

    河出書房新社
    http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309024356/

  • 対談や講演を集めたものなので、内容に多少の重複はあるが、日本の児童文学の歴史を作ってきたとも言える石井桃子さんの児童文学観や人間観に、小難しくない平易な文章で触れられる良書。

  • 著者の「子どもの本」に対する考え方が分かる本。

    特に、本のタイトルにもなった「子どもに歯ごたえのある本を」などが含まれる章の随筆群は、私自身、とても考えさせられた。
    なぜ子どもが、昔話→神話→創作物へと読み進めるのかについて、ご自身の文庫活動や、子どもの内面的な発達に即して説明されており、著者のすごさを再確認した。
    今まで私の中では疑問だった、日本の子どもも、外国の本で外国の子どもと同じように反応する理由や、外国の本を与えて良い理由について、その答えを知ることができた。

  • 石井桃子のことがよくわかりました。大江健三郎も「オーリー」好きなんだ!

  • できれば、書かれた年順にまとめてもらいたい。せめて、文の初めに書かれた年月日、どういう経緯の文章か、対談については対談相手の簡単な略歴ぐらいは入れてもらいたかった。石井桃子さんの児童書に対する思いや、草分け的存在であることはよくわかった。

  • 石井桃子氏の歴史、子供の読書との関係、対談集の構成

    特に、大江健三郎との対談は読みごたえがあった。
    当時の海外の図書館の事情など日本と比較できたから、児童文学の精神を上手く表現できたのではないかと思う。

    本を読むこと=想像力を豊かにするという単純な図式ではなく、どのような働きがあって子供の感性を刺激するのか。
    本の構成や内容、物語の進め方など丹念に説いている。

    テレビでは代用できない
    テレビー目と耳からの情報「全てが情報化」
    絵本ー目と頭からの情報「全てが情報化されていない、余白が想像力を促す」

  • p47
    たとえば「トオリヌケ・キンジロウ」っていうコブタのおじいさんの名前(笑)、あれはいかにもおじいさんの名前らしくて、しかも原文の遊び心を伝えていて、ほんとうに名訳だと思うんです。
    p93
    音と映像のイメージ文化だけでは、けっして豊富な抽象観念は生まれてこない。そして、抽象的なことを考える能力なしに、近代生活は、乗り切れないと思うのです。
    p143
    私自身の個人的な人間観としては、夢のような話をあまりにも抵抗なく受け入れる子どものことは心配なんです。
    童話作家で、まったくめちゃくちゃに夢みたいなことを書いて、それを想像力の豊かさだと信じるような作家は、私にはあまり尊敬できないのです。

  • 石井桃子さんが残した講演録・対談などをまとめたもの。一つ一つに石井さんの生き方が表れています。

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著者プロフィール

1907年埼玉県生まれ。1951年に『ノンちゃん雲に乗る』で文部大臣賞受賞。1953年児童文学に貢献したことにより菊池寛賞受賞。童話に『三月ひなのつき』『山のトムさん』、絵本に『くいしんぼうのはなこさん』『ありこのおつかい』(以上福音館書店)、翻訳に『クマのプーさん』『たのしい川べ』『ちいさいおうち』(以上岩波書店)、『うさこちゃん』シリーズ、『ピーターラビット』シリーズ(以上福音館書店)など多数。

「2022年 『はたらきもののじょせつしゃ けいてぃー KATY AND THE BIG SNOW』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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