- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309024493
感想・レビュー・書評
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人生で出会ったすべての作品の中で、一番愛しくて何もかも忘れられない、私のつっかえ棒。
2016年冬、この作品に出会えて、今日まで東京で生きてこれた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
もう何度読んだか分からない。
他の坂元裕二作品ももちろん好きだけれど、これは特別。この作品があるから生きていられる。生きようと思える。
こんなに愛おしくて苦しくて眩しい群像劇が他にあるだろうか。
苦しいことってきっとなくならないけど、それが希望を捨てる理由にはならない。
音と、練と、朝陽と、木穂子と、晴太と、小夏と、これからも一緒に生きていく。 -
自己責任という言葉の多さ。
弱い人が上から責任や負債を押し付けられ、またその下の人にぶつける。余裕のない人達が、そんな歪みを自分と関係ないものだと思いこむための言葉としての自己責任。その連鎖が田舎と都会、派遣会社、介護施設といった装置を使って描かれていく。
7話79p小夏の「大丈夫な人は大丈夫って言わない」はそれでも、生きてゆくで洋貴(瑛太)が響子(大竹しのぶ)を指して言っていた言葉
7話終盤、錬(高良健吾)の祖父(田中泯)が残したレシートを読み上げる音(有村架純)。アンパンや畑仕事の道具や種など、淡々と読み上げていくだけでありありと祖父の行きていた姿が再現されていく。こういう細部だけで、物語を積み上げられる坂元作品の凄さがよく出ているシーン。