アカガミ

著者 :
  • 河出書房新社
3.20
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感想 : 139
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309024608

感想・レビュー・書評

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  • 結末を忘れてしまったため再読です。
    今の日本をみると全否定できない未来。
    もしも…の想像で読む分にはいいかなと。
    真面目に読むとちょっと気が滅入るかも。
    答え合わせがないので読んだ方がどう捉えたか気になります。

  • 2030年の日本、若者達は生や性に対する興味を完全に無くしていた。
    体だけは大人へと変化しているにも関わらず、恋愛感情を理解できない、という。
    そんな若者達や日本の将来を憂い、国が作り出した制度「アカガミ」。
    志願者をマッチングして一緒に住まわせ子供を産ませる、というもの。

    読んでいると怖くなる。
    何が怖いって、もしかしたらこんな制度を現代の日本の政府が近い将来、作り出す可能性を否定できないところ。
    時代設定もそんなに遠くはない未来の日本。
    未婚の若者が増加し出生率も低下している現状を見ると、こんな未来も侮れない。
    超合理的な結婚システム。
    けれど結婚制度を合理的にはできても、人の気持ちは合理的に操作できない。

    「アカガミ」で知り合えた二人の行く末がとても気になる。
    本物の家族となり自分達の力で真の幸せを掴み取ってほしい。

    戦時中、赤紙を受け取った若者達はお国のために戦場で敵と戦わされた。
    近未来の日本における「アカガミ」もまた少子高齢化に歯止めをかけるため、お国のために産めよ増やせよ、と若者達から自由を奪おうというのか。
    いつの世も犠牲になるのは発言力のない年若き者達…皮肉なものだ。

    「あなたのことを誰かが好きになれば、少なくとも、その誰かはあなたの顔を忘れないわ。万一、あなたが恋をして結婚して、子どもを産めば、その子どもは母親の顔を忘れないわ」
    結婚とは家族をつくるとは、本来そういうものと信じたい。

  • これも近未来。
    窪さんだからやっぱり生と性。
    設定は悪くないけどタイトルがそもそもダメ。
    「アカガミ」なんて聞いたら不穏でしょ、普通。
    あと数十年経てばみんな聞いたこともない?
    いやいやそんな馬鹿じゃないでしょう〜
    「アカガミ」来たら逃げるよね(笑)
    明るい未来なんてあるはずがない。

    近未来もので幸せになれた試しがない。
    なんてSF読まないからよく分からないけど。

    前作に続き迷走してますね。
    私が求める窪作品はこんなんじゃない、と勝手です、はい。

  • 少子高齢化、若者の交流の機会減少、孤立、メンタルヘルス等、現代社会の問題と、それに対する未来の政府による対策が描かれている。
    一見、あり得そうな展開ではあるが、日本は民主主義国家であり、また、福祉国家であるということを考えると、やや現実味に欠ける。
    あと、ずっとミツキの視点で描き続けられているかと思ったら最後サツキ視点が入って来て、誤字かと思った。

  • 若者の自殺が相次ぐ近未来を描く。自殺する若者が増える一方で、恋愛や結婚を経験したことがない20代も増えていく。そんな日本の未来を心配した政府は「アカガミ」と言う制度を作り、志望した若者を「番い」にし、子供を産ませると言う手段に出るが・・・「アカガミ」の制度で強制的に「番い」になったミツキの心の変化が細かく描かれており、ラストもハッピーエンドかと思いきや、こんな終わり方をするなんて・・・でも、他人が敷いたレールの上ではなく、ミツキとサツキが切り開いた人生を歩んで行って欲しいと、最後にはエールを送りたくなった。

  • サツキが言った「絶滅危惧種として保護されている」という言葉から、パンダを動物園で飼育して、繁殖させていることを想像してしまった。
    ラストは、「塞翁が馬」を思わせる展開に…。

    アカガミっていうタイトルそのものが、ネタバレだよね。
    窪美澄さんの本は、素敵なタイトルが多いんだけどな。

    読みながら、ミステリ要素が強めなのかと期待していたのだけど、想定内の話だったのが、少し残念。



  • 「こんな少子化の歯止め方はイヤだ」
    の大喜利に真面目な人が回答したような話の設定。


    少子化待ったなしの日本であるから
    「もしもこのまま少子化が進んだら?」
    という社会問題要素があるところにストーリー設定の質の高さを感じました。


    子孫繁栄は愛の先にあるのが本質であって
    少子化の歯止めを効かせるために無理やり恋愛や妊娠を強要するのは気味が悪いですね。。




  • 夏は暑いねw

    ってな事で、窪美澄の『アカガミ』

    よるのふくらみを読んで衝撃を受けてこれ借りて読んだけど、期待してたより違った雰囲気と内容w

    近未来の人間の生態が覆ってる様な内容。

    果たしてこれからの若い子達はこんなに成るのか……。 ⁡
    ⁡⁡
    ⁡本能を打ち消す社会性と人間関係がほんとに起こるのかを警告している様な……

    じゃがこんな世の中には成らんじゃろな。

    只、結婚、家庭への定義と言うのが薄れていくんじゃないかなと思う今日この頃。

    国、政治が関与する家族は有り得ない事であって国家族、政家族、管理家族、統制家族……なんて表現したら難しいが北朝鮮より恐ろしい国家に成るじゃろなw

    2017年29目

  • 発想の妙!!
    なんと言うお話しか
    それにしても、問題はこれからの二人
    続編は??

  • いつかこういう未来が訪れそう。
    幸せ物語かと思ったのに、最後はもはやホラー。
    確かに、天国ととるのか、地獄ととるのか。
    面白かった。

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著者プロフィール

1965年東京生まれ。2009年『ミクマリ』で、「女による女のためのR-18文学賞大賞」を受賞。11年、受賞作を収録した『ふがいない僕は空を見た』が、「本の雑誌が選ぶ2010年度ベスト10」第1位、「本屋大賞」第2位に選ばれる。12年『晴天の迷いクジラ』で「山田風太郎賞」を受賞。19年『トリニティ』で「織田作之助賞」、22年『夜に星を放つ』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『アニバーサリー』『よるのふくらみ』『水やりはいつも深夜だけど』『やめるときも、すこやかなるときも』『じっと手を見る』『夜空に浮かぶ欠けた月たち』『私は女になりたい』『ははのれんあい』『朔が満ちる』等がある。

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