サラダ記念日

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 393
感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309024882

感想・レビュー・書評

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  • ずっと探していた一冊、図書館にてお借りすることが出来ました♪

    ‘’「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日”以外に、こんな歌が綴ってありました。

    寄せ返す波のしぐさの優しさにいつ言われてもいいさようなら (八月の朝)

    思い出の一つのようでそのままにしておく麦わら帽子のへこみ (八月の朝)

    親は子を育ててきたと言うけれど勝手に赤い畑のトマト(橋本高校)

    今日までに私がついた嘘なんてどうでもいいよというような海(夏の船)


    <サラダ記念日>
    日本の現代歌人である俵万智さんの代表作であり、彼女の第一歌集のタイトルでもあります。この短歌は、「この味がいいね」と言われた日を記念日とするという内容で、多くの人々に親しまれています。実際には、この歌に登場する料理は「サラダ」ではなく「唐揚げのカレー味」であり、日付も「七月六日」ではなかったというエピソードがありますが、歌としての表現を考慮して「サラダ」と「七月六日」が選ばれました。

    また、この歌集は1987年に出版され、歌集としては異例の280万部の大ベストセラーとなりました。俵万智さんは、現代歌人協会賞、紫式部文学賞、若山牧水賞など数々の賞を受賞しており、現代日本を代表する歌人の一人とされています。サラダ記念日は、そのような背景を持つ短歌で、日常の小さな出来事を大切にする心情が込められていると言えるでしょう。



    「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日――“与謝野晶子以来の天才歌人”による、空前絶後のベストセラー歌集。

    著者について

    1962年大阪府生まれ。87年『サラダ記念日』を刊行、空前のブームを起こす。他の歌集に『かぜのてのひら』『チョコレート革命』『プーさんの鼻』『オレがマリオ』など。他の著作に『愛する源氏物語』など。

    • ヒボさん
      おともはラテ*さん、こんにちは♪
      コメントありがとうございます。

      カレー味の唐揚げで日付も7月6日ではなかったそうですね。

      でも、7月6...
      おともはラテ*さん、こんにちは♪
      コメントありがとうございます。

      カレー味の唐揚げで日付も7月6日ではなかったそうですね。

      でも、7月6日はサラダ記念日です♪
      2024/04/15
    • おともはラテ*さん
      ヒボさん、こんばんは。
      カレー…の件は感想にお書きになってましたね。見落としてしまってたようでごめんなさいm(_ _)m。失礼いたしました。...
      ヒボさん、こんばんは。
      カレー…の件は感想にお書きになってましたね。見落としてしまってたようでごめんなさいm(_ _)m。失礼いたしました。
      2024/04/15
    • ヒボさん
      おともはラテさん*、こんばんは♪

      知らないこと沢山あるので、これからもいろいろ教えてくださいね(*´▽`*)♪
      おともはラテさん*、こんばんは♪

      知らないこと沢山あるので、これからもいろいろ教えてくださいね(*´▽`*)♪
      2024/04/15
  • 俵さんの短歌は、どこか艶っぽい。そして、「そうそう」と想像してしまうのだ。
    この短歌を詠む人は、どんな女性なのだろう。
    この言葉の選択は、どんな経験から来ているのだろう。
    そして、どんどん好きになる。

    言葉の美しい人に、私は虜になってしまうのだ。

    愛ひとつ受けとめられず茹ですぎのカリフラワーをぐずぐずと噛む
    万智ちゃんがほしいと言われ心だけついていきたい花いちもんめ

    愛された記憶はどこか透明でいつでも一人いつだって一人

    • 大野弘紀さん
      美しい景色が 目にとって豊かであるように
      美しい言葉は 心にとって豊かなものですね
      美しい景色が 目にとって豊かであるように
      美しい言葉は 心にとって豊かなものですね
      2019/12/13
    • hkmookさん
      >大野さん
      そうですね。ほんとにそう思います。
      >大野さん
      そうですね。ほんとにそう思います。
      2019/12/16
  • 「それならば五年待とうと君でない男に言わせている喫茶店」

    青春が詰まっています。
    大学生くらいのみずみずしい感性の素晴らしさが詰まっています。どれほど時が経って読み返しても、一瞬でこの多感な時期に戻れるのでしょうね。

    恋人、友人、家族とのなにげないささやかな日々の感情が愛おしい。そういう愛おしさにいちいち立ち止まっていた、輝かしい日々の跡。

    名作。河出書房。

    • 大野弘紀さん
      その輝かしい日々を、サラダ記念日と名付けてしまう、そのセンスに、脱帽。
      その輝かしい日々を、サラダ記念日と名付けてしまう、そのセンスに、脱帽。
      2019/10/08
  • 買い物袋のような一日を幸せで一杯にしたい
    時間を食むように 幸せを飲むように
    待つ間に 幸せを見つけたい

    落ちていく夕日に 過ぎゆく幸せが
    アルコール度数

    すべてお金に変換できる愛情

    一輪の薔薇も 買ってくれた鞄も
    プレゼントの指輪も

    どうか私にお金では代えられない愛をください

    隣にあなたがいるということ
    会話をするのは確かめるため
    帰ってきて 胸に沁みこんで
    初めて知る あなたは温かいひと

    あいまいなまま続いてしまう関係に
    終わりが見えないことに不安になる
    終わらせるのはあなたか私か
    いつまでも決められない

    ついていきたいと思わず駆け出しそうな恋と
    ついていくだけの未来を魅せてくれるのか醒めた瞬間
    男と一緒に未来を捨てる

    どうせ離別するのがわかっているのに同じ景色を共有してどうするの
    あなたのいない未来に残した思い出写真と重なる

    あなたのために
    抱きしめた愛情のゆくえにある
    帰ってくる場所

    そんな約束してしまえるほど私はあなたに近づいてはいない
    あなたに抱きすくめられて散るはなのような未来を思って春が悲しい

    愛を魅せてほしい
    でもそれ以上に愛ではないもので私はあなたを信頼する

    思い出が形になったら
    残しておけるのに
    ――あるいは 無くしてしまえるのに

    言葉にすれば届くとでも思ったの?
    だって月にさえ触れられないじゃない

    旅先で心と重ね合わせる風景
    私の心とはまるで関係のない場所で
    あなたを思い わたしに思いを馳せる

    日常のことあるごとにあなたのことを思い出す
    あなたが日常で染まっていく

    自分の心を硝子のように砕いて海にまいて光を吸って息をしたい
    あなたを体と心のすべてで感じられるように

  • 小さいときにベストセラーとして知っていたこの本。サラダ記念日の俳句しか知らなかったが。大人になって初めて手にとって読んでみると。素直に「あ。わかるこれ」といった句があり、佐々木さんの後書きのようにさっぱりとした失恋の句等は成る程確かにと思えた。湿っぽくなくて良い。
    今読んでもとても良いです。
    初めて俳句を良いと思ったかもしれない。
    また読み直してこの俳句を味わいたいと思う。

  • たくさん恋愛した人なんだなあと単純に思ってしまった。出てくる固有名詞はこれらの歌が読まれた時代のアンカーになっているが、これら歌には今の時代でも共感できた。

  • 手紙には愛あふれたりその愛は消印の日のそのときの愛

    書き終えて切手を貼ればたちまちに返事を待って時流れ出す

    私は小さい頃から手紙が好きで、今でもたまに書きます。
    なので手紙の歌には敏感に反応してしまいます。

    この2首には、手紙のやりとりの中で生まれる「時」が詠まれていて、確かにそうだなと感じました。

    他にも素敵な歌が満載でした。

  • みずみずしい。

  • 7月6日はサラダ記念日
    手にした時懐かしく、しかし中身は今だからわかるものが多々。
    時々読みたくなる一冊。

  • 若さが躍動する相聞歌。歌集を初めて通しで読む。物語になっていることに驚き。ブームとはいえ共有できた時代が何となくうらやましい。今なら他者と何を共有する。
    るきさんっぽいけどるきさんではない。時代はそのくらいか。
    恋をしていると何もかもが詩になるのかな。色が鮮やかになるのかな。

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著者プロフィール

1987年の第1歌集《サラダ記念日》はベストセラー。歌集に《かぜのてのひら》《チョコレート革命》《プーさんの鼻》《オレがマリオ》《未来のサイズ》《アボカドの種》、評伝《牧水の恋》、エッセイ《青の国、うたの国》など。2022年、短歌の裾野を広げた功績から朝日賞を受賞。読売歌壇選者のほか、宮崎で毎年開催される高校生の「牧水・短歌甲子園」審査員もつとめる。

「2023年 『旅の人、島の人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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