スペース金融道

著者 :
  • 河出書房新社
3.69
  • (14)
  • (46)
  • (28)
  • (6)
  • (1)
本棚登録 : 244
レビュー : 43
  • Amazon.co.jp ・本 (289ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309024936

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 「スペース金融道」「スペース地獄篇」「スペース蜃気楼」「スペース珊瑚礁」「スペース決算期」の5編。略して勝手に『スペ金』と呼んでいる。仮想通貨よりも、もっとすごい物語(笑)

    返済可能ならアンドロイドだろうと人工生物だろうが、バクテリアでも融資しちゃう。新星金融のスーパーエリート取立て屋のユーセフ、と、その部下の僕。あだ名はケイジ坊や(またはザック・実はかなり優秀な人物)が、宇宙だろうと地の果てだろうと追いかけるコミカルなSFコメディ。キャラがいいのでぜひ続編を。

    …なんだけど金融工学、経済学。アンドロイドも登場するので壮大過ぎて難しかった。(相変わらず世界観はかっこいい)。最初の「金融道」と「地獄篇」(←マインクラフトか!)は5編の中でも特に面白かったんだけど、他の3編は想像を超えていて。けどテンポがいいのでつい読んでしまった。ユーセフはきっと超カッコイイと思うんだけど、雰囲気はスペースダンディ的な感じがした。

    舞台は宇宙果ての二番街だけど太古から続く地球の記憶は残る。地層みたいに。
    ロマンチックだったりせつなく悲しかったり、くすっと笑えたりした。星3.5

  • 難しい...本格SFなので理系な話が難しくて理解できない。でもコメディ部分は面白かった。
    主役ふたりの掛け合いがいい。
    主人公の左腕が義手なのはもしかしたら新井素子さんの『星へ行く船』シリーズのオマージュなのかななんて思った。
    あれもSF コメディだし...
    この作品もシリーズ化されないかな。

  • 1話目を読んだ感想は薄いというかあっさり。でも2話目3話目と読み重ねるうちに主人公たちキャラクターに愛着が湧いてきた。各話の結末も小気味よい。

  • 太陽系外の惑星を舞台に冷血な金貸しのユーセフとその部下の”ぼく”のコンビによる借金取り立ての様子をスラップスティックに描いた金融スペースオペラコメディ短編集。
    単なるドタバタ劇に見えて、ブレラン的なアンドロイドの意識の問題みたいにSF的な大ネタも扱えば、一方で排外主義やタックスヘイブンといった世相を反映したような話もあって、なかなか懐が深い。
    量子金融工学(複数の宇宙に投資する多宇宙ポートフォリオとか)やアンドロイド新三原則(①人格はスタンドアロンでなくてはいけない②経験主義を重視しなくてないけない③グローバルな外部ネットワークにアクセスしてはいけない)等SF的なアイデアの効かせ方も上手い。

    人格転写して債務逃れをしようとするアンドロイドの行方を追ううちに、量子金融工学が引き起こした10年前の金融破綻の真相に行き着く表題作、
    不平等な貿易関税システムの是正を求めて蜂起したサーバー上の人工生命を追い詰める「スペース地獄篇」、
    ひょんなことからカジノに閉じ込められることになった結果、新通貨を発行することになる「スペース蜃気楼」、
    タックスヘイブンを舞台に体内のナノマシンに体を乗っ取られた結果、多額の債務を背負ってしまった”ぼく”がテロ事件に巻き込まれる「スペース珊瑚礁」、
    極右政党の党首になった”ぼく”がマスコミに追われながら、アンドロイドのシリアルキラーを探すため、アンドロイド間を繋ぐクラウドに潜入する「スペース決算期」等5編を収録。

  • 筆者にしてはユーモアタップリのSF。SF世界での金貸しを描いており、アンドロイド、人口生命体やガイアまでもが金を借りている。それを取り立てるのが主人公とその上司であるユーセフ。ただ一筋縄ではいかない。人口生命体になって取り立てたり殺人鬼に襲われたりとトラブルには事欠かない。
    オチはシュールで何となく火浦功を思い出した。

  • 大好きなSF物。ドSの上司と有能なのかただのドジなのかわからない主人公のやりとりが面白かった。続きが読みたいけどなんだかなさそうだなあ。。。

  • 初の太陽系外惑星(通称二番街)に移住した人類。その星で、アンドロイドから人工生命や知能植物カスミアオイにまで資金を融通するサラ金の回収担当の僕と非情の上司のユーセフ。上司からの理不尽な要求の連発に耐える社員は、遥か未来でも変わらない。いかなる手段をもってしても、貸金を回収する金融屋も同様だ。アンドロイドに対する人種差別問題などもあり、社会性も含んでいる。
    しっかりとしたSFと、(それらしく作られた)量子金融理論などが出てきて面白く読んだ。

  • 正直金融、SF展開の内容を理解してるかと言われればよく分かってないけれど読後は「面白かったー!」ってなる。キャラクターが良いので難しさもさほど苦にならなかった。
    テンポが良いので映像化でもしたら面白そうだな。

  • NOVA掲載のころから好きでした!(「スペース珊瑚礁」しか読んでない)
    カウボーイビバップとかスペースカウボーイみたいな、キャラクター重視一話完結型の人情系SF。いいよいいよ好きだよ~!
    ザックがすきだけど、スペース珊瑚礁のオチは最初わけがわからなかった(特にNOVAで読んだときはその話しか読んでいなかったし)。わりと爆発オチみたいな感じですよね。(きっちり次話で話題に出してるけど。)
    アニメ化とかすればいいんじゃないかな!

  • 宇宙を舞台にした街金のお話。借り主はアンドロイドだったり植物だったりと様々だけどふんだんにSF臭が好きな人にはたまらないのかも。
    基本的にはコメディタッチで読みやすくたまにはSFもいいもんだなぁと再認識。
    個人的には「スペース珊瑚礁」のオチが大好き。

全43件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

宮内悠介(みやうち・ゆうすけ)
1979年東京都生まれ。早稲田大学第一文学部英文科卒業。2010年囲碁を題材とした短編『盤上の夜』で第1回創元SF短編賞山田正紀賞を受賞、各種盤上ゲームの連作短編として2012年『盤上の夜』で単行本デビュー。第33回日本SF大賞受賞、第147回直木賞候補。2013年『ヨハネスブルグの天使たち』で第149回直木賞候補、第34回日本SF大賞特別賞受賞。2016年『アメリカ最後の実験』で第29回山本周五郎賞候補。「カブールの園」で第156回芥川賞候補。同作で2018年第30回三島由紀夫賞受賞。『彼女がエスパーだったころ』で第38回吉川英治文学新人賞受賞。『あとは野となれ大和撫子』で第157回直木賞候補。2017年「ディレイ・エフェクト」(『文学ムック たべるのがおそい』 vol.4)で第158回芥川賞候補。

スペース金融道のその他の作品

スペース金融道 Kindle版 スペース金融道 宮内悠介

宮内悠介の作品

スペース金融道を本棚に登録しているひと

ツイートする