少年聖女

著者 : 鹿島田真希
  • 河出書房新社 (2016年8月25日発売)
2.50
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  • 本棚登録 :198
  • レビュー :7
  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309025001

少年聖女の感想・レビュー・書評

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  • これまたすごいもの書いたな…と苦笑しながら読んだ。
    男は女を知った。そこから始まってそこで終わる感じが好きだな。最後の終わり方は鳥肌立った。

    やがて男は、今まで自分の一切について知らなかったことに気づいた。こうして主人公は自分を知った。

  • だいたいにおいて鹿島田真希の作品は難解ではあるけれど、これは難解さよりも設定の過激さのほうに目がいってしまい、逆に作者本来の難解さを設定の過激さで煙に巻いてしまったような印象を受けた。性的に過激なことを前面に出しておけばむしろそれを取っ掛かりにして読む人も意外といるでしょという計略なのかもしれないけれど、逆にそこしか読まれなくなってしまったらこの物語の真意は伝わらないだろうし、うーむ、どうしたもんだかな、という感じ。

    Aquaというゲイバーで優利という青年に恋した「僕」は、優利からその店でかつて働いていた伝説のようなタマという人物の話を聞かされる。次々と新しい恋人を連れ込む母親とその恋人たちに幼少時から性的虐待を受けて育ったタマは、女の子だけれど男装してゲイバーで働いており、お客たちは彼女をオネエっけのある少年だと思っている。差別用語かもしれないけれど精神薄弱、ちょっと白痴的なところのあるタマは、タイトルどおり少年の姿をした聖女、鹿島田真希作品では定番の「聖なる愚か者」のバリエーションのひとつでしょう。

    それにしてもそんなタマを一目見て女性だと気づき、恋に落ちる中年男・武史の、タマに対する言動の幼稚さ、自己中心的さがとても気持ち悪くて序盤は相当不愉快だった。しかしやがて武史は、タマの聖性に感化され、自らも聖人への階梯を昇り始める。つまりそれは、他人から見下され蔑まれ蔑ろにされる愚か者に成り下がることだった。やがてタマのルームメイトオルガの産んだ赤ん坊をタマと武史は育てることになり、聖ゲオルギイから名前をもらったその子はユーリィと呼ばれ成長し・・・。

    もともとさえない中年男ながらそれなりに仕事にやりがいを見出していた武史がタマに感化されどんどん「バカになっていく」ことがおそらく一番の読みどころだと思いますが、あまりにもタマの生い立ちが不幸で、それを可哀想と同情するのはあまりにも自分が傲慢で、そのくせはやり別世界の人種として距離をおきたいし自分が何かしてあげられるとも思えないしできれば関わり合いになりたくない。タマのいる場所まで堕ちた武史を素敵だとも羨ましいとも思わないし、優利も僕も結局欲求不満のただのホモだ。

    作者の言わんとすることは何となくわかるのだけれど、それよりも登場人物たちが無駄に見世物的な世界に身を置かされていることへの嫌悪感のほうが自分の中で勝ってしまって、物語そのものに心を動かされるところまでいかなかったのが残念。

  • 結局武司は離れることで何をどうしたかったのか(まあそこはちょっとわからなくはないけど)、で結局何がどうなったのかがイマイチよくわからなかった。ユーリもなぜそうなるかなあ…。

  • 難解な読み物苦手なんだよね...と思いながらも、訳が分からないながらも読了できた文章の雰囲気は好きなのかも。え‍?この世界好きなの‍?と自分にツッコミを入れつつ。

  • 叡智、とか難しいことはわからないけど
    先が気になる話 201704

  • 新年から難解な物語を読んでしまった。そもそもわたしは鹿島田真希作品をちゃんと理解できているのか鹿島田作品を読むたびに、そして読めば読むほどわからなくなる。それなのに咀嚼する。咀嚼しようと試みる。なのに本当に難解で(ループ)

  • 虐待され愛されずに育ったタマとちくわ工場で働く武史.自虐的なタマに引っ張られるように陸から水へと棲み変える.セックスと愛の交差する両生類の領域のあわいの魅力.タマのルームメイトオリガの私生児ユーリィを育てる事で,タマの何かが少しずつ浄化され多様な気がした.成長したユーリィが大きな水槽のあるバーで語る雰囲気がとても良かった.

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