せいのめざめ

  • 河出書房新社
3.25
  • (4)
  • (16)
  • (26)
  • (8)
  • (1)
本棚登録 : 260
感想 : 32
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (148ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309025421

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ミリさんと砂鉄さん、ちょっと珍しい組み合わせではないだろうか。テーマもこのお二人が扱うにしては珍しい気がする。ミリさんは漫画で、砂鉄さんは文章で、異性の体や性の何たるかもわからなかった時分の思い出を語る。
    漫画と文章という違いかもしれないけど、ミリさんのほうが赤裸々的に突き抜けてる。男子の金玉とか、大きく硬くなるってどんなことだろうとか、知らないなりに女友だちの間でまとまった仮説で納得してみたり。女子が相手にはそうとは見せずに男子の体に興味深々だったことがわかる。
    対して砂鉄さん、いつもの世相を切るようなさっぱり感がない。ミリさんの思い出からは「私」の思い出って感じがするけど、砂鉄さんは僕たち・おれたち・男子たちといった一般論的な話に終わっている感じがする。男子にとって性ってそのくらいのものなのかもしれないし、そういうふうにしか向き合えないから男女間に軋轢が生まれるのかもしれない。ちょっと砂鉄さんの書いた思い出にがっかり。

  • 漫画かわいかった~!わかるようでわからんでもない話。理想論とか目覚める前の話だから夢物語っぽくて、そんな時期もみんなにあったのか~って感じ。私自身なんかいろいろ悟るの早かった方だと思うので。笑

  • さらりと読めた。
    性に目覚める年ごろの男子・女子の妄想。経験なし、なんだけどもどこからか知識だけは集まってきて、どんどん妄想をふくらませていく様がオモシロイ…。
    益田ミリさんのマンガの女子(うさぎちゃん)がする妄想はちょっと可愛すぎる気もするなあ。
    武田さんのエッセイの男子たちはといえば、その意識過剰っぷりがいかにも「愛すべきお馬鹿」(失礼!)という感じで、ほほえましい。
    がしかし、どちらも若干ステレオタイプすぎるかなー。

    日本の学校では、今でも「性教育」は男女別に行われているのだろうか。思えば、男子校、女子校、というようなものがこの国には今だに多く存在しているのも、不思議といえば不思議だけど。個人的には、「性教育」はやはり男女一緒に行うこと、相手の身体のことについても、自分の身体のことと同じように学ぶのが良いのじゃないかな、と思う。

  • 武田さんの著作であれば読みたいっていうのと、性教育本の一種かなという考えの下、手にした本。これはでも、あのころ特有のバカバカしい妄想を笑い飛ばそう、っていうのが主旨だから、性教育的な要素は皆無。でも『分かる、わかる』みたいな感覚が楽しい。女性の観点からも描かれているのがまた、ある種味わい深い。

  • コミックエッセイと普通に文章のエッセイが交互に書かれている。
    コミックエッセイでは著名な方だが、絵の好き好きは様々だろう...。個人的には余り好みではないが、ともすると生々しい話題なので軽過ぎるくらいの現実味の乏しい線画がバランス的に良いのかも知れない。
    女性・男性の交互のエッセイという点でも面白い。特に女性視点は自分には未知なので、「へえ~、そうなんだ!」と思わされる何気ない描写もあったり。
    決して子供向けではなく、大人だからこそ振り返ってみて他人の視点での絵や文章になったものを味わえるのだと思った次第。

  • 中高生の頃の性への関心や妄想、想像にかかれた共著。
    益田さんということもあり手に取りました。

    個人的にはあまり得意ではないのですが…
    性について妄想を繰り返し、現実に直面し、大人に近づくことへの、中高生の女の子の心細さみたいなものが、益田さんらしさが出ていて良かったです。

  • 漫画。エッセイ。
    小中高生時代の異性への謎、興味、関心。

  • (2017/5/5読了)
    本の中にいるのは、小学生から高校生の男女。
    益田さんは女子目線でマンガを、武田さんは男子目線でコラムを担当している。
    両者の年の違いは13才。ひと昔以上も離れている。私は益田さんと同性で同年代だから共感できたけど、もしかしたら私の年代の男子はもっと、視野が狭かったかもしれない。
    なぜ同年代にしなかったのかな?不思議。
    益田さんの漫画が好きだからそれなりに楽しめたけど、果たしてこの本は、誰に、どの年代に向けて書かれたものなのかな?性教育本とも違うし。

    (内容)
    修学旅行の夜、プールの授業、授業中の手紙、夏休みの遭遇…あの頃、同じ教室にいた男子は、女子は、何を考えていたのだろう?とてつもなくまぶしくて奇妙で、もやもやしていた日々を異色のコンビが描く。

    (目次)
    マンガ=益田ミリ コラム=武田砂鉄
    はじめに
    子宮
    〈小〉のしくみ
    股間にボールが当たる
    大きくなるって何センチ
    隣り合ういちもつ
    ポジショニング
    プールと大きさ
    赤ちゃんのつくりかた
    おっぱい
    都市伝説
    友達のお姉さん
    トイレどうしよう
    親がやってた
    見たことないけど
    授業中の手紙
    愛ってなに
    修学旅行の夜
    Bの謎
    エロ本を捨てる
    友へ
    オナン
    皮と膜

    見られたくないもの
    イヤホン半分こ
    シフトするパンツ
    金さえあれば
    コートの前を開いたら
    ビデオが詰まった
    Hなビデオ
    筆を下ろす
    扉の向こう
    性に目覚める
    おわりに

  • 女子中学生のころの自分の気持ちを思い出しながら、思いもよらない中学男子の思考や行動をおもしろおかしく対比して楽しめる。中学生の子どもを持つ親ごさんや、教師など今を生きる中学生に今現在対峙している人におすすめしたい。ミリさんの本は好きでほとんど読破しているが、その中でもめずらしいテーマだと思う。

  • 男の子ってあのときそんなふうに思っていたんだって知ることが出来ておもしろかった。

著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。イラストレーター。主な著書に『欲しいものはなんですか?』『みちこさん英語をやりなおす』『そう書いてあった』『今日の人生』『しあわせしりとり』『すーちゃん』シリーズ、『マリコ、うまくいくよ』『僕の姉ちゃん』シリーズ、『スナック キズツキ』『ツユクサナツコの一生』『ヒトミさんの恋』『ランチの時間』等がある。

益田ミリの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×