- Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309025445
作品紹介・あらすじ
長編アニメーション映画「犬王」、制作決定! (2021年公開予定)監督:湯浅政明脚本:野木亜紀子キャラクター原案:松本大洋アニメーション制作:サイエンスSARU
感想・レビュー・書評
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アニメ化が気になり読んでみた。
手塚治虫の『どろろ』を思い出した。
終わり方が気に入らない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「平家物語」山田尚子×高野文子×サイエンスSARUでTVアニメ化、22年1月放送 9月15日にFOD先行配信 : ニュース - アニメハック
https://anime.eiga.com/news/114229/ -
能役者・犬王と琵琶法師・友魚。
2人の室町時代のポップスターを独特の語り口でいきいきと描き上げています。
もともと池澤夏樹氏編集の日本文学全集(河出書房新社)で、古川日出男氏が『平家物語』を現代語訳をされているものを読みたいと思っていたのですが、アニメ映画『犬王』のCMで女王蜂のアヴちゃん演じる犬王の歌声に痺れてしまい、本書から読んでみることにしました。
琵琶法師の語りを思わせる臨場感あふれる力強い文章に一気に引き込まれました。
1つ1つの章は短いけれど、その中に、呪いや亡霊といった不可思議なもの、権力や栄華に囚われたおろかな人間のふるまい、そしてそれらを浄化するような革命的なパフォーマンスなどが、ぎゅっと凝縮されていて、物語の疾走感がとても気持ち良かったです。
文字を読んだにも関わらず、語りの声を聴いていたかのような読後感。
目の前で1人の人間が"語る"、ということの凄みを疑似体験できたように感じました。 -
シンプルかつ淡々としているようで、その実、色々な要素が詰められ、接ぎ合わされたた、とても雑多なお話。
源平合戦の時代から数百年が経過し、鎌倉幕府も滅んだ、室町の時代。
能楽の道の頂点を窮めることを望むあまり、魔性のものと取引した父親のせいでかかった呪いのために、この世のものとは思えない醜い姿で生まれた「犬王(いぬおう)」。
その醜悪な容貌ゆえ、体中を覆い隠され、家族の誰にも無視されながら、それでも幼い彼は、本能で美に焦がれ、兄たちの見様見真似で、美しい芸を身につけていきます。
それは、彼の体にかかった呪いにも変化をもたらしていく。
盲目であるが故に、犬王の醜い姿が見えない旧来の友人で琵琶法師の「友魚(ともな)」が、世間で人気の「平家物語」に絡めつつ、犬王の呪われた生まれから芸の求道に至った数奇な人生を街角街角で語るものだから、彼の名声と話題性は、とみに高まっていく。
長じた犬王は、平家物語の新しい演目を次々と生み出し、人気の大夫(舞手)・興行師となります。
しかし、「窮極の美」を獲た二人には、あっけない終わりが待っていて…。
室町の時代を生きた犬王と友魚の物語は、二人の人生を主軸としながらも、ありとあらゆる要素が盛り込まれて、断片的かつ雑然としたまま展開し、終わっていきます。
窮極の美を求める狂おしい欲望、美と醜の対比と表裏的な関係性、犬王・友魚それぞれの対極的な父子関係、語りの概念、物語における通説と異説の関係性、隆盛と衰退、知名度向上のためには話題性とそれを取り上げる宣伝担当が必要であること…。
平家の隆盛と衰退という主軸がありながらも、源氏やら、公卿やら、誰かの女やら、唐天竺の逸話やら…ありとあらゆるエピソードが差し込まれて肥大化しながらようやく一つの話としてまとめられた平家物語を模しながらも、新たな局面に挑むかのように、エピソード以上に、実に多くの「観念的な要素」が、短い物語の中にぎゅうぎゅうと詰め込まれています。
それらの要素が大きな流れとしての集約はされず、独立したままで終わるのも、平家物語によく似ています。
ただ、惜しむらくは、これほど平家物語の構造に忠実に、なおかつ作者の古川さん独自の色も加えているのに、平家物語の哀切に満ちた美しさだけはないことでしょうか。
そうはいっても、平家物語に着想を得た意欲的な物語として、十分楽しめる作品でした。
短い物語なので、秋の夜長に手にするのにもいいですね。 -
映画見て、その後近くの本屋さん行ったら置いてあったので。すぐに読んでよかった!どちらかだけだったら楽しみきれなかったかも。
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女王蜂アブちゃんのファンで、映画『犬王』を5回も見ました。その流れでこの本を読むと、より詳しく内容が分かって面白かったです。
腕塚や鯨の歌詞がこう意味なんだっと理解する事ができて、また映画を見たくなりました。 -
映画がヤバいは随所で目にする感想ですが、原作もヤバい。
古川先生の語り口が淡々としているのに、二人の数奇で劇的な人生を、二人の疾走感はそのままに伝えてくるのが読んでいて心地良い。
悲劇のはずの終幕が、ただ愛しく美しい。 -
アニメ「平家物語」を観て、映画「犬王」を観て本作を読んだ。
映画版は楽曲やアニメーションは素晴らしかったのだけど、ストーリーは読み取りきれない部分が多かったので、ようやく原作を読んで色々補完ができた。
特に犬王の演目「鯨」や「腕塚」はこういう背景のストーリーだったのか!とようやく理解。
そして特に犬王の演目の本作における描写は、思わずイマジネーションを働かせたくなる素敵なものだったので、「ここを映像で描きたかったのだな。そして映像にするならアニメーションだな」と映画化された背景に想いを馳せて1人納得してしまった。
友有と犬王の友情は映画版のほうが丁寧に描かれてたのでそこを楽しみたい人には映画版もおすすめしたい。
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映画を観て面白かったので
原作本も読了しました^ ^
映像が先だったので、
頭の中で映画が再生されて楽しかったです。
映画の中で、話が少しわからなかったところは
本を読んで理解できました^ ^
友魚と犬王の友情が素敵だけど
少し悲しく、余韻がある終わり方でした。